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第一幕 悪役公爵令嬢(闇魔法使い8歳)王宮書庫殺人事件

103. 対策

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 台本に登場する主要キャストであるバークレイ教授がジャンクキラーに殺された。
 私とマネージャーのララエルは、これからどうするか頭を悩ませることになった。

「とにかく、死んでしまったものはどうしようもないわ」
「そうですね」

「これからできることを考えましょう」
「これからできることですか? 例えばどんなことでしょう?」

「例えば……代わりのキャストを探すとか?」
「それは、プロデューサーなら可能でしょうが、私たちでは無理なのでは?」

「そうだ。プロデューサー! プロデューサーに連絡しましょう」
「プロデューサーにですか? どうやって連絡するんです?」

「あなた、マネージャーでしょ。プロデューサーとの連絡方法はないの?」
「そんなものありません」
 なんて使えないマネージャーなんだ。

「はぁー。それじゃあ、キャストの代わりは、プロデューサーが気づいて対応してくれるように祈るしかないわね」
「毎日、お供えをするようですかね?」
 お供えしてもいいけど、どこに供えろというのだろう。

「これからできることといえば、これ以上キャストを減らさないようにすることかしら」
「主要キャストに護衛を付けますか?」

「できればそうしたいけど、護衛をそれだけ揃えるのは難しいだろうし、第一護衛される人になんて説明するの?」
「そうですね『あなたジャンクキラーに狙われています』なんて言ったら、『悪いことしてるでしょ』と言ってるのと同じですからね」

「まあ、危険はどこに潜んでいるかわからないけど、当面切実なのはジャンクキラーだからね」
「となると、ジャンクキラーを捕まえるのが一番ですね」

「そうね。でも、警察が長年頑張っても捕まらないのだから、私が出る幕ではないわよね」
「公爵に止められているから、王都にも行けませんしね」

「はぁー。私に今できるのは台本読みだけなのよね……」
「台本に解決策が載っていれば万事解決だったでしょうに」

 闇魔法は台本をヒントに少しは使えるようになったから、今回も何かヒントでも有ればいいのに。
 あれ? 待てよ。

「台本にヒントがあったかもしれない!」
「え? 台本にジャンクキラーは登場しませんよ」

「登場人物としてはね。でも、セリフに出てきているの。確かヒロインが階段から突き落とされて、その犯人として悪役令嬢が騎士団長の息子に追及される場面よ」

 私は台本のその場面を開くとララエルに突きつけるのだった。

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