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第一幕 悪役公爵令嬢(闇魔法使い8歳)王宮書庫殺人事件
87. 今更マネージャー
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新たに私の侍女になったララエルであるが、どこかで見たことがあるような気がする。
何処だっただろう?
別荘の私の部屋に案内され、メイドのサラがお茶の準備のためララエルと二人きりになると彼女が急に頭を下げた。
「申し訳ありません」
急に謝れても、私にはララエルに何かされた身に覚えがなかった。
「何か謝らなければならないことをしたの?」
「大変遅くなりました」
「約束の時間に遅れたの?」
私は聞いていなかったが、遅刻したのだろうか?
まあ、それなら口頭で注意しておこう。
「これからは時間を守るように注意してください」
「それだけですか?」
「他に何か?」
「罰を与えるとか……」
「いちいちそんなことしないわよ」
「怒ってないのですか?」
「それぐらいで怒らないわ」
「マリー様は優しいのですね。三年も遅れた私に怒ることもしないなんて」
「三年?」
「はい、マリー様がこちらに来られてから三年は経ちますよね?」
え? それってスカウトされてから三年ということ?
だとすれば、なぜ、ララエルは私がスカウトされたことを知っているの?
「もしかして、マネージャー?」
「はい。改めまして、プロデューサーから遣わされたマネージャーのララエルです」
「今までどこでサボってたのよ! この、うすらトンカチ!」
「ひー! 怒らないって言ったじゃないですか」
「それは、あなたがマネージャーだとは知らなかったからよ」
「えーん。黙ってればよかったー」
「それで、今までどこで何してたの?」
「実は、スカウトされて来たのはヒロインだと思って、そちらのメイドをしていました」
「ああ! どこかで会ったことがあると思ったら、カフェであったのね」
自称ヒロインと一緒にいたメイドだ。しかも、去年と今年二回も会っている。
「はい。あの時に間違いに気付きました。ヒロインと話していても話が噛み合わないので不思議だったんですよね」
「それはどういうこと?」
「スカウトされたことを話しても、全く覚えていなかったようで、記憶喪失かと思いました。スカウトされたわけではないのですから、記憶なんてありませんよね。ハハハ」
「あれ、でもあの時に自分がヒロインだって言ってなかった?」
「それは私がそう教えました」
「そうなの、それって大丈夫なの?」
「別れるときに記憶を消してきましたから、大丈夫じゃないですか」
記憶を消すなんて、そんなことができるのか! マネージャー恐るべし。
だが、本当にそれで大丈夫なのか?
何処だっただろう?
別荘の私の部屋に案内され、メイドのサラがお茶の準備のためララエルと二人きりになると彼女が急に頭を下げた。
「申し訳ありません」
急に謝れても、私にはララエルに何かされた身に覚えがなかった。
「何か謝らなければならないことをしたの?」
「大変遅くなりました」
「約束の時間に遅れたの?」
私は聞いていなかったが、遅刻したのだろうか?
まあ、それなら口頭で注意しておこう。
「これからは時間を守るように注意してください」
「それだけですか?」
「他に何か?」
「罰を与えるとか……」
「いちいちそんなことしないわよ」
「怒ってないのですか?」
「それぐらいで怒らないわ」
「マリー様は優しいのですね。三年も遅れた私に怒ることもしないなんて」
「三年?」
「はい、マリー様がこちらに来られてから三年は経ちますよね?」
え? それってスカウトされてから三年ということ?
だとすれば、なぜ、ララエルは私がスカウトされたことを知っているの?
「もしかして、マネージャー?」
「はい。改めまして、プロデューサーから遣わされたマネージャーのララエルです」
「今までどこでサボってたのよ! この、うすらトンカチ!」
「ひー! 怒らないって言ったじゃないですか」
「それは、あなたがマネージャーだとは知らなかったからよ」
「えーん。黙ってればよかったー」
「それで、今までどこで何してたの?」
「実は、スカウトされて来たのはヒロインだと思って、そちらのメイドをしていました」
「ああ! どこかで会ったことがあると思ったら、カフェであったのね」
自称ヒロインと一緒にいたメイドだ。しかも、去年と今年二回も会っている。
「はい。あの時に間違いに気付きました。ヒロインと話していても話が噛み合わないので不思議だったんですよね」
「それはどういうこと?」
「スカウトされたことを話しても、全く覚えていなかったようで、記憶喪失かと思いました。スカウトされたわけではないのですから、記憶なんてありませんよね。ハハハ」
「あれ、でもあの時に自分がヒロインだって言ってなかった?」
「それは私がそう教えました」
「そうなの、それって大丈夫なの?」
「別れるときに記憶を消してきましたから、大丈夫じゃないですか」
記憶を消すなんて、そんなことができるのか! マネージャー恐るべし。
だが、本当にそれで大丈夫なのか?
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