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第一幕 悪役公爵令嬢(闇魔法使い8歳)王宮書庫殺人事件
60. 侍女候補
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将来、取り巻きAになる予定であるカナリの鉱山送りを回避するため、私はカナリを公約家で雇い、借金の肩代わりをしてくれるようにお父様にお願いした。
「お父様お願い!」
「一億か……。まあ、マリーがそこまでお願いするならいいだろう」
「本当?! よかった」
説得にかなり手古摺るかと思ったが、あっさり認められてしまった。
公爵家にとって、一億なんてはした金なのだろうか?
「その子が男爵位を継いだのなら、マリーの侍女になってもらえばいい」
侍女か……。取り巻きとは少し違うような気がするが、まあ、誤差の範囲か?
それに、台本では、男爵でなく伯爵令嬢になっているのだが、大丈夫だろうか?
「まあ、それもこれも、相手方が納得すれば、だな」
「そうですね。早くカナリに話に行かなければ」
すぐに伝えに行こうと思ったが、カナリの居場所がわからないことに気付く。
「ユキ、カナリは今どこに住んでいるかわかる?」
「今は、警察で用意したホテルで過ごしています。ですが、行かれるなら明日にされて方がよろしいかと思います」
そう言われれば、既に夜になっている。七歳のカナミは寝る時間だろう。
そういう私も、時間に気がついたら眠くなった。
「そうね。明日にするわ。朝一番で会えるように準備しておいてちょうだい」
「畏まりました」
翌朝、サラとユキを伴って、カナリが泊っているというホテルに向かう。
ついてくるのはユキだけでいいと言ったのだが、サラがどうしてもついてくると聞かなかった。
予め、ユキが連絡を取ってくれたので、ホテルのロビーで待ち合わせだ。カナリだけでなくモリス刑事も一緒にロビーで待っていた。
「待たせてしまったかしら?」
「公爵令嬢を待たせるわけにはいかないからな。それで、何の用だ」
私はカナリに話しかけたのだが、カナリでなくモリス刑事が返事を返してきた。しかも、態度が横柄だ。サラとユキが睨んでいる。
「借金を負わされて大変だと聞いて、手助けできないかと」
「借金の話を何故知っている?」
「先日、街でカナリを見かけて、暗い顔をしていたので気になって、失礼ながら調べさせてもらったわ」
「まだ、話は漏れていないと思ったが、流石は公爵家の情報網だな」
情報網なんて、そんな大げさなものではない。ユキが噂を集めてきただけなのだが、わざわざ、訂正する必要はないだろう。
「それで、もしカナリがよければ、私の侍女にならない? 借金は公爵家で肩代わりするわ。鉱山送りになるよりはいいでしょ」
「ちょっと待て、この前、船で初めて会ったんだよな。なぜ、そこまでする?」
「だって、カナリは初めてのお友達だから」
「初めてのお友達……」
ここに来てから、ずっと塞ぎ込んでいたカナリが初めて声を出したのだった。
「お父様お願い!」
「一億か……。まあ、マリーがそこまでお願いするならいいだろう」
「本当?! よかった」
説得にかなり手古摺るかと思ったが、あっさり認められてしまった。
公爵家にとって、一億なんてはした金なのだろうか?
「その子が男爵位を継いだのなら、マリーの侍女になってもらえばいい」
侍女か……。取り巻きとは少し違うような気がするが、まあ、誤差の範囲か?
それに、台本では、男爵でなく伯爵令嬢になっているのだが、大丈夫だろうか?
「まあ、それもこれも、相手方が納得すれば、だな」
「そうですね。早くカナリに話に行かなければ」
すぐに伝えに行こうと思ったが、カナリの居場所がわからないことに気付く。
「ユキ、カナリは今どこに住んでいるかわかる?」
「今は、警察で用意したホテルで過ごしています。ですが、行かれるなら明日にされて方がよろしいかと思います」
そう言われれば、既に夜になっている。七歳のカナミは寝る時間だろう。
そういう私も、時間に気がついたら眠くなった。
「そうね。明日にするわ。朝一番で会えるように準備しておいてちょうだい」
「畏まりました」
翌朝、サラとユキを伴って、カナリが泊っているというホテルに向かう。
ついてくるのはユキだけでいいと言ったのだが、サラがどうしてもついてくると聞かなかった。
予め、ユキが連絡を取ってくれたので、ホテルのロビーで待ち合わせだ。カナリだけでなくモリス刑事も一緒にロビーで待っていた。
「待たせてしまったかしら?」
「公爵令嬢を待たせるわけにはいかないからな。それで、何の用だ」
私はカナリに話しかけたのだが、カナリでなくモリス刑事が返事を返してきた。しかも、態度が横柄だ。サラとユキが睨んでいる。
「借金を負わされて大変だと聞いて、手助けできないかと」
「借金の話を何故知っている?」
「先日、街でカナリを見かけて、暗い顔をしていたので気になって、失礼ながら調べさせてもらったわ」
「まだ、話は漏れていないと思ったが、流石は公爵家の情報網だな」
情報網なんて、そんな大げさなものではない。ユキが噂を集めてきただけなのだが、わざわざ、訂正する必要はないだろう。
「それで、もしカナリがよければ、私の侍女にならない? 借金は公爵家で肩代わりするわ。鉱山送りになるよりはいいでしょ」
「ちょっと待て、この前、船で初めて会ったんだよな。なぜ、そこまでする?」
「だって、カナリは初めてのお友達だから」
「初めてのお友達……」
ここに来てから、ずっと塞ぎ込んでいたカナリが初めて声を出したのだった。
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