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第一幕 悪役公爵令嬢(闇魔法使い8歳)王宮書庫殺人事件
53. 図書館
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コーネリア先生に学園の施設を一通り案内された後、食堂で昼食をご馳走になった。
食堂からは、王都の様子が一望でき眺めは抜群である。
料理は、豪華なものではなかったが、味は満足できるものだった。
「後は、少し離れたところに寄宿舎があるのだけど、マリーさんは通いよね」
「王都に屋敷がありますから、そうなると思います」
「じゃあ、案内はいいかしら?」
「そうですね、わざわざ案内していただかなくてもいいと思います」
「他に何か気になったところはあるかしら?」
「あの、図書館の本を見ることはできないでしょうか?」
家庭教師のクロード先生は、王宮の禁書庫くらいしかないだろうと言っていたが、もしかしたら、ここの図書館に闇の魔導書があるかも知れない。
「図書館ねぇー。まあ、私が一緒なら大丈夫でしょ」
「本当ですか! ありがとうございます」
「それにしても、随分と勉強熱心なのね」
「いえ、そんなことはありません」
少し喜び過ぎてしまったかもしれない。怪しまれないように気を付けなければ。
図書館は二階建ての立派な建物だった。地下もあるらしい。
入ってすぐに受付があり、そこに座る司書にコーネリア先生が私のことを説明して許可を取ってくれた。
「それで、お嬢様は、何か読みたい本があるのかな?」
司書の女性が子供をあやすように尋ねてきた。まあ、この年齢の子供に対しては妥当な対応だ。
「できれば、魔導書が読みたいのですが」
「魔導書ね。魔導書ならあっちの奥にあるんだけど、ちょっと今は……」
司書の女性は言いづらそうに困っている。
司書の言うあっちに何があるのだろうとそちらを向くと、見るからに神経質そうなおっさんがこちらに歩いてきた。
「ゲッ! バークレイ教授」
コーネリア先生が小声をあげる。
「ん? アバンテール君ではないか。こんな所で何をしている」
「見学者の案内を……」
「見学者とはその子供のことか? ここに絵本はないぞ」
「アハハ……。そうですね」
「わかったらさっさと出て行きたまえ」
「いえ、それは……」
おっと、まずいことになった。魔導書を前に追い出されそうだ。
「絵本でなく、魔導書が見たいのですが」
「魔導書? 何者だ?」
バークレイ教授は私のことを睨みつけてくるのだった。
食堂からは、王都の様子が一望でき眺めは抜群である。
料理は、豪華なものではなかったが、味は満足できるものだった。
「後は、少し離れたところに寄宿舎があるのだけど、マリーさんは通いよね」
「王都に屋敷がありますから、そうなると思います」
「じゃあ、案内はいいかしら?」
「そうですね、わざわざ案内していただかなくてもいいと思います」
「他に何か気になったところはあるかしら?」
「あの、図書館の本を見ることはできないでしょうか?」
家庭教師のクロード先生は、王宮の禁書庫くらいしかないだろうと言っていたが、もしかしたら、ここの図書館に闇の魔導書があるかも知れない。
「図書館ねぇー。まあ、私が一緒なら大丈夫でしょ」
「本当ですか! ありがとうございます」
「それにしても、随分と勉強熱心なのね」
「いえ、そんなことはありません」
少し喜び過ぎてしまったかもしれない。怪しまれないように気を付けなければ。
図書館は二階建ての立派な建物だった。地下もあるらしい。
入ってすぐに受付があり、そこに座る司書にコーネリア先生が私のことを説明して許可を取ってくれた。
「それで、お嬢様は、何か読みたい本があるのかな?」
司書の女性が子供をあやすように尋ねてきた。まあ、この年齢の子供に対しては妥当な対応だ。
「できれば、魔導書が読みたいのですが」
「魔導書ね。魔導書ならあっちの奥にあるんだけど、ちょっと今は……」
司書の女性は言いづらそうに困っている。
司書の言うあっちに何があるのだろうとそちらを向くと、見るからに神経質そうなおっさんがこちらに歩いてきた。
「ゲッ! バークレイ教授」
コーネリア先生が小声をあげる。
「ん? アバンテール君ではないか。こんな所で何をしている」
「見学者の案内を……」
「見学者とはその子供のことか? ここに絵本はないぞ」
「アハハ……。そうですね」
「わかったらさっさと出て行きたまえ」
「いえ、それは……」
おっと、まずいことになった。魔導書を前に追い出されそうだ。
「絵本でなく、魔導書が見たいのですが」
「魔導書? 何者だ?」
バークレイ教授は私のことを睨みつけてくるのだった。
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