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第一幕 悪役公爵令嬢(闇魔法使い8歳)王宮書庫殺人事件
52. 学園見学
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折角、しばらく王都に滞在することになったので、屋敷に篭っていないで、王都の観光をすることにした。
「お嬢様、行ってみたいところはありますか? こちらのカフェなどお勧めですが」
メイドのサラが、王都の観光ガイドを開いて勧めてくる。そのページには、女性に大人気のおしゃれなカフェが紹介されていた。
「そこもいいけど、先ずは学園の見学をしたいわ」
「来るときにも列車の中で言っていましたが、本当に行かれるのですね。わかりました。でしたら見学の許可を取っておきます」
ということで、王都見学の第一弾として学園に見学に行くことになった。
学園は、王都の北の端、小高い山の中腹にあった。
と、いうか、その山自体が学園の敷地だそうだ。
麓にある守衛のいる門をくぐると、くねくねと上り坂が学園の建物まで続いている。
中腹にあるそこに着くと、いくつもの建物が並んでいた。
まずは、正面の管理棟で受付をする。女の教師が一人案内をしてくれるようだ。
「案内役のコーネリア アバンテールよ。普段はこの学園で歴史を教えているわ」
「初めまして、マリー ロートブルクです。本日はわざわざ時間を割いていただきありがとうございます」
「ちょうど暇な時だったから、それは気にしないで。ですが、その歳で学園見学だなんて、随分と熱心なのね?」
「イングラスからだとなかなか王都に来る機会はありませんから、できるときに見学しておこうと思いまして」
「成る程ね。良い心がけだわね」
「それ程ではありません」
「本当に七歳? 随分としっかりしているわね。流石ロートブルク公爵家といったところかしら、一緒に勉強できるようになるのが楽しみだわ」
「私も学園に通うのが楽しみです」
そこからが本番の舞台ですからね。悪役令嬢役を見事に勤め上げて見せますよ。
「それじゃあ、案内を始めるけど、ここが管理棟ね。受付の他に、事務室、教員室、学園長室などもあるわ。順を追って案内するわね。付いて来て」
管理棟の中を案内されてそれが済むと、管理棟の左手にある講堂に案内された。そして、その裏というか、山を登ったところにあるのが体育館、その右隣り、つまり管理棟の裏が講義室棟、それの裏が研究室棟、研究室棟の右側が図書館で、その前、講義室棟の右側が食堂だった。
それらが、階段と何故か地下通路で繋がっていて、立体的に配置されているため、まるで迷路だ。
「ははは、慣れるまでは毎年迷子になる生徒が出るのよ」
「何でこんなに複雑な作りになっているんですか?」
「ここは元々、軍の司令部が置かれていてね。軍事教練所でもあったから、その名残なのよ」
「成る程、それで地下通路があるのですね」
「秘密基地みたいで楽しそうでしょ」
「いや、それで喜ぶのは小さな男の子だけですから」
ハインリッヒなら大喜びしそうだ。
「そうかしら? 私は楽しいけど」
歴史を教えているだけあって、地下壕とか好きなのだろうか?
「お嬢様、行ってみたいところはありますか? こちらのカフェなどお勧めですが」
メイドのサラが、王都の観光ガイドを開いて勧めてくる。そのページには、女性に大人気のおしゃれなカフェが紹介されていた。
「そこもいいけど、先ずは学園の見学をしたいわ」
「来るときにも列車の中で言っていましたが、本当に行かれるのですね。わかりました。でしたら見学の許可を取っておきます」
ということで、王都見学の第一弾として学園に見学に行くことになった。
学園は、王都の北の端、小高い山の中腹にあった。
と、いうか、その山自体が学園の敷地だそうだ。
麓にある守衛のいる門をくぐると、くねくねと上り坂が学園の建物まで続いている。
中腹にあるそこに着くと、いくつもの建物が並んでいた。
まずは、正面の管理棟で受付をする。女の教師が一人案内をしてくれるようだ。
「案内役のコーネリア アバンテールよ。普段はこの学園で歴史を教えているわ」
「初めまして、マリー ロートブルクです。本日はわざわざ時間を割いていただきありがとうございます」
「ちょうど暇な時だったから、それは気にしないで。ですが、その歳で学園見学だなんて、随分と熱心なのね?」
「イングラスからだとなかなか王都に来る機会はありませんから、できるときに見学しておこうと思いまして」
「成る程ね。良い心がけだわね」
「それ程ではありません」
「本当に七歳? 随分としっかりしているわね。流石ロートブルク公爵家といったところかしら、一緒に勉強できるようになるのが楽しみだわ」
「私も学園に通うのが楽しみです」
そこからが本番の舞台ですからね。悪役令嬢役を見事に勤め上げて見せますよ。
「それじゃあ、案内を始めるけど、ここが管理棟ね。受付の他に、事務室、教員室、学園長室などもあるわ。順を追って案内するわね。付いて来て」
管理棟の中を案内されてそれが済むと、管理棟の左手にある講堂に案内された。そして、その裏というか、山を登ったところにあるのが体育館、その右隣り、つまり管理棟の裏が講義室棟、それの裏が研究室棟、研究室棟の右側が図書館で、その前、講義室棟の右側が食堂だった。
それらが、階段と何故か地下通路で繋がっていて、立体的に配置されているため、まるで迷路だ。
「ははは、慣れるまでは毎年迷子になる生徒が出るのよ」
「何でこんなに複雑な作りになっているんですか?」
「ここは元々、軍の司令部が置かれていてね。軍事教練所でもあったから、その名残なのよ」
「成る程、それで地下通路があるのですね」
「秘密基地みたいで楽しそうでしょ」
「いや、それで喜ぶのは小さな男の子だけですから」
ハインリッヒなら大喜びしそうだ。
「そうかしら? 私は楽しいけど」
歴史を教えているだけあって、地下壕とか好きなのだろうか?
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