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第一幕 悪役公爵令嬢(闇魔法使い8歳)王宮書庫殺人事件
39. ペンダント
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「彼女を王都に連れて行く理由はわかったけど、なぜペンダントを盗品扱いするの?」
「それは、彼女の家から、その生活ぶりからして不相応な宝石やアクセサリーが大量に見つかったからだ」
確かに、彼女の服装からすると、そのペンダントは不相応に豪華だ。
服装から考えられる暮らしぶりからすれば、大量の宝石類があるのは疑わしいだろう。
「それは盗品だったの?」
「いや、今はまだ照合中だ」
「これは、あたしのだもん。お父さんが身分を証明するのに必要な物だから、絶対に手放すなって言ってたもん」
「身分を証明するのに必要な物?」
「お嬢さん、取ったりしないから、そのペンダントを見せてもらってもいい?」
メイドのサラがしゃがみこんで少女にお願いする。
「んーん。取らない?」
「取りませんよ」
「なら、見ていいよ」
サラは、少女が首からしているペンダントを手に取ってじっくり観察する。
「これは……。裏に王家の紋章があります」
「どういう事? この子、王族なの?」
「いえ、これは爵位を授かるときに下賜されるものです」
「え? じゃあ、少なくとも貴族なの」
「本人の物ならそうなりますね」
「この子は、グスコウ男爵家の子供らしい」
出来る限り、私たちに情報を教えたくないのだろう。モリス刑事が、仕方がなさそうに教えてくれた。
「ということは、王都にいる叔父とは、グスコウ男爵のことなの?」
「いえ、グスコウ男爵といえば、八年くらい前に長男が失踪して騒ぎになっています。その後、二年前に男爵は死去。今は次男が男爵代行をしているはずです」
「代行? 次男が爵位を継いだのではないの?」
「長男が爵位継承に必要な王から下賜されたペンダントを持って失踪したため、失踪から十年経たないと正式には爵位を継承できないようです」
「王から下賜されたペンダント? それってこのペンダントのことよね」
「多分そうだと思います」
「そういうことなんだけど、モリス刑事、まだ、盗品だと疑うの?」
「いや、そういうことなら、そのペンダントは盗品ではないのだろう。疑ってすまなかった」
モリス刑事は少女に頭を下げて謝った。
「わかってもらえればいいの」
少女はペンダントを大事そうに手で包み込んだ。
モリス刑事は、ペンダントについては盗品でないと納得したようだが、家から見つかった宝石類についてはまだ、疑っているようだ。
少女の父親が男爵家の長男なら、宝石類もペンダントと同様に、家から持ち出したものではないのだろうか?
「モリス刑事、彼女の家にあった宝石類も男爵家から持ち出したものではないのですか?」
少女の服装から宝石類が家に大量にあることに違和感があったが、貴族であれば、然程不思議ではないように思えてモリス刑事に聞いてみた。
「その可能性もあるが、それにしても数が多い。それに、盗品ではないかと疑われている理由は他にもある」
どうやら、いろいろと訳アリのようだ。
「それは、彼女の家から、その生活ぶりからして不相応な宝石やアクセサリーが大量に見つかったからだ」
確かに、彼女の服装からすると、そのペンダントは不相応に豪華だ。
服装から考えられる暮らしぶりからすれば、大量の宝石類があるのは疑わしいだろう。
「それは盗品だったの?」
「いや、今はまだ照合中だ」
「これは、あたしのだもん。お父さんが身分を証明するのに必要な物だから、絶対に手放すなって言ってたもん」
「身分を証明するのに必要な物?」
「お嬢さん、取ったりしないから、そのペンダントを見せてもらってもいい?」
メイドのサラがしゃがみこんで少女にお願いする。
「んーん。取らない?」
「取りませんよ」
「なら、見ていいよ」
サラは、少女が首からしているペンダントを手に取ってじっくり観察する。
「これは……。裏に王家の紋章があります」
「どういう事? この子、王族なの?」
「いえ、これは爵位を授かるときに下賜されるものです」
「え? じゃあ、少なくとも貴族なの」
「本人の物ならそうなりますね」
「この子は、グスコウ男爵家の子供らしい」
出来る限り、私たちに情報を教えたくないのだろう。モリス刑事が、仕方がなさそうに教えてくれた。
「ということは、王都にいる叔父とは、グスコウ男爵のことなの?」
「いえ、グスコウ男爵といえば、八年くらい前に長男が失踪して騒ぎになっています。その後、二年前に男爵は死去。今は次男が男爵代行をしているはずです」
「代行? 次男が爵位を継いだのではないの?」
「長男が爵位継承に必要な王から下賜されたペンダントを持って失踪したため、失踪から十年経たないと正式には爵位を継承できないようです」
「王から下賜されたペンダント? それってこのペンダントのことよね」
「多分そうだと思います」
「そういうことなんだけど、モリス刑事、まだ、盗品だと疑うの?」
「いや、そういうことなら、そのペンダントは盗品ではないのだろう。疑ってすまなかった」
モリス刑事は少女に頭を下げて謝った。
「わかってもらえればいいの」
少女はペンダントを大事そうに手で包み込んだ。
モリス刑事は、ペンダントについては盗品でないと納得したようだが、家から見つかった宝石類についてはまだ、疑っているようだ。
少女の父親が男爵家の長男なら、宝石類もペンダントと同様に、家から持ち出したものではないのだろうか?
「モリス刑事、彼女の家にあった宝石類も男爵家から持ち出したものではないのですか?」
少女の服装から宝石類が家に大量にあることに違和感があったが、貴族であれば、然程不思議ではないように思えてモリス刑事に聞いてみた。
「その可能性もあるが、それにしても数が多い。それに、盗品ではないかと疑われている理由は他にもある」
どうやら、いろいろと訳アリのようだ。
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