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第一幕 悪役公爵令嬢(闇魔法使い8歳)王宮書庫殺人事件
16. 身体強化魔法
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家庭教師のクロード先生に魔法についての講義を受けている最中に、魔力を増やせないか質問したところ、なんともハッキリしない答えが返ってきた。
そして、先生はこう続けたのだった。
「効果があるかはっきりしない魔力を増やす訓練をするよりも、使い方を考えて、魔力の消費は少なくした方が、効果的なんだ」
「使い方ですか?」
「魔法は、さっき見せたように魔力を放出する以外に、体の中を循環させることにより、身体強化ができるんだ。その場合、魔力の消費は極わずかですむんだ」
「魔法で力が強くなったりするのですか!」
「そうなんだけど、力が強くなるのは、火属性場合だね。風なら瞬発力が上がって速く走れるし、土なら、体が硬くなって、防御力が上がる。水は持久力が上がって、疲れにくくなる」
「光と闇の場合はどうなりますの?」
「光の場合は、混乱や興奮状態を癒して、正常にできるらしい。そのため、光属性は聖属性とも呼ばれている。闇の場合は……」
「闇の場合は……。なんですの!」
私はテーブルに両手をついて前に乗り出して先生の次の言葉に期待した。
「わかっていない」
私は、思わずズッコケそうになってしまいました。
「クロード先生。私に闇の適性があると聞いてますか?」
「……一応は」
「でしたら、身体強化魔法のやり方を教えてください」
「闇の場合、どうなるかわからないのに教えられないよ」
「そこをなんとか」
私は顔の前に両手を合わせて懇願した。
「駄目です!」
「ケチ!」
「なんと言われようと、危険かもしれないのに教えられない」
これは、このままでは、いくらお願いしても教えてもらえそうにない。
「危険でないとわかれば教えてもらえますね?」
「危険でないとわかればね。だけど、闇魔法の記録はほとんどないよ」
「ほとんど、ということは、ゼロではないのでしょ」
「まあ、そうだね」
「どこに記録がありますか?」
「そんなこと、僕は知らないよ。あるとしたら王宮の禁書庫あたりじゃないかな」
「王宮の禁書庫ですか……。わかりました」
「諦めてくれたかい?」
「今から行って、探してきます!」
「そんなの無理だから。王宮まで行くには何日もかかるし、禁書庫に入る許可なんて出ないから」
そうか、王宮は海を越えた、大陸にあるんだった。
とりあえず、今は無理でも、いつかきっと調べに行こう。
そして、先生はこう続けたのだった。
「効果があるかはっきりしない魔力を増やす訓練をするよりも、使い方を考えて、魔力の消費は少なくした方が、効果的なんだ」
「使い方ですか?」
「魔法は、さっき見せたように魔力を放出する以外に、体の中を循環させることにより、身体強化ができるんだ。その場合、魔力の消費は極わずかですむんだ」
「魔法で力が強くなったりするのですか!」
「そうなんだけど、力が強くなるのは、火属性場合だね。風なら瞬発力が上がって速く走れるし、土なら、体が硬くなって、防御力が上がる。水は持久力が上がって、疲れにくくなる」
「光と闇の場合はどうなりますの?」
「光の場合は、混乱や興奮状態を癒して、正常にできるらしい。そのため、光属性は聖属性とも呼ばれている。闇の場合は……」
「闇の場合は……。なんですの!」
私はテーブルに両手をついて前に乗り出して先生の次の言葉に期待した。
「わかっていない」
私は、思わずズッコケそうになってしまいました。
「クロード先生。私に闇の適性があると聞いてますか?」
「……一応は」
「でしたら、身体強化魔法のやり方を教えてください」
「闇の場合、どうなるかわからないのに教えられないよ」
「そこをなんとか」
私は顔の前に両手を合わせて懇願した。
「駄目です!」
「ケチ!」
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これは、このままでは、いくらお願いしても教えてもらえそうにない。
「危険でないとわかれば教えてもらえますね?」
「危険でないとわかればね。だけど、闇魔法の記録はほとんどないよ」
「ほとんど、ということは、ゼロではないのでしょ」
「まあ、そうだね」
「どこに記録がありますか?」
「そんなこと、僕は知らないよ。あるとしたら王宮の禁書庫あたりじゃないかな」
「王宮の禁書庫ですか……。わかりました」
「諦めてくれたかい?」
「今から行って、探してきます!」
「そんなの無理だから。王宮まで行くには何日もかかるし、禁書庫に入る許可なんて出ないから」
そうか、王宮は海を越えた、大陸にあるんだった。
とりあえず、今は無理でも、いつかきっと調べに行こう。
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