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第一幕 悪役公爵令嬢(闇魔法使い8歳)王宮書庫殺人事件

15. 魔法

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 家庭教師のクロード先生にランドレート大陸語を教えてもらえるようにお願いしたが、先ずはイングラス語を書けるようになってからだと、先延ばしにされてしまった。
 台本を読むために、ランドレート大陸語を覚えなければならないのに困ったことだ。
 何としてでも、次回までには、イングラス語を書けるようにしておこう。

「先生、まだ少し時間がありますから魔法について教えてもらっていいですか?」
 書き取りの練習は自分一人でもできる。折角先生がいる今は、一人ではできないことを教えてもらおう。
 それに、文字を覚えるのも大切だが、魔法についても興味がある。

「魔法ですか? 魔法についても教える契約になっていましたから構いませんよ」
「それではお願いします」

 クロード先生は、居住まいを正すと魔法の講義を始めた。

「魔法の適性だが、これには一部の人に生まれつき備わっているもので、経験や努力によって、後から得ることはできない物なんだ」

 先天性なのか……。体質みたいな物かな。

「どうやって調べるますの?」
「教会に行けば調べることができるよ」

 それで、私は教会に行って倒れたのか。

「魔法の属性は、全部で六種類ある。比較的多いのは、火、水、風、土、の四種類で、光と闇は見つかることが大変珍しい」

「それは、後から変更できませんの?」
「それは無理なんだ。体に宿っている魔力の属性は決まっていて、変更することができない」

 血液型みたいな物だろうか? 生まれつき決まっていて、変更はできない。

「遺伝しますの?」
「それは、わかっていない。遺伝するという説と遺伝しないという説があるが、信じる人は半々だね」

 私の両親も魔法適性はないようだし、遺伝ではないのかな?

「それで、魔法はどんなことができますの?」
「そうだね。僕は風の適性があるから、風を操ることができる。こんなふうにね」

 クロード先生が指を振ると、窓が閉まっているのに風が吹いてきた。

「すごいです。それで、敵を倒したりできますの?」
「できなくはないけど、それをやるとかなり疲れるし、無理すれば意識を失うことになる」

「それは、魔力の使い過ぎということですの?」
「そのとおりだね」

「訓練すれば魔力は増やせますの?」
「そうだね……。一部では、魔力も、体力や持久力と同じように訓練すれば増えると考えられているね」

 一部で考えられているということは、確定ではないということよね。
 ということは、訓練によって、魔力が二倍になったりはしないということかな?
 それとも、確立した訓練方法がないだけだろうか?

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