名門魔術師を騙る詐欺師一族の三男は、ワザと不器用なフリをして狙い通り勘当されハンターになるが、なぜかメイドがついてきてエロエロな生活を送る

なつきコイン

文字の大きさ
上 下
20 / 23

第20話 買い物

しおりを挟む
 朝起きるといつもに増して調子が悪い。
 これは明らかに二日酔いだろう。
 昨晩の記憶がほとんどない。
「あいたたた」
 思い出そうとしても頭が痛くなるだけだ。
 買い物はお昼からでいいか……。
 ということで、二度寝をする。
 お昼近くになりミキに起こされやっと目を覚ます。

「マレック様、そろそろ起きられないと、買い物に行かれる時間もありますし、昼食くらいは食べてください」
 そういえば朝食は抜いてしまったから、お腹が空いているな。

「ああ、起きて食べるよ。ところで、アリサたちはどうした?」
「アリサ様たちは隣の部屋に戻りました。買い物に出かけるときに声をかけてくださいということです」

「ククリは?」
「ククリさんでしたら、そちらで寝ています」

 ミキがボクの横を指差すので布団をめくってみると、そこにはククリが寝ていた。
 なんでボクのベッドに一緒に寝ているのだ?

「ククリ、起きろ。なんでここで寝てるんだ」
「うう、大きな声を出さないで、頭に響く……」

 どうやらククリの二日酔いはボクより酷いようだ。

「買い物に行かなければならないから、起きてご飯を食べよう」
「ううう……。まだ無理」

「ククリさん、起きて、スープくらいは飲んでください」
「ほら、起きろよ」
「ううう、イケズ……」

 なんとかククリも起こして食事も済ませる。
 スープを飲んで、ククリもだいぶ回復したようだ。隣の部屋のアリサたちも誘って買い物に出る。

 道具屋に到着すると、みんなで必要な物を物色する。

「坑道の中だから寝袋があればテントはいらないのかな?」
「えぇー! 外から丸見えなのはちょっと……。できればテントは欲しいわ」
 男のボクは気にならないが、女のアリサはそうもいかないのだろう。こんな場合はククリに聞いてみるのが一番だろう。

「ククリ、どうなんだ?」
「そりゃあ、ポーターが三人もいるんだから持っていった方がいいだろ。それに、あたしも人から見なれながらというのはちょっと……」

「そうか、じゃあ、テントは用意するとして……」
 慣れているククリがそう言うなら従った方がいいだろう。それにしても、女性なら誰でも寝ているところは見られたくないものなのか? その割には、ククリはボクのベッドで寝てたけど。

「テントを用意するなら、三人用が二つがいいですよね」
「それがいいんじゃないか」

 アリサとククリでテントの大きさを決めているが、それだとボクはどうすればいいのだろう?
「四人用と、一人用がいいんじゃないのかな?」
「四人用は嵩張りますし却下だな」
「一人で寝るなんて寂しいじゃないですか」

 ボクの提案はアリサとククリから却下されてしまった。
 まあ、最悪ボクはテントがなくてもいいけどね。

「一人寝が寂しい時はこれがお奨めだ」
「え! なんでこんな物がここで売っているのよ」

 ククリが持っている物を見てアリサが驚いているが、それはボクも変わらなかった。あれって男の股間のアレだよな?

「これは、あたしたち女性が長い時間坑道に潜る場合の必需品だよ。アリサは持ってないの?」
「どこが必需品なのよ!」

「どこって、坑道でおしっこしたくなった時に必要だろ」
 そう言ってククリは手に持ったそれをアリサに渡す。

 え! おしっこって、あれで栓をして我慢するわけじゃないよな?

 アリサは押し付けられたそれを仕方なく手に取って眺めた。
「穴が開いてますわね。ああ、これ、女性が立ちしょんするためのものなんですね。それでしたら形は違いますが持ってますよ」

 女性が立ちしょん! 女性が坑道でトイレに行きたくなった場合、どうするのかと思っていたが、あれを使って立ちしょんしていたのか。お尻を丸出しで座っていたら危ないもんな。

「でも、なんでこれは男性のあれと同じ形なのよ? 同じ形にする意味があるの?」
「それは、だから、夜一人で寂しい時に、入れても使える一品二役なんだよ」
 入れるって、どこに入れるんだ!

「まぁっ!」
 アリサは真っ赤になって、それをククリに押し返していた。

「マレック様、盗み聞きは良くないですよ」
「ひゃっ!」
 レナさんに背後から声をかけられてビックして飛び上がる。

「レナさん。別に盗み聞きしていたわけでは……」
「まあ、そういうことにしておきましょうか」

「いや、本当に、ボクがいるのに二人が気にせず話をしていただけだから。たまたま、聞こえてきていただけで、盗み聞きする気なんかこれっぽっちもなかったから」
 何か、弁明すればするほど言い訳にしか聞こえなくなってくるのだが……。

 そんなこんなで、買い物も無事に済ませホテルの部屋に戻る。

「それで、なんでククリは自分の家に帰らないんだ?」
「どうせ、明日は朝から一緒なんだから、ここに泊まっていってもいいだろ」

「今日は酒は出さないぞ」
「そんな! せめて一本だけ」

「一本だけって……。そこは普通一杯だけというところだろ」
「一杯で足りるわけがないだろ」

「はぁー。明日から泊まり込みなんだから、本当に今夜はお酒はなし。さっさと飯食って寝るぞ」
「仕方がないなー。それじゃあ寝る方に期待しよう」
 ククリの家にあるベッドよりここのベッドの方が寝心地が良いのだろうか?
 だから帰ろうとしないのだな。
 まあ、明日からは寝袋だから、今日はここのベッドを使わせてあげようか。

「ところで、アリサたちもここで一緒に夕飯を食べるのか?」
「もちろん、一緒に食べますわよ」
 もちろんなのか……。

「そして、当然、一緒に寝るわよ」
 なんで、当然なんだ? 隣の部屋はまだ片付いていないのか?

 なんだかんだで、今夜もみんな一緒に寝ることになったのだった。


【おまけ】 レナ視点

 アリサお嬢様を助けてくださったのは、駅で知り合いになった少年のマレック様でした。

 お嬢様にせめて儚い思い出の一つでもと、ひとときの関係を結んだ相手でしたが、その彼がガリウス様を倒してしまうなんて思いもしませんでした。これは、当たりくじを引いたかもしれません。

 アートランク伯爵家の三男というのが問題ですが、勘当されて縁を切ったようですし、何よりあの強さです、なんとかなるでしょう。逆に本家が放っておかないのではないでしょうか。

 しかし、強いといえば、腕っ節ばかりでなく、あの絶倫ぶりは「英雄エロを好む」とはよくいったものです。あれ? 「英雄色を好む」だったかしら? まあ、意味は同じですからどちらでもいいですね。
 列車では三人を相手に朝まで腰を振りどうしでしたし、昨晩は四人を相手にまるで萎えることがないのですから、若さだけが理由ではないでしょう。

 このままお嬢様とうまくいけば、毎晩おこぼれを賜れるかもしれません。


「レナさん、ミキがまた失神してしまったんだ。ボクはまだ……」
「まだ、やり足りないのですね。お嬢様の至らない所は、メイドの私がキチンと準備できていないせいです。どうぞ、この身体に罰をお与えください」

「そうなの? いつも悪いね」
「マレック様が謝る必要など微塵もありません。全て不届きな私が悪いのです」

「そうだったね。それじゃあ今日も罰を与えないといけないけど、手でお尻を叩いただけではまるで反省する様子がないから、今日はこんなものを用意してみたよ」
「それは縄?」

「悪い事をした人を縛るのは当然だろ」
「そ、そうですね」

「じゃあ、縛るから全裸になって」
「全裸ですか?」

「そうだよ。罪人が何か隠し持っていると大変だからね。さ、早く」
「は、はい」

 私がメイド服と下着を脱ぐとマレック様が手慣れた様子で私の手足を縛っていきます。そして、両手と右足を吊り上げられ、私は左足だけで立たされることになりました。
 両手と右足を上げ、左足に力を入れて立っていれば大丈夫ですが、少しでも力を抜くと縄が身体に食い込んできます。
 手足の自由を奪われ、胸だけでなく大事なところも隠すことが出来ず、マレック様に全てを晒すことになります。
 マレック様はそんな私の唇に手を添えるとそこを開いて凝視してきます。

「女の囚人はここに物を隠すことがあるそうじゃないか?」
「ああ、そんな覗き込まないでください」
 見られただけで濡れた唇から涎が滴り落ちてしまいます。

「見ただけではわからないか……」
 マレック様は片手で唇を押し開き、もう片方の指を中に押し込みます。
「ああー! いきなり三本で掻き回さないでぇー」

「これだけ濡れていれば大丈夫だろう」
「あっ、あっ、ダメぇー」

「奥の方に何かあるのか?」
 マレック様は容赦なく指を奥に進めます。
「ここが突き当たりか?」
「ああ、そこ、そこは……イイ」

 一番奥を撫でまわされ、あまりの気持ちの良さに身体を支えていた片足の力が抜けます。縄が食い込み痛みという快楽が全身に走ります。
「ああー。イクーー」


「レナ。レナ? レナったら!」
「ハッ! アリサお嬢様、いつお目覚めで?」

「何言ってるの? 私はずっと起きていたわよ。ボーッとして、口から涎を垂らしてたのはレナの方じゃない」
「涎!」
 片手を口に持っていきつつ、もう一方の手で股間も確認します。どちらも大洪水のようです。

「涎が垂れてしまったので、少し身支度を整えてきます」
「わかったわ。まったく、シャンとしなさいよね」

 そうだ、シャンとして、お嬢様とマレック様の仲を取り持たなければいけません。
 あんな快楽を毎晩味わうことができるなら、お嬢様には是が非でもマレック様と添い遂げていただかなくてはなりませんから。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

処理中です...