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王都ヨーシャー
副作用
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セルフェス宰相様の邸はこじんまりとしたタウンハウスだった。
ここは、穢れを祓ってもらうために帝都へとやってきたイェオリ人達が滞在するためにあるお屋敷らしい。
私達がお屋敷に着いた時、既に私には副作用が出始めた。
とにかく寒気が凄い。ひたすらに寒い。
私は寒くて寒くてガタガタブルブルと震えていた。
私達の滞在を知って朝から張り切って準備をしてくれていたお屋敷の使用人達は、あまりにも想像とかけ離れた私の登場に酷く驚き、そして慌てた。
瞬く間に湯浴みの準備が整い、私はリマに浴槽にぶち込まれた。
どんなに湯の温度をあげても、冷たい寒いと言い続ける私に狂気すら感じ、リマはレオに助けを求めた。
レオに抱え上げられてベッドに運び込まれる。
人払いをして2人で毛布に包まった。
少しでも直に触れていた方がいいとのマリー様の言葉に従い、アルも私も下着だけを残し、ほぼ裸になった。
まだ高校生だった私にそのような経験はなかったけれど、恥ずかしいとか貞操がとかそんな事を考えられる余裕は私にはなかった。
ただレオの体温の熱を求め、レオにしがみ付く。レオに触れているところだけがほんのりと温かさを感じるから。
レオが惜しみなく温かみを、与え続けてくれる。
レオが触れてくれるだけで、体が楽になる。どんな感情よりも楽になりたい気持ちが勝ってしまった。
私もあんまり皇后達の事を悪くは言えないのかもしれない。
もしそういうことに抵抗が無ければ、どんどんと求めていったに違いない。
もっともっと、と駄々っ子のようにレオにしがみついた。
胸と胸とをくっつけて、頬と頬をくっつける。
腕も足も絡み付いている。
足りない。足りない。
寒い。寒い。
うわ言のように繰り返す私の言葉を受けて、レオがキスをしてくれた。とはいっても口じゃない、唇が首筋に当てられた。
ドクン!と身体が跳ね上がった。
熱いものが身体に染み渡っていく。
ああ。
私の身体はキスをされた首筋からゆっくりとゆっくりと温められていった。
…ふふっ、くすぐったいよ。
身体が温まって、レオが触れてくれる場所にくすぐったさを感じ始める頃、私はスッっと眠りに落ちた…らしい。
ここは、穢れを祓ってもらうために帝都へとやってきたイェオリ人達が滞在するためにあるお屋敷らしい。
私達がお屋敷に着いた時、既に私には副作用が出始めた。
とにかく寒気が凄い。ひたすらに寒い。
私は寒くて寒くてガタガタブルブルと震えていた。
私達の滞在を知って朝から張り切って準備をしてくれていたお屋敷の使用人達は、あまりにも想像とかけ離れた私の登場に酷く驚き、そして慌てた。
瞬く間に湯浴みの準備が整い、私はリマに浴槽にぶち込まれた。
どんなに湯の温度をあげても、冷たい寒いと言い続ける私に狂気すら感じ、リマはレオに助けを求めた。
レオに抱え上げられてベッドに運び込まれる。
人払いをして2人で毛布に包まった。
少しでも直に触れていた方がいいとのマリー様の言葉に従い、アルも私も下着だけを残し、ほぼ裸になった。
まだ高校生だった私にそのような経験はなかったけれど、恥ずかしいとか貞操がとかそんな事を考えられる余裕は私にはなかった。
ただレオの体温の熱を求め、レオにしがみ付く。レオに触れているところだけがほんのりと温かさを感じるから。
レオが惜しみなく温かみを、与え続けてくれる。
レオが触れてくれるだけで、体が楽になる。どんな感情よりも楽になりたい気持ちが勝ってしまった。
私もあんまり皇后達の事を悪くは言えないのかもしれない。
もしそういうことに抵抗が無ければ、どんどんと求めていったに違いない。
もっともっと、と駄々っ子のようにレオにしがみついた。
胸と胸とをくっつけて、頬と頬をくっつける。
腕も足も絡み付いている。
足りない。足りない。
寒い。寒い。
うわ言のように繰り返す私の言葉を受けて、レオがキスをしてくれた。とはいっても口じゃない、唇が首筋に当てられた。
ドクン!と身体が跳ね上がった。
熱いものが身体に染み渡っていく。
ああ。
私の身体はキスをされた首筋からゆっくりとゆっくりと温められていった。
…ふふっ、くすぐったいよ。
身体が温まって、レオが触れてくれる場所にくすぐったさを感じ始める頃、私はスッっと眠りに落ちた…らしい。
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