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バレンタインデイ
もうひとつ
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「須藤くん。」
帰り際に俺を追いかけてきたのは菜々子だった。
「これ…この間のお礼。」
お礼?
俺なんかしたっけ?
菜々子の手には可愛い包み。そうまるで本命チョコみたいな可愛い包みに水色のリボンが掛かっている。
「ほら…傘。」
あああれか。
芸術鑑賞教室の日、菜々子に傘に入れて貰って、滑った菜々子を支えようと傘を手放して。
飛んで傘は車道に落ちて、通った車に轢かれたから、新しいのを買って返した。
「俺が壊したんだから、弁償するのは当然。」
ううんそれだけじゃなくて。
菜々子が、
「滑って転びそうなのを助けてくれたお礼。」
という。
…なんだそれ?
「お礼だから、お返しとかはしないで良いから。」
はいっ!と俺に包みを押し付けて、菜々子はそのまままた校舎の中に走って行っちゃった。
…なんだったんだろう、あれ。
ふと頭に過ぎるものが無いわけじゃないけれど。
「浮かれるな俺、浮かれすぎるな、俺。」
浮かれて勘違いして、痛い目に遭ったばっかりの俺。
ナイナイ!!
そんなのあるわけが無い!!
ナイナイ、ナイナイ、ナイナイ…。
帰り際に俺を追いかけてきたのは菜々子だった。
「これ…この間のお礼。」
お礼?
俺なんかしたっけ?
菜々子の手には可愛い包み。そうまるで本命チョコみたいな可愛い包みに水色のリボンが掛かっている。
「ほら…傘。」
あああれか。
芸術鑑賞教室の日、菜々子に傘に入れて貰って、滑った菜々子を支えようと傘を手放して。
飛んで傘は車道に落ちて、通った車に轢かれたから、新しいのを買って返した。
「俺が壊したんだから、弁償するのは当然。」
ううんそれだけじゃなくて。
菜々子が、
「滑って転びそうなのを助けてくれたお礼。」
という。
…なんだそれ?
「お礼だから、お返しとかはしないで良いから。」
はいっ!と俺に包みを押し付けて、菜々子はそのまままた校舎の中に走って行っちゃった。
…なんだったんだろう、あれ。
ふと頭に過ぎるものが無いわけじゃないけれど。
「浮かれるな俺、浮かれすぎるな、俺。」
浮かれて勘違いして、痛い目に遭ったばっかりの俺。
ナイナイ!!
そんなのあるわけが無い!!
ナイナイ、ナイナイ、ナイナイ…。
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