198 / 242
新年
新年会 優
しおりを挟む
嶋田さんの家で行われる新年会はちょっといびつなメンバーになった。
皇子、私、花音、菜々子、何故か仁志。
北斗は仕事、翠と和津、絵里と悠太が富田の家のカルタ会に向かった。
「仁志、カルタ会に行くと思ってた。」
「…行きたくなかった、あっち。」
「なんで?富田と仲良いじゃん。」
「なんでも。優だって、翠と一緒に行くと思ってた。」
「…こっちが良かった。」
「なんで?」
「…なんでも。…ゴメン、私が悪かった。」
「別に謝られるような事じゃねーよ。」
翠と何かあった訳じゃない。
絵里が嫌いな訳じゃない。
ただ…。
翠と絵里が仲が良いのがなんだか落ち着かない。
1年な時、色々あったらしい事は聞いてる。
そしてまた何かあったっぽい。
…そう、ぽいっ、だ。
私は…蚊帳の外だった。
「拗ねてるだけじゃん。」
って北斗は言ったけど…。
別に拗ねてる訳じゃない。
「あけましておめでとうございます。」
「いらっしゃい、よく来てくれたね。
あけましておめでとう。今年もよろしくね。」
「よろしくお願いしまーす。」
純和風のつくりの嶋田さんの家で、唯一洋風なリビングダイニングにはたくさんの料理とたくさんのお花が飾られていた。
美和子さんと美和子さんのお教室の生徒さんと、…そのお嬢さん。
後輩の寿美。
「なんで寿美がいるの?」
「えへへ、たまたまです。」
と笑ってるけど、視線の向かう先は私の横の方にある。
(ちょっと寿美、あんたも皇子ファンに成り下がったの!?)
バスケ部と体育館をシェアする火曜。
半分しかコートを使えないのに、1年生はほとんど打ち合いは出来ないのに、参加率が一番高い。
そんな中途半端な気持ちで部活にやって来る仲間を一番凍りついた視線で見ていたのは寿美だったのに?
こっそりと尋ねると、
「皇子ファンじゃなくて、葛西先輩が好きになったんです。」
だって。
なんでも皇子が参加したクリスマス会で寿美のお母さんが倒れたらしい。
寿美のお母さんが皇子にそのお礼を丁寧に、それはそれは丁寧に言っている。
その時動揺する寿美の側にずっといてくれたのが皇子だったらしく、寿美はあっさりと恋に落ちた。
「若瀬先輩助けて下さいよ。」
「…ヤダ。」
「えー!なんでですか?」
「…なんでも。」
今、それどころじゃないから。
皇子、私、花音、菜々子、何故か仁志。
北斗は仕事、翠と和津、絵里と悠太が富田の家のカルタ会に向かった。
「仁志、カルタ会に行くと思ってた。」
「…行きたくなかった、あっち。」
「なんで?富田と仲良いじゃん。」
「なんでも。優だって、翠と一緒に行くと思ってた。」
「…こっちが良かった。」
「なんで?」
「…なんでも。…ゴメン、私が悪かった。」
「別に謝られるような事じゃねーよ。」
翠と何かあった訳じゃない。
絵里が嫌いな訳じゃない。
ただ…。
翠と絵里が仲が良いのがなんだか落ち着かない。
1年な時、色々あったらしい事は聞いてる。
そしてまた何かあったっぽい。
…そう、ぽいっ、だ。
私は…蚊帳の外だった。
「拗ねてるだけじゃん。」
って北斗は言ったけど…。
別に拗ねてる訳じゃない。
「あけましておめでとうございます。」
「いらっしゃい、よく来てくれたね。
あけましておめでとう。今年もよろしくね。」
「よろしくお願いしまーす。」
純和風のつくりの嶋田さんの家で、唯一洋風なリビングダイニングにはたくさんの料理とたくさんのお花が飾られていた。
美和子さんと美和子さんのお教室の生徒さんと、…そのお嬢さん。
後輩の寿美。
「なんで寿美がいるの?」
「えへへ、たまたまです。」
と笑ってるけど、視線の向かう先は私の横の方にある。
(ちょっと寿美、あんたも皇子ファンに成り下がったの!?)
バスケ部と体育館をシェアする火曜。
半分しかコートを使えないのに、1年生はほとんど打ち合いは出来ないのに、参加率が一番高い。
そんな中途半端な気持ちで部活にやって来る仲間を一番凍りついた視線で見ていたのは寿美だったのに?
こっそりと尋ねると、
「皇子ファンじゃなくて、葛西先輩が好きになったんです。」
だって。
なんでも皇子が参加したクリスマス会で寿美のお母さんが倒れたらしい。
寿美のお母さんが皇子にそのお礼を丁寧に、それはそれは丁寧に言っている。
その時動揺する寿美の側にずっといてくれたのが皇子だったらしく、寿美はあっさりと恋に落ちた。
「若瀬先輩助けて下さいよ。」
「…ヤダ。」
「えー!なんでですか?」
「…なんでも。」
今、それどころじゃないから。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
サンスポット【完結】
中畑 道
青春
校内一静で暗い場所に部室を構える竹ヶ鼻商店街歴史文化研究部。入学以来詳しい理由を聞かされることなく下校時刻まで部室で過ごすことを義務付けられた唯一の部員入間川息吹は、日課の筋トレ後ただ静かに時間が過ぎるのを待つ生活を一年以上続けていた。
そんな誰も寄り付かない部室を訪れた女生徒北条志摩子。彼女との出会いが切っ掛けで入間川は気付かされる。
この部の意義、自分が居る理由、そして、何をすべきかを。
※この物語は、全四章で構成されています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
私の隣は、心が見えない男の子
舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。
隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。
二人はこの春から、同じクラスの高校生。
一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。
きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
僕は☓っぽいけど○だから☓子校に行くなんて間違ってる!
だらけたい
青春
僕は○なんだ。
でも、なぜか☓っぽくみられてしまう。
普通にやってるのに☓っぽいと言われてしまう。
そして、なぜかついには☓子校に通うことになってしまった。
ホントになんでこんなことになってしまったんだ!
何度でも言うよ!僕は○なんだ!!誰がなんと言おうと○なんだ!!!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
タカラジェンヌへの軌跡
赤井ちひろ
青春
私立桜城下高校に通う高校一年生、南條さくら
夢はでっかく宝塚!
中学時代は演劇コンクールで助演女優賞もとるほどの力を持っている。
でも彼女には決定的な欠陥が
受験期間高校三年までの残ります三年。必死にレッスンに励むさくらに運命の女神は微笑むのか。
限られた時間の中で夢を追う少女たちを書いた青春小説。
脇を囲む教師たちと高校生の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる