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新年
カルタ会 翠
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みんなとお蕎麦を食べたら、二手に分かれる。
片方は嶋田さんの家の新年会。
もう片方は富田くんの家でカルタ会。
本当はみんなでカルタ会に行くはずだった。
「俺、そっちには行けない。弟と嶋田さんの家に行かなくちゃいけないから。」
嶋田さんにカメラを習っている皇子くんは嶋田さんのお友達の新年会に誘われていた。
「みんな連れてきて良いって言われてるけど、くる奴いる?」
一応、ダメ元っぽい感じの皇子くんの誘いに乗ったのは優ちゃんと仁志くんだった。
「翠はどっち?」
疾風くんに聞かれて、
「カルタ会」と答えた。
絵里ちゃんが…ちょっとだけ心配だから。
森くんがやった事を疾風くんから聞いている。
疾風くんは富田くんから聞いたそうだ。
そして森くんは今精神科のある病院に入院してる。
「…手紙を書いた。」
最初はただただ森くんを詰り倒す手紙を書いて、それを見た富田くんに叱られたって。
書いては直され、書いては直して。
何回も何回も書き直したって聞いた。
「全部の気持ちは書き切れなかったけど、書いているうちになんか馬鹿らしくなっちゃった。」
って絵里ちゃんらしい。
あのまま絵里ちゃんと富田くんは付き合うのかと思ってたけど、さっきの一言がもう全て。
「何に遠慮してるのか、もうわかんない!」
絵里ちゃんはもうあんなヤツ知らない!ってプリプリ怒ってる。
迷わず富田くんの家のカルタ会に参加を決めた絵里ちゃんは剣道を習おうかな?とも言い始めてる。
「剣道女子、結構良いと思わない?」
なんて言ってる。
「うん、そうだね。」
私がなにを言っても絵里ちゃんの中での答えはきっと決まってるから。
だからこそ今は見守るだけ。
「じゃあ俺もカルタ会に行く。嶋田さんのところはまた別の日に2人でご挨拶に行こう。」
と疾風くんが言ってくれた。
富田剣道場のカルタ大会、予想を超えたガチの大会だった。
「いー」
ハイっ!
「ぬも歩けば棒に当たる」
「ちー」
ハイ!
「りも積もれば山となる」
1文字で決まるなんて聞いてない!
「毎年だからこそ、みんなガチなんだよ。」
って悠太くん。
なんとか付いていけてるのは、去年も参加した悠太くんだけ。
「俺も去年はみんなみたいだった。」
小学生の低学年くらいの子となら、なんとか取れるけど、相手が4、5年生くらいになればもう無理だった。
勝負にならないので、私たちは別のグルーブを作った。
最初こそ真面目にやっていたけど、次第にみんながふざけ始めた。
読み手になった悠太くんが、
「とー、みたの好きな子は誰?」
と読むから、
「はいっ!」
と絵里ちゃんの肩を叩く。
「はいっ!って翠ちゃん手を挙げた。」
えっ!?
「ち、ちがう!そんなつもりじゃ無くて…。」
「おい、悠太、あんまり揶揄うな。」
うっ、ひどい。揶揄われた…。
貸して!
と絵里ちゃんが読み札を悠太くんから取り上げて。
「ばー、かな富田。」
バコン!
疾風くんが富田くんの頭を叩いた。
「いってぇ!お前ら真面目にヤレよ!そんなんだから小学生に勝てないんだ!
大体「ば」なんて取り札にねぇ!」
読み札をサッととりあげて、
「まじめにやらないんだったら、カルタは終わり!」
と終了宣言されてしまった。
片方は嶋田さんの家の新年会。
もう片方は富田くんの家でカルタ会。
本当はみんなでカルタ会に行くはずだった。
「俺、そっちには行けない。弟と嶋田さんの家に行かなくちゃいけないから。」
嶋田さんにカメラを習っている皇子くんは嶋田さんのお友達の新年会に誘われていた。
「みんな連れてきて良いって言われてるけど、くる奴いる?」
一応、ダメ元っぽい感じの皇子くんの誘いに乗ったのは優ちゃんと仁志くんだった。
「翠はどっち?」
疾風くんに聞かれて、
「カルタ会」と答えた。
絵里ちゃんが…ちょっとだけ心配だから。
森くんがやった事を疾風くんから聞いている。
疾風くんは富田くんから聞いたそうだ。
そして森くんは今精神科のある病院に入院してる。
「…手紙を書いた。」
最初はただただ森くんを詰り倒す手紙を書いて、それを見た富田くんに叱られたって。
書いては直され、書いては直して。
何回も何回も書き直したって聞いた。
「全部の気持ちは書き切れなかったけど、書いているうちになんか馬鹿らしくなっちゃった。」
って絵里ちゃんらしい。
あのまま絵里ちゃんと富田くんは付き合うのかと思ってたけど、さっきの一言がもう全て。
「何に遠慮してるのか、もうわかんない!」
絵里ちゃんはもうあんなヤツ知らない!ってプリプリ怒ってる。
迷わず富田くんの家のカルタ会に参加を決めた絵里ちゃんは剣道を習おうかな?とも言い始めてる。
「剣道女子、結構良いと思わない?」
なんて言ってる。
「うん、そうだね。」
私がなにを言っても絵里ちゃんの中での答えはきっと決まってるから。
だからこそ今は見守るだけ。
「じゃあ俺もカルタ会に行く。嶋田さんのところはまた別の日に2人でご挨拶に行こう。」
と疾風くんが言ってくれた。
富田剣道場のカルタ大会、予想を超えたガチの大会だった。
「いー」
ハイっ!
「ぬも歩けば棒に当たる」
「ちー」
ハイ!
「りも積もれば山となる」
1文字で決まるなんて聞いてない!
「毎年だからこそ、みんなガチなんだよ。」
って悠太くん。
なんとか付いていけてるのは、去年も参加した悠太くんだけ。
「俺も去年はみんなみたいだった。」
小学生の低学年くらいの子となら、なんとか取れるけど、相手が4、5年生くらいになればもう無理だった。
勝負にならないので、私たちは別のグルーブを作った。
最初こそ真面目にやっていたけど、次第にみんながふざけ始めた。
読み手になった悠太くんが、
「とー、みたの好きな子は誰?」
と読むから、
「はいっ!」
と絵里ちゃんの肩を叩く。
「はいっ!って翠ちゃん手を挙げた。」
えっ!?
「ち、ちがう!そんなつもりじゃ無くて…。」
「おい、悠太、あんまり揶揄うな。」
うっ、ひどい。揶揄われた…。
貸して!
と絵里ちゃんが読み札を悠太くんから取り上げて。
「ばー、かな富田。」
バコン!
疾風くんが富田くんの頭を叩いた。
「いってぇ!お前ら真面目にヤレよ!そんなんだから小学生に勝てないんだ!
大体「ば」なんて取り札にねぇ!」
読み札をサッととりあげて、
「まじめにやらないんだったら、カルタは終わり!」
と終了宣言されてしまった。
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