177 / 242
アンハッピーハロウィン 富田
ストーカー
しおりを挟む
次の日から、今まで見えていなかったある事に気付いた。
(あいつ…昨日のヤツじゃん。)
昼休み、新田のお気に入りの場所は中庭のベンチ。
女の子達は弁当を食べると、天気の良い日は中庭に出る。
当たり前のように和津や北斗がそれについて行くから、仁志や悠太も付いて行く。
俺は行ったり行かなかったりしてたけど、昨日の事が気になって、付いていった。
ベンチに座ってるのは新田達女の子、それを取り囲むように野郎が囲む。
俺はベンチの後ろのプランターに腰を下ろした。新田の背中側だ。
その視線に気付いたのは昨日の事があったからだと思う。
中庭のど真ん中にある花壇の反対側のベンチで、まるでこっちを睨むようにアイツが座ってた。
気付けば新田と山本の前には和津が立っている。
なあ、なにやってんのお前ら。
「なあ、場所変えねぇ?ちょっとここ日当たり悪くて寒いわ。図書室とかどう?」
そう言うと着いてくるヤツ半分、着いてこないヤツ半分。
着いて来たのは和津。和津が誘った山本と新田。
…この面子、やっぱりなんかあるな。
山本と並んで歩く新田の後ろを俺と和津が並んで歩く。
「なあ、アイツ何?」
って和津に聞く。
「…アイツって?」
名前…忘れた。確かA組の…。
「あ、Aの…。」
「ああ、森?」
あ、そうだ。
「うん。」
「なんで?」
なんで?
「もう、良いや。昨日新田に連れてかれたパーティーで見ただけ。」
よくわかんないし。
Aのアイツ、で和津にはわかったから。
だけど授業終わりに和津が俺のところにやってきた。
「なあ富田、今日部活?」
「ああ。」
「帰り、話そう。」
「ああ。だけど俺自転車。」
「この間のファミレスは?」
「文化祭の時の?」
「ああ、OK。」
そう答えておいた。
部活を終えて着替えて。
なんとなくいつもより時間を掛けた。
「じゃあな、バイバイ!」
「おう、明日な。」
電車組の奴らと悠太は先に部室から出て行った。
よし!行くか!
パンパンって頬を2回叩いて気合いを入れる。
和津は自転車置き場に立っていた。
ひとりだ。
葛西や北斗、こっちの方がひとりになるのはきっと大変。
「お待たせ。」
「ううん、今来たとこ。」
行こう、と歩き出した。
「昨日の事絵里から聞いた。」
「うーん。俺が話して良いかわかんねーけど。会っただけ。」
「会っただけ?違うだろ?話せ。」
和津が話して良いと言うから、かいつまんで何があったかを話した。
かなりシュンとしてた新田のことも。
「元彼…なんだろう?」
「話したの、絵里。」
「ううん、立ち聞きした。」
「さっき絵里に確認した。全部話してくれって。
自分からは話せないって言うから、俺から話す。」
「俺が聞いて良いヤツ?」
「多分だけど、良いと思う。というか聞いて欲しい。俺ひとりじゃ無理。」
なんだそれ。和津ひとりじゃ無理って何?
「あのな、アイツ、森ってヤツ。
…多分絵里のストーカーになってる。」
ってやっぱりな。
でもどういう事だ!?
(あいつ…昨日のヤツじゃん。)
昼休み、新田のお気に入りの場所は中庭のベンチ。
女の子達は弁当を食べると、天気の良い日は中庭に出る。
当たり前のように和津や北斗がそれについて行くから、仁志や悠太も付いて行く。
俺は行ったり行かなかったりしてたけど、昨日の事が気になって、付いていった。
ベンチに座ってるのは新田達女の子、それを取り囲むように野郎が囲む。
俺はベンチの後ろのプランターに腰を下ろした。新田の背中側だ。
その視線に気付いたのは昨日の事があったからだと思う。
中庭のど真ん中にある花壇の反対側のベンチで、まるでこっちを睨むようにアイツが座ってた。
気付けば新田と山本の前には和津が立っている。
なあ、なにやってんのお前ら。
「なあ、場所変えねぇ?ちょっとここ日当たり悪くて寒いわ。図書室とかどう?」
そう言うと着いてくるヤツ半分、着いてこないヤツ半分。
着いて来たのは和津。和津が誘った山本と新田。
…この面子、やっぱりなんかあるな。
山本と並んで歩く新田の後ろを俺と和津が並んで歩く。
「なあ、アイツ何?」
って和津に聞く。
「…アイツって?」
名前…忘れた。確かA組の…。
「あ、Aの…。」
「ああ、森?」
あ、そうだ。
「うん。」
「なんで?」
なんで?
「もう、良いや。昨日新田に連れてかれたパーティーで見ただけ。」
よくわかんないし。
Aのアイツ、で和津にはわかったから。
だけど授業終わりに和津が俺のところにやってきた。
「なあ富田、今日部活?」
「ああ。」
「帰り、話そう。」
「ああ。だけど俺自転車。」
「この間のファミレスは?」
「文化祭の時の?」
「ああ、OK。」
そう答えておいた。
部活を終えて着替えて。
なんとなくいつもより時間を掛けた。
「じゃあな、バイバイ!」
「おう、明日な。」
電車組の奴らと悠太は先に部室から出て行った。
よし!行くか!
パンパンって頬を2回叩いて気合いを入れる。
和津は自転車置き場に立っていた。
ひとりだ。
葛西や北斗、こっちの方がひとりになるのはきっと大変。
「お待たせ。」
「ううん、今来たとこ。」
行こう、と歩き出した。
「昨日の事絵里から聞いた。」
「うーん。俺が話して良いかわかんねーけど。会っただけ。」
「会っただけ?違うだろ?話せ。」
和津が話して良いと言うから、かいつまんで何があったかを話した。
かなりシュンとしてた新田のことも。
「元彼…なんだろう?」
「話したの、絵里。」
「ううん、立ち聞きした。」
「さっき絵里に確認した。全部話してくれって。
自分からは話せないって言うから、俺から話す。」
「俺が聞いて良いヤツ?」
「多分だけど、良いと思う。というか聞いて欲しい。俺ひとりじゃ無理。」
なんだそれ。和津ひとりじゃ無理って何?
「あのな、アイツ、森ってヤツ。
…多分絵里のストーカーになってる。」
ってやっぱりな。
でもどういう事だ!?
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる