23 / 242
コハク島
迷子
しおりを挟む
ふと気付いたら、みんながいない。
貝を探して探して探してたから?
そんなに遠くに行ったとは思えないんだけど…。
朝早いとはいえ、ゴールデンウィークの引き潮の時間帯。浜辺には沢山の人、人、人。
立ち上がって周りをキョロキョロ探してみた。
その時、短パンの裾を誰かが引っ張るのを感じた。
えっ?何?
次いで、ママー。と小さくか細い声。
足元を見ると小さな男の子が立っていた。
5歳くらい?可愛らしい子だ。
「あれ?どうした?ママと間違えちゃった?」
声をかけてみる。
「ママ…いないの。」
あー、迷子かあ。
「ママと逸れちゃった?お姉さんと探そうか?」
「うん!」
よく見えるように男の子を抱き上げた。
「ママ見えた?」
ブンブンと首を振った。
「どっちから来たかわかる?」
「…わかんない。」
そっか、そうだよね。
浜辺に目印になる物ないもの。
「よし!少し歩いてみようか?」
「うん。」
少し歩いて立ち止まって周りを見る。
「いそう?」
「いない…。」
もう少し歩いてみる。
「いた?」
「いない。」
その時迷子のお知らせのアナウンスが鳴り響いた。
「みどりくん4歳が迷子になっています…。」
あ、これかな?
「お名前は?」
「みっくん!」
「みっくんかぁ、みどりくん?」
「うん。」
よし、迷子センターに行けばママに会える!
「みっくん、あのね、お姉ちゃんもみどりっていうんだよ。」
「みどりちゃん?」
うんそう。
話しかけながら歩いた。
迷子センターまでもう少しというところで、
「みっくん!!」
という声が聞こえてきて、泣きそうな顔の女の人が走って来るのが見えた。
「ままー!」
それまで普通に話していたみっくんはギャン泣きしはじめた。
そっか、ずっと頑張ってたんだね。
お母さんにみっくんを渡して、ずっと泣かないで頑張っていた事を伝えて、別れた。
さあ、私も戻ろう!
と来た方向に振り返って。
あれ?私はどこに戻れば良いんだろう?
貝を探して探して探してたから?
そんなに遠くに行ったとは思えないんだけど…。
朝早いとはいえ、ゴールデンウィークの引き潮の時間帯。浜辺には沢山の人、人、人。
立ち上がって周りをキョロキョロ探してみた。
その時、短パンの裾を誰かが引っ張るのを感じた。
えっ?何?
次いで、ママー。と小さくか細い声。
足元を見ると小さな男の子が立っていた。
5歳くらい?可愛らしい子だ。
「あれ?どうした?ママと間違えちゃった?」
声をかけてみる。
「ママ…いないの。」
あー、迷子かあ。
「ママと逸れちゃった?お姉さんと探そうか?」
「うん!」
よく見えるように男の子を抱き上げた。
「ママ見えた?」
ブンブンと首を振った。
「どっちから来たかわかる?」
「…わかんない。」
そっか、そうだよね。
浜辺に目印になる物ないもの。
「よし!少し歩いてみようか?」
「うん。」
少し歩いて立ち止まって周りを見る。
「いそう?」
「いない…。」
もう少し歩いてみる。
「いた?」
「いない。」
その時迷子のお知らせのアナウンスが鳴り響いた。
「みどりくん4歳が迷子になっています…。」
あ、これかな?
「お名前は?」
「みっくん!」
「みっくんかぁ、みどりくん?」
「うん。」
よし、迷子センターに行けばママに会える!
「みっくん、あのね、お姉ちゃんもみどりっていうんだよ。」
「みどりちゃん?」
うんそう。
話しかけながら歩いた。
迷子センターまでもう少しというところで、
「みっくん!!」
という声が聞こえてきて、泣きそうな顔の女の人が走って来るのが見えた。
「ままー!」
それまで普通に話していたみっくんはギャン泣きしはじめた。
そっか、ずっと頑張ってたんだね。
お母さんにみっくんを渡して、ずっと泣かないで頑張っていた事を伝えて、別れた。
さあ、私も戻ろう!
と来た方向に振り返って。
あれ?私はどこに戻れば良いんだろう?
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる