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13話 ど真ん中ストレートをストライクと判断できない人たち
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ネガティヴを一旦心の隅に追いやって絶好調のオリヴィアは、今日も侵入者撃退に勤しんでいた。
「私、最近野球に興味がありますの。ボールになってくださいまし!」
「ドガフッ……!」
「ゲボォッ!」
「アバババ」
オリヴィアは箒をフルスイングして侵入者をかっ飛ばす。カキーン、という小気味いい音は、もちろん鳴らない。
「三者連続場外ホームランですわ。才能があるのかもしれませんわね」
林の向こうに飛んでいった侵入者たちを見届けて、ふふん、といつものドヤ顔をオリヴィアは浮かべた。ちなみに、この箒はかつてオリヴィアに真っ二つにされたものである。強度を増して蘇ったのだ。
「あなたたちも、誘導ありがとうございます」
足元の犬型魔導人形たちの頭を撫でる。ロザージュの手によってオリヴィアも主人登録されたため、もう襲ってくることはない。むしろ、よく従っている。魔導人形に心はないはずなのだが、彼女が自分達のボスだと正確に認識しているようだ。
「さて。ついでにお庭の掃除でもいたしましょうか」
「あ、あの~……」
オリヴィアが箒を本来の目的で使おうとした時、門の入り口の方から控えめに声をかけられた。そこにはキャスケットを被って、大きな鞄を肩にかけた少年が立っている。
「ごきげんよう。あなたもボールになりに来たの?」
「ボ、ボール……? えっと、お手紙をお届けに参りました。アシュレイ・ミュルズ様のお屋敷で間違いないですか?」
「あら。ええ、間違いありませんことよ。ありがとう。ご苦労様」
オリヴィアは侵入者と間違えたお詫びにキャンディ(小腹が空いた時用に常備している)を少年に渡し、手紙を受け取った。二通ある。裏返して封蝋を見れば、一つはミュルズ家の紋章が刻印されていて、一つは知らない梟を模った紋章だった。
「梟……初めて見る紋章ですわ」
彼女の知る限り、貴族で使っている家はなかったように思う。とすれば、何かしらの機関からの手紙かもしれない。
オリヴィアは念のため、手紙の臭いを嗅いだ。嗅覚もいい彼女は、毒物などの臭いも嗅ぎ分けることができる。嗅覚だけは、ゴリラというより象だ。
「特に変な臭いはしませんね。アシュレイ様にお渡して大丈夫でしょう」
門の警備は番犬たちに任せ、オリヴィアはアシュレイの研究室に向かった。
オリヴィアが研究室に入ると、アシュレイは難しい顔をして机に向かっていた。がりがりと紙に何かを書き込んでは、頭を捻っている。入室を許可されたのだから、邪魔にはならないのだろうが……オリヴィアはなるべく音を立てないように近づき、机の端に手紙を置いた。
「アシュレイ様、お手紙です。置いておきますね」
「手紙ぃ?」
アシュレイはぴたりと手を止め、手紙に手を伸ばした。ミュルズ家の手紙から手早くペーパーナイフを使って開け、中身を読んでいる。彼は速読ができるのか、二秒程度で顔を上げた。
「母上の都合がついたらしい。明後日、本邸に向かうぞ」
「まあ!」
オリヴィアはつい手を打って喜んでしまい、はっとして姿勢を正した。
「失礼いたしました……。明後日ですね。承知いたしました」
「くくくっ……素直に喜んでいいんだぞ?」
「えっなっばっ……! よ、よよ喜んでなど、いいい、いませんわっ!」
「はいはい」
くすくす笑ったまま、アシュレイはもう一通の手紙を開けた。また二秒で読んで、表情を曇らせる。それからその手紙をくしゃくしゃに丸めて、オリヴィアに投げ渡した。
「火おこしに使っていいぞ」
「えっ? よろしいので?」
「ああ」
アシュレイはすっかり興味をなくしたのか、また手元の紙に向かった。オリヴィアは投げられた紙をじっと見つめる。内容が気になるが、主人への手紙を盗み見るなどもってのほか。しかし、やっぱり気になる……。素直なオリヴィアはちら、ちらと手紙とアシュレイの顔を交互に見た。その視線を感じたのか、苦笑いのアシュレイが顔を上げる。
「学園からの手紙だ。教師にならないか、だってよ」
「それは……名誉なことなのでは?」
オリヴィアには学園のことはさっぱりだが、教師は名だたる魔法士が揃っている、という話は聞いたことがあった。それこそ、賢者も何人か在籍しているはず。
「何が楽しくてガキの教育しなきゃいけねえんだ。時間の無駄。唯一の利点は研究費を湯水のように使えるってくらいか? それでも見返りが少ねえ。そもそも、しょっちゅう狙われてる奴を教師にする意味がわからん。ちゃんと身辺調査したのかよ」
アシュレイは大袈裟に肩を竦めた。たしかに、彼の言う通りだ。学園には貴族だけではなく王族も通うから、警備は万全だろう。しかしだからこそ、危険に晒されている人物を懐に入れるべきではない。……そんな学園が身辺調査を怠るだろうか。不自然ね、とオリヴィアは考えた。もしかして……
「学園も『若返りの妙薬』の情報がほしいのでは……?」
「……その可能性もあるな。人気者は大変だ」
べーっと舌を突き出したアシュレイは、机の引き出しから便箋と封筒を取り出し、二、三行書き込んでささっと封をした。
「無視しようかと思ったが……断りの手紙を送っておこう」
「それでしたら、私が帰り道に配達所に持って行きますわ」
「いいのか? 助かる」
オリヴィアはアシュレイから手紙を受け取り、ポケットにしまう。
「それでは、失礼いたしますね」
「あー……ちょっと待て」
「はい?」
アシュレイはオリヴィアを呼び止めたものの、視線を彷徨わせるだけでそれ以上言わない。どうしたのかしら。小腹が空いてキャンディが欲しいのかしら、と思いながらも、オリヴィアは黙って待った。数秒経って、ようやくアシュレイは口を開いた。
「……あんたの好きな、色は?」
「……はい?」
神妙な口ぶりと内容が合致せず、オリヴィアは一瞬停止した。
「……それは、何か……試されているのでしょうか? 心理テストのような……」
「いや、違う。単純に好きな色を答えてほしい」
「はあ……」
何故そんなことを聞くのか、という疑問はもちろんあったが、素直に回答しようとオリヴィアは考えた。
――好きな色。好きな……色?
「考えたこともありませんでしたわ……」
「え?」
オリヴィアは頬に手を当てて、もう一度よく考えてみる。
――好きな色。好ましい色。強いて言うなら赤色? でもそれは、トマトやリンゴが好きだから。では、青色? 青空が好きだけれど、夕焼けや朝焼けも好きだから、特別ではないわ。
どれだけ頭を捻っても、ちっとも思いつかない。正直に特にないとお答えしよう、とオリヴィアはアシュレイに目線を戻した。そして、瞬きをして、気がついた。
「菫色……菫色が好きですわ」
それは、彼女が今まで見た中で、一番綺麗な色だ。
「菫色か。なるほど、そう……か……?」
みるみる内に、アシュレイの顔は赤く染まる。
「アシュレイ様? もしかしてお熱が……」
心配になったオリヴィアがアシュレイに手を伸ばそうとした瞬間、彼は額を机に叩きつけた。ゴズッという聞き慣れない音が、その威力を物語っている。
「ア、アシュレイ様……?」
「自惚れるな……そんなわけはない……たとえあったとしても、深い意味はない……」
机に伏せたままのアシュレイが呟いた言葉は、オリヴィアには届いていない。彼女はただただ彼の奇行に若干の恐怖を抱き、固唾を呑んで彼を見守った。もしこのまま彼が奇行を繰り返すようであれば、一発殴って気絶させれば落ち着くかしら、なんてことまで考えながら。
しかし幸いにも、アシュレイはゆっくりと顔を上げ、いつも通りの草臥れた顔を見せた。
「なんでもない。もう仕事に戻っていいぞ」
「はあ……」
すっきりとしないが、これ以上彼の仕事の邪魔をするべきではない、とオリヴィアは礼をして部屋を辞した。廊下を進みながら、先ほどのやり取りを思い返す。アシュレイが奇行に走ったのは、彼女が好きな色を答えてからだ。菫色は彼の瞳の色で……
「わ、わわわ私ったら、なんてことを……!」
まるで「あなたの瞳が好きです」と愛の告白めいたことをしてしまったのではないか。そう思い立った彼女はあまりの恥ずかしさに、廊下で飛び込み前転をした。流石オリヴィア。奇行のレベルも段違いだ。そして彼女は鈍感レベルも高いから、アシュレイが照れて奇行に走っただなんてことには、ちっとも気がつかなかった。
「私、最近野球に興味がありますの。ボールになってくださいまし!」
「ドガフッ……!」
「ゲボォッ!」
「アバババ」
オリヴィアは箒をフルスイングして侵入者をかっ飛ばす。カキーン、という小気味いい音は、もちろん鳴らない。
「三者連続場外ホームランですわ。才能があるのかもしれませんわね」
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「あなたたちも、誘導ありがとうございます」
足元の犬型魔導人形たちの頭を撫でる。ロザージュの手によってオリヴィアも主人登録されたため、もう襲ってくることはない。むしろ、よく従っている。魔導人形に心はないはずなのだが、彼女が自分達のボスだと正確に認識しているようだ。
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「あ、あの~……」
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「ごきげんよう。あなたもボールになりに来たの?」
「ボ、ボール……? えっと、お手紙をお届けに参りました。アシュレイ・ミュルズ様のお屋敷で間違いないですか?」
「あら。ええ、間違いありませんことよ。ありがとう。ご苦労様」
オリヴィアは侵入者と間違えたお詫びにキャンディ(小腹が空いた時用に常備している)を少年に渡し、手紙を受け取った。二通ある。裏返して封蝋を見れば、一つはミュルズ家の紋章が刻印されていて、一つは知らない梟を模った紋章だった。
「梟……初めて見る紋章ですわ」
彼女の知る限り、貴族で使っている家はなかったように思う。とすれば、何かしらの機関からの手紙かもしれない。
オリヴィアは念のため、手紙の臭いを嗅いだ。嗅覚もいい彼女は、毒物などの臭いも嗅ぎ分けることができる。嗅覚だけは、ゴリラというより象だ。
「特に変な臭いはしませんね。アシュレイ様にお渡して大丈夫でしょう」
門の警備は番犬たちに任せ、オリヴィアはアシュレイの研究室に向かった。
オリヴィアが研究室に入ると、アシュレイは難しい顔をして机に向かっていた。がりがりと紙に何かを書き込んでは、頭を捻っている。入室を許可されたのだから、邪魔にはならないのだろうが……オリヴィアはなるべく音を立てないように近づき、机の端に手紙を置いた。
「アシュレイ様、お手紙です。置いておきますね」
「手紙ぃ?」
アシュレイはぴたりと手を止め、手紙に手を伸ばした。ミュルズ家の手紙から手早くペーパーナイフを使って開け、中身を読んでいる。彼は速読ができるのか、二秒程度で顔を上げた。
「母上の都合がついたらしい。明後日、本邸に向かうぞ」
「まあ!」
オリヴィアはつい手を打って喜んでしまい、はっとして姿勢を正した。
「失礼いたしました……。明後日ですね。承知いたしました」
「くくくっ……素直に喜んでいいんだぞ?」
「えっなっばっ……! よ、よよ喜んでなど、いいい、いませんわっ!」
「はいはい」
くすくす笑ったまま、アシュレイはもう一通の手紙を開けた。また二秒で読んで、表情を曇らせる。それからその手紙をくしゃくしゃに丸めて、オリヴィアに投げ渡した。
「火おこしに使っていいぞ」
「えっ? よろしいので?」
「ああ」
アシュレイはすっかり興味をなくしたのか、また手元の紙に向かった。オリヴィアは投げられた紙をじっと見つめる。内容が気になるが、主人への手紙を盗み見るなどもってのほか。しかし、やっぱり気になる……。素直なオリヴィアはちら、ちらと手紙とアシュレイの顔を交互に見た。その視線を感じたのか、苦笑いのアシュレイが顔を上げる。
「学園からの手紙だ。教師にならないか、だってよ」
「それは……名誉なことなのでは?」
オリヴィアには学園のことはさっぱりだが、教師は名だたる魔法士が揃っている、という話は聞いたことがあった。それこそ、賢者も何人か在籍しているはず。
「何が楽しくてガキの教育しなきゃいけねえんだ。時間の無駄。唯一の利点は研究費を湯水のように使えるってくらいか? それでも見返りが少ねえ。そもそも、しょっちゅう狙われてる奴を教師にする意味がわからん。ちゃんと身辺調査したのかよ」
アシュレイは大袈裟に肩を竦めた。たしかに、彼の言う通りだ。学園には貴族だけではなく王族も通うから、警備は万全だろう。しかしだからこそ、危険に晒されている人物を懐に入れるべきではない。……そんな学園が身辺調査を怠るだろうか。不自然ね、とオリヴィアは考えた。もしかして……
「学園も『若返りの妙薬』の情報がほしいのでは……?」
「……その可能性もあるな。人気者は大変だ」
べーっと舌を突き出したアシュレイは、机の引き出しから便箋と封筒を取り出し、二、三行書き込んでささっと封をした。
「無視しようかと思ったが……断りの手紙を送っておこう」
「それでしたら、私が帰り道に配達所に持って行きますわ」
「いいのか? 助かる」
オリヴィアはアシュレイから手紙を受け取り、ポケットにしまう。
「それでは、失礼いたしますね」
「あー……ちょっと待て」
「はい?」
アシュレイはオリヴィアを呼び止めたものの、視線を彷徨わせるだけでそれ以上言わない。どうしたのかしら。小腹が空いてキャンディが欲しいのかしら、と思いながらも、オリヴィアは黙って待った。数秒経って、ようやくアシュレイは口を開いた。
「……あんたの好きな、色は?」
「……はい?」
神妙な口ぶりと内容が合致せず、オリヴィアは一瞬停止した。
「……それは、何か……試されているのでしょうか? 心理テストのような……」
「いや、違う。単純に好きな色を答えてほしい」
「はあ……」
何故そんなことを聞くのか、という疑問はもちろんあったが、素直に回答しようとオリヴィアは考えた。
――好きな色。好きな……色?
「考えたこともありませんでしたわ……」
「え?」
オリヴィアは頬に手を当てて、もう一度よく考えてみる。
――好きな色。好ましい色。強いて言うなら赤色? でもそれは、トマトやリンゴが好きだから。では、青色? 青空が好きだけれど、夕焼けや朝焼けも好きだから、特別ではないわ。
どれだけ頭を捻っても、ちっとも思いつかない。正直に特にないとお答えしよう、とオリヴィアはアシュレイに目線を戻した。そして、瞬きをして、気がついた。
「菫色……菫色が好きですわ」
それは、彼女が今まで見た中で、一番綺麗な色だ。
「菫色か。なるほど、そう……か……?」
みるみる内に、アシュレイの顔は赤く染まる。
「アシュレイ様? もしかしてお熱が……」
心配になったオリヴィアがアシュレイに手を伸ばそうとした瞬間、彼は額を机に叩きつけた。ゴズッという聞き慣れない音が、その威力を物語っている。
「ア、アシュレイ様……?」
「自惚れるな……そんなわけはない……たとえあったとしても、深い意味はない……」
机に伏せたままのアシュレイが呟いた言葉は、オリヴィアには届いていない。彼女はただただ彼の奇行に若干の恐怖を抱き、固唾を呑んで彼を見守った。もしこのまま彼が奇行を繰り返すようであれば、一発殴って気絶させれば落ち着くかしら、なんてことまで考えながら。
しかし幸いにも、アシュレイはゆっくりと顔を上げ、いつも通りの草臥れた顔を見せた。
「なんでもない。もう仕事に戻っていいぞ」
「はあ……」
すっきりとしないが、これ以上彼の仕事の邪魔をするべきではない、とオリヴィアは礼をして部屋を辞した。廊下を進みながら、先ほどのやり取りを思い返す。アシュレイが奇行に走ったのは、彼女が好きな色を答えてからだ。菫色は彼の瞳の色で……
「わ、わわわ私ったら、なんてことを……!」
まるで「あなたの瞳が好きです」と愛の告白めいたことをしてしまったのではないか。そう思い立った彼女はあまりの恥ずかしさに、廊下で飛び込み前転をした。流石オリヴィア。奇行のレベルも段違いだ。そして彼女は鈍感レベルも高いから、アシュレイが照れて奇行に走っただなんてことには、ちっとも気がつかなかった。
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