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第四十六話「結末を迎える者たちについて」
熟練兵の矜持
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オーケアノスの身のこなしは、驚異的なまでに素早かった。地を蹴り壁を蹴り、縦横無尽に駆け抜ける。そして、一瞬の隙をついて致命的な一撃を見舞おうとしてくる。水陸両用の機体がするとは思えない動きだ。
対するメイヴィスも負けてはいない。高振動ブレードを巧みに操り、対処を少しでも間違えれば、自分を串刺しにするであろう攻撃を、捌き、弾き、打ち返す。少しでも相手の離脱が遅れれば、そこに斬撃を食らわそうと剣を振るう。
AMW二機の戦いは、端から見れば演舞のようにすら思えるだろう。お互いに一歩も引かない、熾烈な近接戦だった。
「貴様を倒して、部下の仇を討たせてもらう!」
『貴女では無理だ。部下と同じところへ行くと良い』
「冗談!」
M6が足下のコンクリートを抉る勢いで蹴り立てた。第四世代型AMWが持つ、爆発的な瞬発力を発揮して、コンテナの壁面に“着地”したキャンサーへと迫る。高振動ブレードが繰り出された。
敵機は、それを鮮やかな宙返りで避けた。壁から床へ、M6の正面から背後へと移動した敵が、腕のクローを横薙ぎに振るう。
回避された直後に、メイヴィスは膝を折って姿勢を深く沈めている。そのまま背後を向くように回転しながら足払いを仕掛け、オーケアノスの足下を狙う。当然のようにそれも跳躍で避けられた。
空中から振り下ろすような蹴りが飛んでくる。後ろには避けられない。ならばと左へ横っ飛びして足刀から逃れる。
数秒という一瞬の間に、四手の攻防が行われた。それでも、どちらも敵機を捉えるには至らない。受け身を取って起き上がったメイヴィスに、オーケアノスが真正面から突っ込んでくる。両手を振り上げている。次の瞬間には計四本の爪が乱舞し、一撃がM6の左肩を獲った。装甲が吹っ飛び、衝撃でM6がバランスを崩す。
「なんのっ!」
相手が腕を引いて二撃目を繰り出す前に、肘打ちと膝打ちを同時に叩き込む。細身ながらもペーチルより馬力があるハイパワーから繰り出された打撃を受けて、キャンサーは後方へと下がった。相転移装甲により、ダメージを与えるには至っていないが、距離を離すことはできた。
この猶予の間に、ブレードを構え直して、敵機に向き直る。損傷をチェック。左肩装甲が脱落しているが、間接部にまでダメージは行っていない。流石は合衆国の最新鋭機。頑丈さは折り紙付きだ。
まだまだ戦闘続行可能なM6を前に、クローを油断なく構えたキャンサーが、外部音声を発する。
『……前言撤回だ、ミセス。貴女は強い、これまで俺が相対した中でもトップクラスにだ』
それに、メイヴィスも返事をする。会話にのってやる義理はないが、それで自分に注意を引けるなら儲けものだ。リアと英国の少女のところには絶対に行かせられないし、近衛兵も雑魚の相手で手一杯だろう。オーケアノスは、自分が相手をしなくてはならない。
「お褒めの言葉ありがとう。そちらこそ、テロリストをしているには惜しい腕前ね。それも、指導者だなんて大層な地位に就いている」
話ながら、お互いに隙を窺うように、剣の達人同士のように、相手を観察する。そんな中でも会話ができるのは、強者の余裕があってこそだ。その強者であるオーケアノスは、ふっと自嘲するように小さく笑った。
『貴女も指導する側の人間だろう……立場は違いこそすれ、していることは同じ、人の才能を伸ばすこと……どこで道を違えたかな』
そう話すオーケアノスの口調は、どこか、ユーモアを含んだように感じられた。自分を皮肉するような、そんな雰囲気だ。まるでテロリストになったことを後悔しているかのようだった。
一瞬だけ、メイヴィスは、この男がどうしてテロリストになったのか、関心を抱いた。人は最初から悪なわけではない。テロという悪の道に人が落ちるには、必ず過程がある。
思わず、それを問おうとして、やめた。聞いても意味がないことだ。相手も話さないだろうし、もし、それを聞いたとしても、自分たちのやることは変わらない。だから、メイヴィスは一つの現実を突き付ける。
「……今更、進んだ道は戻れないわよ。貴方も、私も」
『そうだな。さて、続きをしよう。こんなに楽しめるているのは久々だからな。精々、足掻いてくれ』
会話をうちきって、オーケアノスが右足を後ろに引いた。ハワイでも見た突進の前振りだ。メイヴィスは反射的に右へと飛ぶ。直後、今いた場所を、猛烈な速度で突っ込んできた敵機が通り過ぎた。勢いを殺せず、そのままコンテナに激突すると思われたキャンサーは、障害物に足を着け、そのまま駆け上がった。
一瞬で真上へと推進した機体は、速度を保ったままループするように、M6目掛けて落ちてきた。曲芸染みた予想だにしない動きに、メイヴィスは僅かに反応が遅れた。結果として、相手の垂直落下をもろに受けることになった。
「ぐあっ!」
鋼鉄と鋼鉄が激突した衝撃に、声が漏れる。M6は押し倒されていた。咄嗟に高振動ブレードを覆い被さっているキャンサーに叩き付けたが、相転移している装甲に通常兵器は通用しない。難なく弾かれる。
『この距離では、お得意のレールガンも使えまい。温存していたのが裏目にでたな』
こちらを踏みつけ、クローを振り上げるキャンサーが淡々とした口調で『では、お別れだ。ミセス』そう言って、爪が振り下ろされる。それがM6の胴体ごとメイヴィスを引き裂く――かと思われたその時、どちらにとっても想定外のことが起きた。
自分たちの真上にある天井が突如、崩落したのだ。落ちてくる瓦礫に反応して、オーケアノスが飛び退き、メイヴィスも次々と落ちてくるそれから逃れるように転がった。
「い、いったい何が」
メイヴィスもオーケアノスも、突然の崩落に動きを止める。瓦礫と土が舞い上げた濃い煙の中、そこから、薄緑色の光線が飛んだ。それは正確に、キャンサーの胴体側面を貫いた。
『ぐっ?!』
コクピットブロックに攻撃を受けた機体が、姿勢を崩して膝を着く。特殊装甲を難なく貫通させた攻撃、光線、そこから導き出される答えは、
「OFM?! こんなところにまで!」
相手が撃ったのは自分の敵だが、敵の敵が味方とは言えない。むしろ、第三の敵だ。そこにいる敵を認識したメイヴィスは、機体の腰のレールガンを起動させる。だが、その発射準備が整う前に、赤い西洋鎧が飛び出してきた。
『見つけたぞ! 世界の歪み! 争いの根源!』
外部音声でそう叫んでいるそれは、通常の個体よりも赤が深く、そして全身が装飾されたように尖っている、特異なOFMだった。その西洋鎧が、手にした銃剣をM6に向け、光線を放とうとする。レールガンのチャージが間に合わない。
ここまでか、とメイヴィスが諦めかけた。そのとき、西洋鎧の側面にグレネードが直撃した。爆発に包まれる赤いOFM。いったい誰が、と発射された方を見ると、致命傷を受けて膝を着いていたオーケアノスのキャンサーが、右腕を向けていた。最後まで温存していたらしい。
だが、煙を手で振り払う西洋鎧に損傷の跡はない。
『邪魔をするな! 死に損ないが!』
激昂して、OFMがキャンサーに銃剣を向けた。オーケアノスは、避ける素振りを見せない。
その穂先が輝いた直後、入りっぱなしだった外部音声が、男の呟きを拾っていた。
『すまない、お前たちと同じところには、いけそうにない』
光線に撃ち抜かれて爆散した機体の搭乗者が、最期に、誰に対してそう言ったのか、メイヴィスにはわからなかった。だが、目の前にいる敵が、隙だらけになったということはわかった。スクリーンにチャージ完了の表示。迷わずトリガーを引く。
轟音を立てて、世界最小にしてAMW携行火器としては最強の破壊力を持つ、兵器工学の頂点である超電磁砲が火を噴いた。現代工学に反する力を持っていた赤い西洋鎧の土手っ腹に風穴が開き、上下に泣き別れした赤い上半身と下半身がコンテナに激突し、動かなくなった。
「……オーケアノス」
メイヴィスが、爆発して散らばった破片に目を向ける。何故、彼がテロリストに成り果てたのか、どうして世界を憎んだのか、一人の人間がそうなってしまった理由を知る術はもうない。更に言えば、仇を討つどころか、自分は勝つこともできずに、勝ち逃げされてしまった。
それがとても悲しいことに感じて、メイヴィスは目を閉じた。
対するメイヴィスも負けてはいない。高振動ブレードを巧みに操り、対処を少しでも間違えれば、自分を串刺しにするであろう攻撃を、捌き、弾き、打ち返す。少しでも相手の離脱が遅れれば、そこに斬撃を食らわそうと剣を振るう。
AMW二機の戦いは、端から見れば演舞のようにすら思えるだろう。お互いに一歩も引かない、熾烈な近接戦だった。
「貴様を倒して、部下の仇を討たせてもらう!」
『貴女では無理だ。部下と同じところへ行くと良い』
「冗談!」
M6が足下のコンクリートを抉る勢いで蹴り立てた。第四世代型AMWが持つ、爆発的な瞬発力を発揮して、コンテナの壁面に“着地”したキャンサーへと迫る。高振動ブレードが繰り出された。
敵機は、それを鮮やかな宙返りで避けた。壁から床へ、M6の正面から背後へと移動した敵が、腕のクローを横薙ぎに振るう。
回避された直後に、メイヴィスは膝を折って姿勢を深く沈めている。そのまま背後を向くように回転しながら足払いを仕掛け、オーケアノスの足下を狙う。当然のようにそれも跳躍で避けられた。
空中から振り下ろすような蹴りが飛んでくる。後ろには避けられない。ならばと左へ横っ飛びして足刀から逃れる。
数秒という一瞬の間に、四手の攻防が行われた。それでも、どちらも敵機を捉えるには至らない。受け身を取って起き上がったメイヴィスに、オーケアノスが真正面から突っ込んでくる。両手を振り上げている。次の瞬間には計四本の爪が乱舞し、一撃がM6の左肩を獲った。装甲が吹っ飛び、衝撃でM6がバランスを崩す。
「なんのっ!」
相手が腕を引いて二撃目を繰り出す前に、肘打ちと膝打ちを同時に叩き込む。細身ながらもペーチルより馬力があるハイパワーから繰り出された打撃を受けて、キャンサーは後方へと下がった。相転移装甲により、ダメージを与えるには至っていないが、距離を離すことはできた。
この猶予の間に、ブレードを構え直して、敵機に向き直る。損傷をチェック。左肩装甲が脱落しているが、間接部にまでダメージは行っていない。流石は合衆国の最新鋭機。頑丈さは折り紙付きだ。
まだまだ戦闘続行可能なM6を前に、クローを油断なく構えたキャンサーが、外部音声を発する。
『……前言撤回だ、ミセス。貴女は強い、これまで俺が相対した中でもトップクラスにだ』
それに、メイヴィスも返事をする。会話にのってやる義理はないが、それで自分に注意を引けるなら儲けものだ。リアと英国の少女のところには絶対に行かせられないし、近衛兵も雑魚の相手で手一杯だろう。オーケアノスは、自分が相手をしなくてはならない。
「お褒めの言葉ありがとう。そちらこそ、テロリストをしているには惜しい腕前ね。それも、指導者だなんて大層な地位に就いている」
話ながら、お互いに隙を窺うように、剣の達人同士のように、相手を観察する。そんな中でも会話ができるのは、強者の余裕があってこそだ。その強者であるオーケアノスは、ふっと自嘲するように小さく笑った。
『貴女も指導する側の人間だろう……立場は違いこそすれ、していることは同じ、人の才能を伸ばすこと……どこで道を違えたかな』
そう話すオーケアノスの口調は、どこか、ユーモアを含んだように感じられた。自分を皮肉するような、そんな雰囲気だ。まるでテロリストになったことを後悔しているかのようだった。
一瞬だけ、メイヴィスは、この男がどうしてテロリストになったのか、関心を抱いた。人は最初から悪なわけではない。テロという悪の道に人が落ちるには、必ず過程がある。
思わず、それを問おうとして、やめた。聞いても意味がないことだ。相手も話さないだろうし、もし、それを聞いたとしても、自分たちのやることは変わらない。だから、メイヴィスは一つの現実を突き付ける。
「……今更、進んだ道は戻れないわよ。貴方も、私も」
『そうだな。さて、続きをしよう。こんなに楽しめるているのは久々だからな。精々、足掻いてくれ』
会話をうちきって、オーケアノスが右足を後ろに引いた。ハワイでも見た突進の前振りだ。メイヴィスは反射的に右へと飛ぶ。直後、今いた場所を、猛烈な速度で突っ込んできた敵機が通り過ぎた。勢いを殺せず、そのままコンテナに激突すると思われたキャンサーは、障害物に足を着け、そのまま駆け上がった。
一瞬で真上へと推進した機体は、速度を保ったままループするように、M6目掛けて落ちてきた。曲芸染みた予想だにしない動きに、メイヴィスは僅かに反応が遅れた。結果として、相手の垂直落下をもろに受けることになった。
「ぐあっ!」
鋼鉄と鋼鉄が激突した衝撃に、声が漏れる。M6は押し倒されていた。咄嗟に高振動ブレードを覆い被さっているキャンサーに叩き付けたが、相転移している装甲に通常兵器は通用しない。難なく弾かれる。
『この距離では、お得意のレールガンも使えまい。温存していたのが裏目にでたな』
こちらを踏みつけ、クローを振り上げるキャンサーが淡々とした口調で『では、お別れだ。ミセス』そう言って、爪が振り下ろされる。それがM6の胴体ごとメイヴィスを引き裂く――かと思われたその時、どちらにとっても想定外のことが起きた。
自分たちの真上にある天井が突如、崩落したのだ。落ちてくる瓦礫に反応して、オーケアノスが飛び退き、メイヴィスも次々と落ちてくるそれから逃れるように転がった。
「い、いったい何が」
メイヴィスもオーケアノスも、突然の崩落に動きを止める。瓦礫と土が舞い上げた濃い煙の中、そこから、薄緑色の光線が飛んだ。それは正確に、キャンサーの胴体側面を貫いた。
『ぐっ?!』
コクピットブロックに攻撃を受けた機体が、姿勢を崩して膝を着く。特殊装甲を難なく貫通させた攻撃、光線、そこから導き出される答えは、
「OFM?! こんなところにまで!」
相手が撃ったのは自分の敵だが、敵の敵が味方とは言えない。むしろ、第三の敵だ。そこにいる敵を認識したメイヴィスは、機体の腰のレールガンを起動させる。だが、その発射準備が整う前に、赤い西洋鎧が飛び出してきた。
『見つけたぞ! 世界の歪み! 争いの根源!』
外部音声でそう叫んでいるそれは、通常の個体よりも赤が深く、そして全身が装飾されたように尖っている、特異なOFMだった。その西洋鎧が、手にした銃剣をM6に向け、光線を放とうとする。レールガンのチャージが間に合わない。
ここまでか、とメイヴィスが諦めかけた。そのとき、西洋鎧の側面にグレネードが直撃した。爆発に包まれる赤いOFM。いったい誰が、と発射された方を見ると、致命傷を受けて膝を着いていたオーケアノスのキャンサーが、右腕を向けていた。最後まで温存していたらしい。
だが、煙を手で振り払う西洋鎧に損傷の跡はない。
『邪魔をするな! 死に損ないが!』
激昂して、OFMがキャンサーに銃剣を向けた。オーケアノスは、避ける素振りを見せない。
その穂先が輝いた直後、入りっぱなしだった外部音声が、男の呟きを拾っていた。
『すまない、お前たちと同じところには、いけそうにない』
光線に撃ち抜かれて爆散した機体の搭乗者が、最期に、誰に対してそう言ったのか、メイヴィスにはわからなかった。だが、目の前にいる敵が、隙だらけになったということはわかった。スクリーンにチャージ完了の表示。迷わずトリガーを引く。
轟音を立てて、世界最小にしてAMW携行火器としては最強の破壊力を持つ、兵器工学の頂点である超電磁砲が火を噴いた。現代工学に反する力を持っていた赤い西洋鎧の土手っ腹に風穴が開き、上下に泣き別れした赤い上半身と下半身がコンテナに激突し、動かなくなった。
「……オーケアノス」
メイヴィスが、爆発して散らばった破片に目を向ける。何故、彼がテロリストに成り果てたのか、どうして世界を憎んだのか、一人の人間がそうなってしまった理由を知る術はもうない。更に言えば、仇を討つどころか、自分は勝つこともできずに、勝ち逃げされてしまった。
それがとても悲しいことに感じて、メイヴィスは目を閉じた。
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