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第四十四話「終末に向かう前の出来事について」
起動、白き巨人
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連合軍が布陣しようとした位置まで残り数十キロのところで、艦隊の最前列、一番前に位置していた護衛艦のソナー要員が叫んだ。
「何らかの飛行物体接近!」
「何らかではわからん、報告は明確に行え」
その艦の副長が、部下からの不明瞭な報告に苛立ち気に返した。しかし、隣の壮年の艦長は、飛行物体という報告を聞いた時点で、猛烈な予感が脳裏に走っていた。長い経験があるからこそ感知できたそれは、死の予感だった。
「っ、迎撃準備! いや、即座に迎撃を開始しろ! 早く!」
「か、艦長?!」
「急げ!」
艦長の指示に、弾かれたように担当士官が手元を動かしてコンソールを操作する。果たして迎撃は間に合うか。士官が発射を宣言し、艦の後部から迎撃用のミサイルが飛ぶ。レーダーに映る飛行物体に向かって、丸い点が向かっていき、接触した。
直後に、閃光が海面に走り、遅れて轟音が響いた。この距離からでも確認できるほどの大爆発が、島と艦隊の中間地点で発生したのだ。
迎撃があと数十秒遅れていたら、艦隊は大損害を受けていたかもしれない。
艦長が、安堵の息を漏らした。だが、見張り要員が、絶望的な情報を、驚愕の表情で報告した。
「だ、第二波来ます! 数、十二!」
まるで、今の一発は試し撃ちだと言わんばかりの攻撃が、この艦隊目掛けて向かってきていた。他の艦も気付いたのか、迎撃準備を始めたことを通信士が告げる。
「各艦とのデータリンク接続急げ! 何が飛んできているのかはわからんが、一発でも通したら、こちらはひとたまりも無いぞ!」
艦隊の護衛艦が、一斉に迎撃ミサイルを投射し始めた。それをあざ笑うかのように、第三、第四波の飛行物体ーーテロリストの保有している、フォトン粒子由来の広範囲殲滅兵器が、艦隊目掛けて飛びかかってきていた。
各護衛艦が、健気にミサイルを吐き出し続け、それを叩き落としていく。初撃から数十分、体感的にはもっと長く感じられた迎撃戦は、唐突に終わった。遠距離攻撃が止まったのだ。新手の飛行物体がないことを確認した艦長と副長は、今度こそ安堵したように椅子に深く座り込んだ。
迎撃用のミサイルは半分以上消耗していた。相手からの遠距離攻撃がまだ続いていたら、米国海軍とは言えど、危なかったかもしれない。
「奴らめ、あんな兵器を隠し持っていたとは……」
「だが、これで打ち止めと見た。残る脅威は、あれだな」
まるでこれから起きることを予期しているかのように、艦長がそこまで言ったところで、レーダーに新しい反応が映ったことを、士官が告げる。
今度は照合データがあった。コードネーム「ミグもどき」だ。その大編隊が、こちらに向かってきていた。
「迎撃用意!」
そう易々と、目的地まで行かせてはくれないらしい。艦隊中央の空母二隻からも、制空戦のために搭載されていた戦闘機が、次々と緊急発進していく。間もなくして、海上で大規模な乱戦が勃発した。
***
外が騒がしくなってきたな、Tk-11のコクピット内で、比乃は前哨戦が始まったことを察した。後部座席の心視も「……始まってる」と呟いた。
「ハワイのときを……思い出す」
「そうだね、また乱戦を突っ切って行くことになりそうだ」
「不安?」
「そりゃあ不安だけど、今回は、前より装備が充実してるからね。なんとかなるさ」
比乃の言う通り、今昇降用エレベータで待機しているTk-11は、全身にごてごてと装備を取り付けた、フル装備状態とでも言うべき様相だった。
それから十分ほど待っていると、一人、駐機姿勢のTk-11の足下に駆け寄ってきた。
『おおい、二人とも、最後の装備チェックするよぉ!』
緑のつなぎを着た自衛官が、ヘッドマイクに向けて叫ぶ。それは、比乃らとも付き合いが長い整備士、こんな所にまでパシられて来た、第三師団所属のAMW整備担当、森一等陸曹だった。
今回の作戦にあたって、彼を含めた何名かの整備スタッフが、パイロットである比乃たち第一小隊と共に派遣されていた。機密の塊であるTk-11や、フォトン粒子を用いた兵装を、他国の整備士に触れさせるわけにはいかないからだ。
Tk-11の整備や仕様、今回用意された追加装備に至るまでを、Tk-11の生みの親である博士から、嫌というほどレクチャーされた森は、一時的に比乃専属の整備士になったのだ。
『装備一覧出してね、いざ戦場で動かないなんてなったら、一大事じゃ済まないからね!』
機体の足下で叫ぶ森の指示を受けて、比乃はコンソールを操作して、機体に接続されている装備群が、全て正常に動いているかをチェックするための一覧を呼び出す。その項目の一番上に、指を置いた。
「了解です。お願いします」
『よーし、順番に行くよ。十口径百二十ミリ砲“短筒”が一挺。対装甲炸薬ナイフ四本。追加の多目的アンカー“スラッシャー”が四基。ヘルファイアⅢが十二機。光分子防盾が二枚。外付けは以上。次に内蔵兵装、十口径三十ミリ砲が二門、フォトンバレットが装弾済み。光分子カッターが四機。おまけにスモークディスチャージャー。それに使い捨てのフォトンスラスターが二基。全部オンラインになってる?』
森の言った通りの順番で並んでいたリストを、指差し確認でチェックし終えた比乃が「全装備の接続を確認。問題ありません」と返事をした。
『それならよーし、こんな重武装して、恐れ多くも連合の一番槍を仰せつかったんだから、存分に暴れてくるといいよ』
「勿論です。相手の防衛網に風穴開けてやりますよ」
「森は……私たちの活躍を、期待して、待ってたらいい……」
やる気満々の二人のコメントに、専属整備士は頬を吊り上げた。
『言うねぇ二人とも、自信があるのはいいことだけど、ちゃんと生きて帰ってくるんだよ、整備士との約束だよ!』
腕をぶんぶん振ってそう言う整備士をモニター越しに見て、比乃は苦笑する。また約束か、今回の任務に就くに至って、ここ数日で色々な人と約束を結んだが、その全てが、ほぼ同じ内容というのも、なんだかおかしかった。
「約束……どれもこれも、破るわけにはいかないや」
比乃の独り言に、心視が当然という口振りで、
「約束を守るのは、当たり前……比乃は、それだけ、みんなから、大切に思われてるってこと……」
「まったく、ありがたいことだね」
『何をぶつくさ言ってるの二人とも、もう少しで出撃だからね! 細かい最終調整は二人に任すよ!』
「わかりました。ありがとうございました、森さん」
『それじゃあ、武運を!』
そう言って、エレベータから待避していく森を見送って、比乃は大型の黒光りするHMDを被った。AIが起動する。
《ニュートラルデータインストール完了 第三師団機士科所属 日比野 比乃三等陸曹 浅野 心視三等陸曹 網膜認識完了 起動準備を開始します》
比乃と心視の耳に、AIの合成音声が発せられる。そこから、比乃が細かい調整を口頭で素早く進めていく。『操作系を思考制御優先に変更』『戦闘動作データの参照先』『主機出力の調整』などの専門用語が比乃の口から告げられる。それにAIが《変更受理》やら《完了》などと反応する。
《Direct Link System テスト開始します》
「「脳波受信値指数を九十に設定、テスト」」
《了解 受信感度を固定 DLS テスト開始》
二人の指示を受け取ったAIの復唱の後、比乃と心視は、HMDの下で目を閉じる。同じタイミングで息を大きく吸って深呼吸。被り物に着いているランプがチカチカと点灯。比乃の脳内に、機械と自身が繋がった感覚が走る。機体の制御系と、操縦者の思考がリンクする。
《テスト完了 全て正常》
「全チェック完了、起動」
《了解 Tk-11“ネメスィ”起動します》
全ての準備工程を終えて、片膝立ちの姿勢で待機していた機体が、身じろぎして動き出す。
白い戦神が、立ち上がった。
「何らかの飛行物体接近!」
「何らかではわからん、報告は明確に行え」
その艦の副長が、部下からの不明瞭な報告に苛立ち気に返した。しかし、隣の壮年の艦長は、飛行物体という報告を聞いた時点で、猛烈な予感が脳裏に走っていた。長い経験があるからこそ感知できたそれは、死の予感だった。
「っ、迎撃準備! いや、即座に迎撃を開始しろ! 早く!」
「か、艦長?!」
「急げ!」
艦長の指示に、弾かれたように担当士官が手元を動かしてコンソールを操作する。果たして迎撃は間に合うか。士官が発射を宣言し、艦の後部から迎撃用のミサイルが飛ぶ。レーダーに映る飛行物体に向かって、丸い点が向かっていき、接触した。
直後に、閃光が海面に走り、遅れて轟音が響いた。この距離からでも確認できるほどの大爆発が、島と艦隊の中間地点で発生したのだ。
迎撃があと数十秒遅れていたら、艦隊は大損害を受けていたかもしれない。
艦長が、安堵の息を漏らした。だが、見張り要員が、絶望的な情報を、驚愕の表情で報告した。
「だ、第二波来ます! 数、十二!」
まるで、今の一発は試し撃ちだと言わんばかりの攻撃が、この艦隊目掛けて向かってきていた。他の艦も気付いたのか、迎撃準備を始めたことを通信士が告げる。
「各艦とのデータリンク接続急げ! 何が飛んできているのかはわからんが、一発でも通したら、こちらはひとたまりも無いぞ!」
艦隊の護衛艦が、一斉に迎撃ミサイルを投射し始めた。それをあざ笑うかのように、第三、第四波の飛行物体ーーテロリストの保有している、フォトン粒子由来の広範囲殲滅兵器が、艦隊目掛けて飛びかかってきていた。
各護衛艦が、健気にミサイルを吐き出し続け、それを叩き落としていく。初撃から数十分、体感的にはもっと長く感じられた迎撃戦は、唐突に終わった。遠距離攻撃が止まったのだ。新手の飛行物体がないことを確認した艦長と副長は、今度こそ安堵したように椅子に深く座り込んだ。
迎撃用のミサイルは半分以上消耗していた。相手からの遠距離攻撃がまだ続いていたら、米国海軍とは言えど、危なかったかもしれない。
「奴らめ、あんな兵器を隠し持っていたとは……」
「だが、これで打ち止めと見た。残る脅威は、あれだな」
まるでこれから起きることを予期しているかのように、艦長がそこまで言ったところで、レーダーに新しい反応が映ったことを、士官が告げる。
今度は照合データがあった。コードネーム「ミグもどき」だ。その大編隊が、こちらに向かってきていた。
「迎撃用意!」
そう易々と、目的地まで行かせてはくれないらしい。艦隊中央の空母二隻からも、制空戦のために搭載されていた戦闘機が、次々と緊急発進していく。間もなくして、海上で大規模な乱戦が勃発した。
***
外が騒がしくなってきたな、Tk-11のコクピット内で、比乃は前哨戦が始まったことを察した。後部座席の心視も「……始まってる」と呟いた。
「ハワイのときを……思い出す」
「そうだね、また乱戦を突っ切って行くことになりそうだ」
「不安?」
「そりゃあ不安だけど、今回は、前より装備が充実してるからね。なんとかなるさ」
比乃の言う通り、今昇降用エレベータで待機しているTk-11は、全身にごてごてと装備を取り付けた、フル装備状態とでも言うべき様相だった。
それから十分ほど待っていると、一人、駐機姿勢のTk-11の足下に駆け寄ってきた。
『おおい、二人とも、最後の装備チェックするよぉ!』
緑のつなぎを着た自衛官が、ヘッドマイクに向けて叫ぶ。それは、比乃らとも付き合いが長い整備士、こんな所にまでパシられて来た、第三師団所属のAMW整備担当、森一等陸曹だった。
今回の作戦にあたって、彼を含めた何名かの整備スタッフが、パイロットである比乃たち第一小隊と共に派遣されていた。機密の塊であるTk-11や、フォトン粒子を用いた兵装を、他国の整備士に触れさせるわけにはいかないからだ。
Tk-11の整備や仕様、今回用意された追加装備に至るまでを、Tk-11の生みの親である博士から、嫌というほどレクチャーされた森は、一時的に比乃専属の整備士になったのだ。
『装備一覧出してね、いざ戦場で動かないなんてなったら、一大事じゃ済まないからね!』
機体の足下で叫ぶ森の指示を受けて、比乃はコンソールを操作して、機体に接続されている装備群が、全て正常に動いているかをチェックするための一覧を呼び出す。その項目の一番上に、指を置いた。
「了解です。お願いします」
『よーし、順番に行くよ。十口径百二十ミリ砲“短筒”が一挺。対装甲炸薬ナイフ四本。追加の多目的アンカー“スラッシャー”が四基。ヘルファイアⅢが十二機。光分子防盾が二枚。外付けは以上。次に内蔵兵装、十口径三十ミリ砲が二門、フォトンバレットが装弾済み。光分子カッターが四機。おまけにスモークディスチャージャー。それに使い捨てのフォトンスラスターが二基。全部オンラインになってる?』
森の言った通りの順番で並んでいたリストを、指差し確認でチェックし終えた比乃が「全装備の接続を確認。問題ありません」と返事をした。
『それならよーし、こんな重武装して、恐れ多くも連合の一番槍を仰せつかったんだから、存分に暴れてくるといいよ』
「勿論です。相手の防衛網に風穴開けてやりますよ」
「森は……私たちの活躍を、期待して、待ってたらいい……」
やる気満々の二人のコメントに、専属整備士は頬を吊り上げた。
『言うねぇ二人とも、自信があるのはいいことだけど、ちゃんと生きて帰ってくるんだよ、整備士との約束だよ!』
腕をぶんぶん振ってそう言う整備士をモニター越しに見て、比乃は苦笑する。また約束か、今回の任務に就くに至って、ここ数日で色々な人と約束を結んだが、その全てが、ほぼ同じ内容というのも、なんだかおかしかった。
「約束……どれもこれも、破るわけにはいかないや」
比乃の独り言に、心視が当然という口振りで、
「約束を守るのは、当たり前……比乃は、それだけ、みんなから、大切に思われてるってこと……」
「まったく、ありがたいことだね」
『何をぶつくさ言ってるの二人とも、もう少しで出撃だからね! 細かい最終調整は二人に任すよ!』
「わかりました。ありがとうございました、森さん」
『それじゃあ、武運を!』
そう言って、エレベータから待避していく森を見送って、比乃は大型の黒光りするHMDを被った。AIが起動する。
《ニュートラルデータインストール完了 第三師団機士科所属 日比野 比乃三等陸曹 浅野 心視三等陸曹 網膜認識完了 起動準備を開始します》
比乃と心視の耳に、AIの合成音声が発せられる。そこから、比乃が細かい調整を口頭で素早く進めていく。『操作系を思考制御優先に変更』『戦闘動作データの参照先』『主機出力の調整』などの専門用語が比乃の口から告げられる。それにAIが《変更受理》やら《完了》などと反応する。
《Direct Link System テスト開始します》
「「脳波受信値指数を九十に設定、テスト」」
《了解 受信感度を固定 DLS テスト開始》
二人の指示を受け取ったAIの復唱の後、比乃と心視は、HMDの下で目を閉じる。同じタイミングで息を大きく吸って深呼吸。被り物に着いているランプがチカチカと点灯。比乃の脳内に、機械と自身が繋がった感覚が走る。機体の制御系と、操縦者の思考がリンクする。
《テスト完了 全て正常》
「全チェック完了、起動」
《了解 Tk-11“ネメスィ”起動します》
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