308 / 344
第四十二話「自衛官の反撃について」
友人との約束
しおりを挟む
長い夜が終わりを告げ、宿泊客たちに、ホテルの従業員から、テロリストが無事鎮圧され、危険がないことを知らされた。
二階食堂での缶詰状態から解放された宿泊客たちは、思い思いのことを連れと話し合ったり、SNSに書き込んだりしながら、各自の部屋に戻っていった。
その中には勿論のこと、歓天喜地高等学校の生徒の姿もあった。
「結構、終わるまで長くかかったな」
「自衛隊だってスーパーマンじゃないってことだろ」
「見たかったなぁ、AMW戦」
「そんなことより寝たい、今何時だよ……」
お喋りをしながら食堂から出て行く生徒たちの群れから少し離れたところ。食堂の隅の壁で、今回は特に出番がなかった陸上自衛隊機士科所属の三等陸曹、日比野 比乃、それと同期の二人は、
「まったく、お前たちは案外薄情なのだということを知ってしまったぞ。私たちに何の相談もなく、テロリストの殲滅に加勢にいくとはな」
「いや、紫蘭に相談するようなことじゃないと思うんだけど……」
「せからしか! 私たちはマブダチだったのではないのか! 共に苦難を乗り越えていこうというあの日の誓いは嘘だったのか?!」
「……そんな誓い」
「したか?」
意味不明なことをハイテンションで述べる紫蘭に、三人は軽く当惑していた。何故、彼女はこんなに怒っているのだろうか。
怪訝そうな表情を浮かべる比乃らに、メアリが微笑みかける。ぎゃーすか言っている紫蘭を横に押し退けて、
「日比野さんたちはピンと来てないかもしれませんけど、森羅さんの気持ちを一言で表すと、“心配していた”のですよ」
「あ-! メアリ、それを言うか! 貴様はデリカシーというものがないのか!」
紫蘭の抗議を「正直になれない方が悪いのです」とやんわり受け流すメアリの隣で、アイヴィーもうんうんと頷く。
「今回のテロリスト、狙いは比乃だったんでしょ? それは心配になるよ。私だって、その、比乃にもしものことがあったら……」
そこまで話して、顔を赤くして俯いてしまうアイヴィー。
対して、比乃は彼女の挙動を見て「人の心配をするのがそんなに恥ずかしいのかな、ウブってやつか」と呟いて、一人納得していた。
紫蘭とメアリが冷たい目線を向けるが、比乃はこれっぽっちも気付いていない。晃が「アイヴィー……不憫な」と内心で哀れんだ。
「比乃さんのそれ、少しは直した方が良いと思います」
「え、それって何?」
素でわかっていないらしい比乃の反応。メアリは一人の少女として、親友の不幸を呪った。
「そういうところもですし、なんでも自分たちで抱え込もうとするところもです。私も心配したのですよ? 相談しろとまでは言いませんが、せめて秘密にするのはやめてほしかったですね」
「そうだそうだ! 秘密主義反対!」
「……だって教えたら」
「自分たちで解決するとか言いかねないし」
心視と志度の頬が、二人の少女に掴まれて左右に伸びた。
軍人であるとは思えない程にすべすべでもちもちの肌を堪能しながらのお仕置きである。「いひゃい、いひゃい」とのたまっているが、無視してむにむにする。
「ともかく、比乃たちも無事だし、テロリストは捕まったし、これで一件落着だろ。紫蘭もメアリも、比乃たちからしたら守るべき民間人だってことを自覚しろよな」
わかったようなことを言う晃に、頬を引っ張るのをやめた二人が振り向いて抗議の言葉を放つ。
「何を言う! 私は森羅財閥の次期当主なのだぞ! 多少の鉄火場くらいどうってことはない! それに友の安否を心配して何が悪いというのだ!」
「私だって、修羅場は潜ってきているのですよ、晃さん? それに、比乃さんには自分の身も守るようにお願いしたはずですが、今回の件は、それに反しているのではないですか?」
森羅に晃が、メアリに比乃が責められ、少年二人が「うっ」と息を詰まらせた。特に比乃は、自分が狙われているとわかっていたのにテロリストのいる戦場に出て行ったので、何も言い返せない。そこに、頬を擦っていた心視と志度が助け船を出す。
「心配してくれるのは……いいけど、紫蘭たちは……護衛対象。危険に晒す可能性があったら、黙ってるべきだって……比乃が言ってた」
「テロリストに突っ込んで鎮圧しようって話を始めたのは俺たちなんだよ、比乃は反対してたんだ。だから悪いのは俺なんだ。ごめん!」
淡々と話す心視と、勢いよく頭を下げて謝る志度に、紫蘭とメアリは顔を見合わせた。こう言われてしまっては、晃が言っていることが正論であるし、比乃を責めるわけにもいかない。
「……わかった、今回は心視に免じて許してやろう」
「白間さんも、頭を上げてください。そういうことなら、私も許します」
「でも、これからはこういうことがないように基地の人になんとかしてもらえよ。俺だって心配するんだから」
「そうそう、比乃に何かあったら嫌だからね」
「ははは、ありがとう。みんな」
少し照れ臭くなって、比乃は頬を掻いた。何はともあれ、友人たちに心配をかけてしまったのは事実である。今回の件は反省しなければならない。とりあえず、護身用の武器をもう少し強化しよう。そんなことを考えていると、エレベータホールの方から「おーい、お前たち」と、担任教師の呼ぶ声が聞こえてきた。
「もう全員部屋に戻ったぞー、お喋りしてないで、お前たちも早く寝ろよー。ちなみに修学旅行は中止にするなと校長の厳命が来てるから、明日も朝に集合あるからなー」
それだけ告げて、担任はさっさとエレベータに乗って上の階へと行ってしまう。晃が携帯端末の時計を見て顔をしかめた。
「言われれば、もうこんな時間だ……明日は比乃が沖縄案内してくれるんだろ?」
「ひびのんツアーか、楽しみだな。明日に備えてもう寝るとしよう」
「そうですね、お肌にも悪いですし、アイヴィー、行きましょう」
「うん。それじゃあ比乃、また明日ね……さりげなく残ろうとしてるけど、心視もいくよ」
「……ちっ」
紫蘭とメアリ、そしてアイヴィーが心視を引き摺るようにして、女子組はちょうど来ていたエレベータに乗り込んで行った。その場に残された男子三人は、しばし無言だった。
ホールの静寂を静かに破ったのは晃だった。
「……さっきも言ったけどさ、比乃。いきなり友達がいなくなったなんてなるのは、やめてくれよ。そうなったら俺、すげぇ悲しいから。勿論、志度もな」
比乃と志度を見る、民間人の友達の表情は、真剣そのものだった。
自衛官とは、特に機士はいつ死ぬかわからない職業である。正直に答えるならば、それは確約できない。だが、比乃は嘘をついてでも、学友を悲しませたくはなかった。
「そうならないように、これからも頑張ることにするよ。ね、志度」
「おう、俺たちはそんじょそこらの奴には負けないから、そんなに不安にならなくていいぞ!」
二人の友達の返事に、晃はほっとした表情になって、力強く頷いた。
エレベータが到着し、三人は乗り込んだ。
この優しい嘘が、いつまで本当にしていられるか、それは比乃本人にもわからない。
例えそうだとしても、皆の笑顔は守ってみせる。一人の自衛官は、その決意をより一層強く抱いたのだった。
〈第九章 了〉
二階食堂での缶詰状態から解放された宿泊客たちは、思い思いのことを連れと話し合ったり、SNSに書き込んだりしながら、各自の部屋に戻っていった。
その中には勿論のこと、歓天喜地高等学校の生徒の姿もあった。
「結構、終わるまで長くかかったな」
「自衛隊だってスーパーマンじゃないってことだろ」
「見たかったなぁ、AMW戦」
「そんなことより寝たい、今何時だよ……」
お喋りをしながら食堂から出て行く生徒たちの群れから少し離れたところ。食堂の隅の壁で、今回は特に出番がなかった陸上自衛隊機士科所属の三等陸曹、日比野 比乃、それと同期の二人は、
「まったく、お前たちは案外薄情なのだということを知ってしまったぞ。私たちに何の相談もなく、テロリストの殲滅に加勢にいくとはな」
「いや、紫蘭に相談するようなことじゃないと思うんだけど……」
「せからしか! 私たちはマブダチだったのではないのか! 共に苦難を乗り越えていこうというあの日の誓いは嘘だったのか?!」
「……そんな誓い」
「したか?」
意味不明なことをハイテンションで述べる紫蘭に、三人は軽く当惑していた。何故、彼女はこんなに怒っているのだろうか。
怪訝そうな表情を浮かべる比乃らに、メアリが微笑みかける。ぎゃーすか言っている紫蘭を横に押し退けて、
「日比野さんたちはピンと来てないかもしれませんけど、森羅さんの気持ちを一言で表すと、“心配していた”のですよ」
「あ-! メアリ、それを言うか! 貴様はデリカシーというものがないのか!」
紫蘭の抗議を「正直になれない方が悪いのです」とやんわり受け流すメアリの隣で、アイヴィーもうんうんと頷く。
「今回のテロリスト、狙いは比乃だったんでしょ? それは心配になるよ。私だって、その、比乃にもしものことがあったら……」
そこまで話して、顔を赤くして俯いてしまうアイヴィー。
対して、比乃は彼女の挙動を見て「人の心配をするのがそんなに恥ずかしいのかな、ウブってやつか」と呟いて、一人納得していた。
紫蘭とメアリが冷たい目線を向けるが、比乃はこれっぽっちも気付いていない。晃が「アイヴィー……不憫な」と内心で哀れんだ。
「比乃さんのそれ、少しは直した方が良いと思います」
「え、それって何?」
素でわかっていないらしい比乃の反応。メアリは一人の少女として、親友の不幸を呪った。
「そういうところもですし、なんでも自分たちで抱え込もうとするところもです。私も心配したのですよ? 相談しろとまでは言いませんが、せめて秘密にするのはやめてほしかったですね」
「そうだそうだ! 秘密主義反対!」
「……だって教えたら」
「自分たちで解決するとか言いかねないし」
心視と志度の頬が、二人の少女に掴まれて左右に伸びた。
軍人であるとは思えない程にすべすべでもちもちの肌を堪能しながらのお仕置きである。「いひゃい、いひゃい」とのたまっているが、無視してむにむにする。
「ともかく、比乃たちも無事だし、テロリストは捕まったし、これで一件落着だろ。紫蘭もメアリも、比乃たちからしたら守るべき民間人だってことを自覚しろよな」
わかったようなことを言う晃に、頬を引っ張るのをやめた二人が振り向いて抗議の言葉を放つ。
「何を言う! 私は森羅財閥の次期当主なのだぞ! 多少の鉄火場くらいどうってことはない! それに友の安否を心配して何が悪いというのだ!」
「私だって、修羅場は潜ってきているのですよ、晃さん? それに、比乃さんには自分の身も守るようにお願いしたはずですが、今回の件は、それに反しているのではないですか?」
森羅に晃が、メアリに比乃が責められ、少年二人が「うっ」と息を詰まらせた。特に比乃は、自分が狙われているとわかっていたのにテロリストのいる戦場に出て行ったので、何も言い返せない。そこに、頬を擦っていた心視と志度が助け船を出す。
「心配してくれるのは……いいけど、紫蘭たちは……護衛対象。危険に晒す可能性があったら、黙ってるべきだって……比乃が言ってた」
「テロリストに突っ込んで鎮圧しようって話を始めたのは俺たちなんだよ、比乃は反対してたんだ。だから悪いのは俺なんだ。ごめん!」
淡々と話す心視と、勢いよく頭を下げて謝る志度に、紫蘭とメアリは顔を見合わせた。こう言われてしまっては、晃が言っていることが正論であるし、比乃を責めるわけにもいかない。
「……わかった、今回は心視に免じて許してやろう」
「白間さんも、頭を上げてください。そういうことなら、私も許します」
「でも、これからはこういうことがないように基地の人になんとかしてもらえよ。俺だって心配するんだから」
「そうそう、比乃に何かあったら嫌だからね」
「ははは、ありがとう。みんな」
少し照れ臭くなって、比乃は頬を掻いた。何はともあれ、友人たちに心配をかけてしまったのは事実である。今回の件は反省しなければならない。とりあえず、護身用の武器をもう少し強化しよう。そんなことを考えていると、エレベータホールの方から「おーい、お前たち」と、担任教師の呼ぶ声が聞こえてきた。
「もう全員部屋に戻ったぞー、お喋りしてないで、お前たちも早く寝ろよー。ちなみに修学旅行は中止にするなと校長の厳命が来てるから、明日も朝に集合あるからなー」
それだけ告げて、担任はさっさとエレベータに乗って上の階へと行ってしまう。晃が携帯端末の時計を見て顔をしかめた。
「言われれば、もうこんな時間だ……明日は比乃が沖縄案内してくれるんだろ?」
「ひびのんツアーか、楽しみだな。明日に備えてもう寝るとしよう」
「そうですね、お肌にも悪いですし、アイヴィー、行きましょう」
「うん。それじゃあ比乃、また明日ね……さりげなく残ろうとしてるけど、心視もいくよ」
「……ちっ」
紫蘭とメアリ、そしてアイヴィーが心視を引き摺るようにして、女子組はちょうど来ていたエレベータに乗り込んで行った。その場に残された男子三人は、しばし無言だった。
ホールの静寂を静かに破ったのは晃だった。
「……さっきも言ったけどさ、比乃。いきなり友達がいなくなったなんてなるのは、やめてくれよ。そうなったら俺、すげぇ悲しいから。勿論、志度もな」
比乃と志度を見る、民間人の友達の表情は、真剣そのものだった。
自衛官とは、特に機士はいつ死ぬかわからない職業である。正直に答えるならば、それは確約できない。だが、比乃は嘘をついてでも、学友を悲しませたくはなかった。
「そうならないように、これからも頑張ることにするよ。ね、志度」
「おう、俺たちはそんじょそこらの奴には負けないから、そんなに不安にならなくていいぞ!」
二人の友達の返事に、晃はほっとした表情になって、力強く頷いた。
エレベータが到着し、三人は乗り込んだ。
この優しい嘘が、いつまで本当にしていられるか、それは比乃本人にもわからない。
例えそうだとしても、皆の笑顔は守ってみせる。一人の自衛官は、その決意をより一層強く抱いたのだった。
〈第九章 了〉
0
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~
ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。
対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。
これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。
防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。
損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。
派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。
其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。
海上自衛隊版、出しました
→https://ncode.syosetu.com/n3744fn/
※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。
「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。
→https://ncode.syosetu.com/n3570fj/
「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。
→https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
もうダメだ。俺の人生詰んでいる。
静馬⭐︎GTR
SF
『私小説』と、『機動兵士』的小説がゴッチャになっている小説です。百話完結だけは、約束できます。
(アメブロ「なつかしゲームブック館」にて投稿されております)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる