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帰ってきた

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1865年戦争は終わった。片手を負傷し包帯を巻いたDeanは届いた手紙を握りしめ、急いで帰りたいという気持ちに駆られた。手紙がその日に渡され、封筒にはあちこち回ったような跡があった。急いで封を切り中を開くとJudyの姉からだった。

『ご無沙汰しております。そちらの様子はいかがでしょうか。』と前置きがかかれ最後の方にJudyの様子が書かれていた。

『お忙しいのもわかっております。ただ伝えなければと思い手紙を書かせていただきました』

手紙を読み、Deanは帰れると分かった時走った。今までよりも速く走った。

(無事なんだろうか)

電車に乗りながら、行く前に彼女に渡された二人の写真を膝の上に置いた。ずっと持っていた為写真は少しボロボロになり。色も日に当たり褪せていた。そのうち遠くを見つめ可愛らしい笑顔を思い出していた。

 Judyの家にたどり着くとCassieは優しく出迎えてくれた。

「Brainさん…」

「Judyは?」

「二階に…」

そう聞くが早いかDeanはJudyの部屋へ走っていった。Cassieの声を背中から聞こえたが耳には入らなかった。早く彼女の安否を知りたい。そう気持ちが焦っていた。

たどり着き、ドアを開けるとベットの上に眠る少女がいた。少し布団からはみ出した腕は細く、包帯で巻かれていたがちらりと見える部分は白かった。彼女の辛そうな表情は消え、穏やかな顔で眠っていた。Deanは優しく手を握り涙を流した。握っている手の中で何かが動いたような感じがした。

「Dean」

Judyはゆっくりと目を覚ましにっこり笑った。

Deanはほっとした顔になり優しく彼女を抱きしめた。
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