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意外な訪問客
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数日後、紗紀子の家を訪ねた者がいた。
「ごきげんよう」
華やかな衣装に身を包んだその彼女は朋子だった。応接間に通された彼女は壁や天井を眺めていた。何か粗探しをしてる様に見えるその目つきは紗紀子を自然と苛立たせた。
「まぁまぁね」
朋子はそういうと
「座ってもいいかしら?」
と紗紀子にたずねた。
「どうぞ」
とソファーを勧めるとため息をついて朋子は紗紀子の顔を見上げた。憎たらしい人を小馬鹿にしているみたいに見えるその目付きと顔は紗紀子はとても嫌い。だけど見方を変えると黙っていればか可愛くて綺麗な子だと思う。
「ねぇ、貴女折角この家に住んでるんだからもっと堂々としていたらいいのに」
朋子はそういうと召使に出されたお茶を啜った。言っている意味が分からないと紗紀子は聞くとまたため息をついた。
「何も知らないのね。葛城家が傾き始めてるって情報があるのに」
それを聞いてかなり驚いた。
「え?でも…」
「表向きには成長しているけどそうではないみたい。最近になって瑠奈だっけ?その方の浪費が激しくって…ほら、この間大規模な舞踏会開いたじゃない?あの時から予算掛け過ぎなのよねって思って色々調べてみたのよ。そうしたら不正があったって…」
「貴女、そんなことして平気なの?」
してやったりという顔した朋子を紗紀子は心配になった。
「大丈夫よ、私のとこには代々伝わる忍びがいるんだもの下手なことは口にはしないわ」
と朋子はにこりと笑った。黙っている紗紀子を無視して話をつづけた。
「私、あの子嫌いなのよ。前も言ったでしょう?庶民のくせしてやりたい放題で…。私たちとは違うの。それが全然わかっていないわ。それに、葛城にいるからって調子に乗っているなんて…。なんとかできるのは辻倉の貴女だけよ。それに、私が気に入らないって思った人を潰しているのを知ってる癖に」
朋子は腕を組んで言った。
「本当だったらあんたの味方なんてしたくないけど、今回は別よ。葛城が傾いてるなんて好都合」
「そんな…。あちらで働いている方たちはどうなるの?解雇される方が多いじゃない。傾くのを黙ってみていられないし…」
朋子は腕を組んだままため息をついた。
「買い取ればいいじゃないの」
「そうすれば、貴女の心配事も消えるわね」
朋子はにこりと笑った。
「簡単に言わないで」
紗紀子は叫んでいた。
「あちらのことも考えないと。それにその情報も確か私はわからないし、今動けるものではないわ」
「それもそうね」
朋子はにこりと笑った。その時、鈴木が紗紀子の耳元で来客があると伝えた。彼女は眉をピクッと動かすのを朋子は笑顔で見ていた。
「ごきげんよう」
華やかな衣装に身を包んだその彼女は朋子だった。応接間に通された彼女は壁や天井を眺めていた。何か粗探しをしてる様に見えるその目つきは紗紀子を自然と苛立たせた。
「まぁまぁね」
朋子はそういうと
「座ってもいいかしら?」
と紗紀子にたずねた。
「どうぞ」
とソファーを勧めるとため息をついて朋子は紗紀子の顔を見上げた。憎たらしい人を小馬鹿にしているみたいに見えるその目付きと顔は紗紀子はとても嫌い。だけど見方を変えると黙っていればか可愛くて綺麗な子だと思う。
「ねぇ、貴女折角この家に住んでるんだからもっと堂々としていたらいいのに」
朋子はそういうと召使に出されたお茶を啜った。言っている意味が分からないと紗紀子は聞くとまたため息をついた。
「何も知らないのね。葛城家が傾き始めてるって情報があるのに」
それを聞いてかなり驚いた。
「え?でも…」
「表向きには成長しているけどそうではないみたい。最近になって瑠奈だっけ?その方の浪費が激しくって…ほら、この間大規模な舞踏会開いたじゃない?あの時から予算掛け過ぎなのよねって思って色々調べてみたのよ。そうしたら不正があったって…」
「貴女、そんなことして平気なの?」
してやったりという顔した朋子を紗紀子は心配になった。
「大丈夫よ、私のとこには代々伝わる忍びがいるんだもの下手なことは口にはしないわ」
と朋子はにこりと笑った。黙っている紗紀子を無視して話をつづけた。
「私、あの子嫌いなのよ。前も言ったでしょう?庶民のくせしてやりたい放題で…。私たちとは違うの。それが全然わかっていないわ。それに、葛城にいるからって調子に乗っているなんて…。なんとかできるのは辻倉の貴女だけよ。それに、私が気に入らないって思った人を潰しているのを知ってる癖に」
朋子は腕を組んで言った。
「本当だったらあんたの味方なんてしたくないけど、今回は別よ。葛城が傾いてるなんて好都合」
「そんな…。あちらで働いている方たちはどうなるの?解雇される方が多いじゃない。傾くのを黙ってみていられないし…」
朋子は腕を組んだままため息をついた。
「買い取ればいいじゃないの」
「そうすれば、貴女の心配事も消えるわね」
朋子はにこりと笑った。
「簡単に言わないで」
紗紀子は叫んでいた。
「あちらのことも考えないと。それにその情報も確か私はわからないし、今動けるものではないわ」
「それもそうね」
朋子はにこりと笑った。その時、鈴木が紗紀子の耳元で来客があると伝えた。彼女は眉をピクッと動かすのを朋子は笑顔で見ていた。
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