人間不信になったお嬢様

園田美栞

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あれから数日後

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 あれから数日後、紗紀子は屋敷の自分の庭園の椅子に座って本を読んでいた。紗紀子にとってこれが一番の幸せだった。自分の好きな小説を海外から取り寄せ、女中が用意したお茶を飲みながら読む。ふと手元が暗くなり顔を上げると真紀子がのぞき込んでいた。
「何してるの?」
紗紀子は開いていた小説の表紙を見せた。アルファベットが並び、ページ一枚一枚びっしりと書かれた小説は何が書かれているのか真紀子にはさっぱりわからなかった。
「読めるの?」
その質問にコクリと頷いた。
「紗紀ちゃんって海外に行ったことあったかな?」
「去年まで行っていたわ」
「そう」
真紀子は空いている椅子に腰を掛けた。
「それってどんな話なの?聞かせて?」
「Jane Austenの『説得』って話よ」
紗紀子はあらすじを真紀子に聞かせた。
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