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第六章 武闘大会(前編)
遺せるもの
しおりを挟む魔界層での休暇を終えた翌日の王都ギルド。
クエストが終わって戻って来る頃を見計らって、祝典の警備を受けてくれたプロビデンスやドニにお礼をしに来ていた。
『え?』
乾杯をして呑み始めてすぐみんなは静止する。
「もう一度言うか?二ヶ月後の武闘大会に王都代表として出ることになった。ドニとロイズにも力を借りたい」
エールが入ったジョッキを口に運びかけてた手を止め、みんなが静止する原因となった話題を再度話す。
「力をって……訓練に付き合えってことか?」
「いや?パーティメンバーになってほしいってこと」
『えぇぇぇぇぇ!?』
ロイズの問いに答えると驚く声が王都ギルドに響く。
「あ、もちろんプロビデンスを解散してってことじゃない。武闘大会が終わるまでの一時的なメンバーでいいんだ。ただ、大会までの二ヶ月も準備や訓練があるからプロビデンスでのクエストは調整して貰うことになるけど」
ドニはパーティを組んでないけどロイズはリーダー。
プロビデンスの三人にはリーダー不在にさせて申し訳ないけど国家行事への参加だからその間だけ目を瞑って欲しい。
「お前、自分が何を言ってるのか分かってるのか?」
「駄目か」
「俺が駄目とかじゃなくて国が認める訳ないだろ?爵位もない一般国民の冒険者がブークリエ国の王都代表なんて」
それか。
エドとベルもそうだったけど身分が気になるようだ。
「国王から性別も身分も問わないって言われたから心配ない。今決定してるのは俺とエドとベル。獣人の姿で参加させる」
「英雄と一般国民と獣人って……いいのかそれ」
「俺が信用に足る人を選んでいいって言われたからドニとロイズにも声をかけた。何か問題があるか?」
王宮関係者じゃなきゃ駄目ならおっさんに選んで貰った。
ただ、俺が信用に足る人を選んでいいのなら背中を預けられる人を選ぶ。
「ドニ。お前も何とか言えよ」
「俺はやる。シンのパーティなら願ってもない」
「ああ……シンは勇者じゃないのにまだ拗らせてる」
呆れ顔のロイズにプロビデンスの三人は苦笑する。
「何をそんなに考える必要があるんだ?本来なら王都の冒険者が国の代表になれる機会なんてないのに初めて声をかけて貰えたんだ。王都ギルドにとってもこんな誉なことはないだろ」
「まあそれは……大丈夫なのか?ハロルド」
「ああ。俺も聞いた時には驚いたが国王陛下も承諾している。ロイズが参加したくないなら強制はしないが」
ドニに言われてハロルドにも確認をとったロイズは口を結ぶ。
「嫌なら断ってくれていい。もちろんそれでどうこうなるってことはないから安心してくれ。ロイズは元々パーティを組んでるから一時的にでも他の人と組むことを迷うのも分かるし」
「違う。英雄から直々に誘って貰えるなんてこんな光栄なことはない。ただ、英雄のパーティメンバーが一般国民っていうのが国民をがっかりさせそうで迷う」
断り難いのかと助け舟を出すとロイズは困り顔で溜息をつく。
「なんでだよ。ロイズは国民をがっかりさせるような実力しかないのか?国民が本当に見たいのは自分たちの代表が勝つところだろ。俺は弱い奴を選んだつもりはない。仮に身分で文句をいう奴が居たとしても勝って黙らせればいいだけだ」
俺が選んだのは信用に足る人であり勝てる強者。
半分はまつりごとのイベントでも負けるつもりはない。
「俺たちを選んで一番叩かれるのはお前なんだぞ?」
「言いたい奴には好きなだけ言わせておけ。最強を決める大会に性別も身分も関係ない。強者か弱者かだけだ」
誰を選んでも負ければ文句をいう奴は絶対に居る。
そういう奴を黙らせるには勝てばいいだけ。
「分かった。そこまで言いきるならもう言うことはない。英雄のパーティとして一緒に戦わせて貰う。よろしく頼む」
「ありがとう。こちらこそよろしく」
手を出したロイズに握手で応えると様子を伺っていた冒険者たちはワッと歓声をあげる。
「凄いことになったね!今からドキドキする!」
「王都ギルドから武闘大会の代表者が出るのは歴史上初」
再び乾杯しながら喜ぶネルとセルマ。
「大会までの間はクエストに出れないけど頼むな」
「三人でも受けられるクエストに留めるから安心しろ。それより自分たちのリーダーが武闘大会の代表に選ばれるなんて俺も嬉しい。王都の冒険者にとっても大きな希望になる」
ロイズの肩を組むレイモンも嬉しそうだ。
「ドニも勇者に剣を捧げてるのに受けてくれてありがとう」
「勇者の名前が大事なんじゃなくて俺が剣を奮いたいって思える人かどうかだ。最初見た時にこの人ならって思った事は話しただろ?例えシンが勇者じゃなくてもそれは変わってない」
「そっか。ありがとう」
ドニは相変わらずパーティを組まずに孤高のまま。
俺はあまりクエストに出ないから冒険者で生計を立ててるドニとは組めないけど、何かしらの依頼を出した時にはよく協力してくれている。
「大会まであまり期間がないから急遽になるけど、明日か明後日には師団室へ報告に行く時間を作って欲しい」
「師団室?なんのために?」
「今回は選手登録と国が用意してくれる大会用の礼服や私服の採寸だとおもう。それが終わったら試合中に使う武器や防具や道具を見に行こう。国が払ってくれるらしいから」
俺も剣は買っておきたい。
大会で恩恵武器の風雅を使うのは危険すぎる。
「国が払ってくれるの?羨ましい!」
「大会に必要な物だけだぞ?必要がない物には出さない」
「購入した物は大会後に返すの?」
「それはない」
「じゃあやっぱり羨ましい。私も新しい剣が欲しい」
「ネルは代表じゃないから無理だ」
ネルは剣を新調したいらしくハロルドから言われて拗ねる。
と言ってもAランクパーティの一員なんだから自分で買えるくらいには稼いでるだろうけど。
「人相手なら弓の殺傷力は落とした方がいいな」
「万が一のことを考えればその方がいいかも知れない。ロイズほどの命中率なら急所を外せるとは思うが」
そんなロイズとハロルドの会話を聞いてふと思う。
「俺、大会のルール聞いてないや」
「は?代表に選ばれたのに?」
「別件で話に行った帰りに言われたから」
「五十年に一度の本大会なのにいいのかそんな適当で」
「多分決まってから説明するつもりだったんだと思う」
急所を外すという話を聞いて初めてルールを聞かされていないことに気付いて言うと、みんなから呆れた表情で見られる。
「大会で禁止されてるのは頭部と胸部の攻撃。負傷者はポーションを使ったり、白魔法士や上級魔術師が回復してくれる」
「自分で回復するのは?」
「問題ない。回復を使える人が多くないから白魔法士や魔導師たちのような医療班が待機してるというだけだ」
「万が一手元が狂ったらどうなるんだ?」
「わざとじゃないなら罪に問われることはない。大会に参加する選手はそれを了承して出ている」
俺は了承してませんけど?
初めて聞きましたけど?
「なあ。俺が誘ったんだけど、本当にいいのか?」
「冒険者に愚問だろ。討伐依頼の時はいつも命懸けだ」
「むしろ禁止箇所があるだけ魔物と戦うより安全」
「たしかに」
魔物の攻撃に禁止箇所なんてない。
普段は魔物相手に討伐クエストをこなしている冒険者の二人にとっては大会のルールの方が優しいという現実。
「回復を使える者が居れば戦いは断然楽になる。ただ、代表戦では殆どのパーティが使える者を入れてくるだろうけどな。そうなると如何に回復させないかが重要になる」
「長引いた場合は魔法士の魔力量勝負にもなりそうだよね。回復魔法専門で白魔法士を一人、補助と攻撃魔法専門で黒魔法士を一人って分けて入れてくるパーティもありそう」
なるほど。
ハロルドとネルの会話でそれも有り得るなと納得する。
色んな組み合わせのパーティに対応出来るよう数パターンの戦略を訓練する必要がありそうだ。
「二人とも忘れてる。銀の冒険者の魔力量は異常」
「そっか。延々と攻撃魔法や回復魔法使っても平気そう」
「シンを代表騎士に選べた王都は幸運だったかもな。サポート役が強いと他の四人も自分たちの役割に集中できるから」
いや、つい先日初めて魔力が枯渇したから。
極度の疲労+魔力不足で倒れたばかりだから。
あとセルマ、いい加減その呼び方はやめろ。
「豪華なパーティだな。剣聖のドニと流星のロイズ。冷徹のベルティーユと才腕のエドワード。異世界人で英雄のシン」
「武闘大会じゃなきゃ絶対に見れないパーティだね」
「断トツの一番人気になりそう」
「有り得る」
ん?剣聖のドニ以外は知らない二つ名が次々と。
「ベルとエドにも二つ名があるのか?」
「ああ。最近は獣人の姿でクエストも受けてるだろ?」
「それで二つ名が付いたのか。知らなかった」
特殊部隊の時は表に出ることがなかったから二つ名もなかっただろうけど、今は特殊部隊の仕事以外では顔を出してるから二つ名が出来たんだろう。
「流星のロイズっていうのは?」
「ロイズは同時に複数の弓矢を撃てるんだ。空から降ってくる複数の弓矢が流星のようだから流星のロイズってついた」
「複数って凄いな。一本でも射るの大変そうなのに」
「普通はな。複数本撃つ上に早撃ちも出来れば命中率も抜群にいい。Aランクのリーダーは伊達じゃない」
ただただ凄い。
完全実力主義の王都ギルドのAランクって時点で強いことは分かってたけど、ギルマスのハロルドがそこまで言うなら相当の実力なんだろう。
「ドニの実力は目の前で見たことがあるから強いのは知ってたけど、ロイズの弓も見るのが楽しみになってきた」
「大会では使えないぞ?」
「え?なんで?」
「頭上から降らせたら禁止されてる頭にあたる」
「……たしかにな」
ロイズ本人から言われて気付く。
魔物が相手なら討伐することが目的だから恐ろしく便利な技術だけど、武闘大会はあくまで試合だから使えない。
訓練中に見せて貰うことにしよう。
「武闘大会でも王都ギルドに回ってきたのは会場周辺の警備依頼だけかって思ってたけど、ここに来て大逆転したね」
「そのぶん背負う責任も重くなる。個人戦はまだしも代表戦に負ければ国にも英雄にも土をつけることになる」
「それはそうだけど」
「各領地からどんな代表が集まるのか知らないけど、代表に選ばれるくらいの実力がある人を相手に気は抜けない」
女冒険者に話しかけられたドニは真顔で答える。
警戒心が強いところも相変わらずだ。
「異世界から来た俺には武闘大会がどんなものかの知識が一切ないんだけど、そんなに大きな大会なのか?」
「すっごい大きな大会だよ?今回の大会で使う闘技場はエルフ族と人族共同で五年もかけて建てたんだから。開催期間は約一ヶ月。みんなが楽しみにしてた大イベントなの」
「一ヶ月も!?」
「そうなの。開催中は各地から精霊族が勢揃いするから色んな出店も出るし、毎日がお祭りみたいなんだよ」
それはとんでもない大会なんじゃ……。
あの三人……他の用件のついでに話すことじゃないだろ。
「二十五年に一度個人戦だけの半期大会も行われるが、今回の大会は代表戦も行われる本大会。個人参加をする者も一生に一度か二度しか参加できない本大会にかけてる者も多い」
五十年に一度だとそうか。
十代の頃に本大会に参加したとして、次の本大会は六十代。
肉体のピークは超えている。
「あれ?もしかして思ってた以上に代表って責任重大?」
『うん』
あの三人、本当に言っておいてくれ。
だからエドとベルも出る出ないでキラキラしたりシュンとしたりしたんだと、みんなに大きく頷かれて理解した。
「俺はエミーリアと一緒に勇者さまや貴族の護衛につくことになってるが、みんなの試合はしっかり見せて貰う」
「え?アイツらも観に来るのか」
「聞いてなかったのか?」
「うん。本当にただ王都代表として出てくれないかって国王のおっさんから言われただけで、後は礼服の話や武器防具の話くらいしか聞かされてない」
最近は全くと言っていいほど勇者の四人とは会ってない。
俺が英雄や領主になって忙しくなったのもあるし、アイツらも実技訓練が増えて時間が合わなくなったから。
「アイツらも来るなら警備が凄そう」
「そもそも警備は厳重だ。貴族は勿論エルフ族と人族の王家も来るから。エルフ側も警備や警護には手を抜かないだろ」
「ああ、そっか。なんて言っても地上の神たちの王だしな」
「凄いよね。地上の神って」
「よく考えたよね。地上の神って」
みんなも『地上の神』の呼び名には思うところがあるらしく、俺が言ったそれに反応して( ˙-˙ )スンッとした顔をする。
「エルフ族の代表には絶対勝ってね?」
「勝たないとまた五十年間馬鹿にされる」
「頼んだぞ。鼻で笑われるのはもう嫌だ」
ネルとセルマに真顔で迫られレイモンにも懇願される。
「そんなに馬鹿にされてたのか?」
『うん』
またしても同時に頷く冒険者たち。
仲良しか。
「昔はエルフ族の国に行く人族も多かったみたいだけど、エルフ族が強すぎて闘技大会で一向に勝てないから人族は弱いって馬鹿にされるようになったんだって。私たちもクエストの都合でアルク国の王都や領地に何度か行ったけど、中には人族の一般国民拒否の宿とか食堂もあるんだよ?」
ネルはそう話して溜息をつく。
人族を見下してることは数時間の滞在でも充分感じたけど、そこまでだったとは。
「人族もエルフ族のことだけを悪く言えないだろ。獣人族を奴隷にして酷い扱いをしてる奴らが居るんだから」
「そっか。たしかにそうだね」
「陛下の働きかけで獣人登録制度が出来てもまだ裏では獣人を拐って売るクズどもが居る。そういう奴らが人族から居なくならない限りエルフ族のことをとやかく言えない」
ドニの意見に納得してネルや冒険者たちは頷く。
「でもさ、実際に獣人の主になって一緒に居る俺から見ると王都ギルドのみんなは割と柔軟な考えを持ってると思う。エドやベルのことをサラッと受け入れてくれただろ?」
人族も獣人を下に見ていることは事実。
でもそうじゃない人も居る。
「それは銀の冒険者と居たからっていうのが大きい」
「そうなのか?」
「銀の冒険者は私たち一般国民の王都ギルド冒険者でも分け隔てなく回復をかけてくれた恩人だし、英雄や貴族になった今でも馬鹿にしたり見下したりしないで変わらず接してくれる。その人と契約してる獣人を見下したりなんてしない。それにエドとベルはお菓子をくれる善い奴」
食べ物かよ!と突っ込むみんなと真顔のセルマに笑う。
「獣人に関しては完全に奴隷扱いの奴も居れば、どうしたらいいか分からなくて避けてる奴も居る。どう関わればいいか分からないから腫れ物に触るような態度になる」
「普通に関わればいいだろ」
「そんな簡単なことじゃない。獣人が目の前に居て話しかけたとして近くに主が居たらどうする?自分の奴隷が他人と関わることを嫌がる主ならその獣人が仕置を受けるかも知れない」
俺の意見をあっさり否定したロイズは苦笑する。
「獣人が酷い扱いを受けてることを知ってるから躊躇することもあるんだ。その点エドやベルは主のシンと同じ席に座って楽しそうに食事もすれば会話もする。だから俺たちが話しても二人が酷い扱いはされないって分かって普通に接することが出来たってだけ。主がとる態度や対応で俺たちの対応も変わる」
善い悪いは別に、それも獣人への気遣いか。
酷い扱いを受けてる獣人を見かけてその場は間に入って止めたとしても後のことまでは分からない。
もしかしたら止めたことで主の機嫌を損ねて後でもっと酷い扱い(仕置)を受けるかも知れない。
「なるほど。たしかに迷うな」
俺が普通に関わればいいと思えるのは、エドとベル以外の獣人がどんな扱いを受けているのかよく知らないから。
異世界から召喚された俺と違ってみんなは子供の頃から知っていることだから下手に近付くのを躊躇してしまうんだろう。
「やっぱ奴隷って制度が無くならないと駄目か」
「そこも問題で、基本的には使用人として働かせるため奴隷を買う人が多い。仮に制度を無くしたら使用人だった奴隷はどうなる?働いてる間は少なくとも衣食住が与えられてたのに屋敷から出されたらどう生活する?国が生活の保障するのか?」
「うーん……国が保障するのは無理だろうな」
現実問題として全員を保障するのは無理。
そうなると、せっかく奴隷から解放されても逆に路頭に迷う獣人が出てくる。
「そっか。今後の奴隷売買は禁止するとしても、既に買われて奴隷になってる人たちのことも考える必要があるのか。そうなると制度を廃止するんじゃなくて改正?」
「改正されて獣人登録制度が出来たんだ。奴隷を買う時に高い金を払わないといけなくなったし、何かあった時に誰の奴隷かが分かるよう登録されるから買う人の数が減った。俺が子供の頃に改正されたから覚えてないけど、前は誰かに買われた奴隷でも拐われたり暴行を受けたりって酷いものだったらしい」
ロイズが子供の頃なら十数年前。
現段階ではまだ改正後の様子見時期か。
「制度を無くしても人の見る目は簡単に変わらない。年配の人は特に、奴隷から元奴隷に呼び方が変わるだけで蔑む気持ちは無くならないと思う。一番肝心なのは獣人への考えを改めることで、制度だけ無くしたところで根本的解決にはならない」
ドニがそう話すと冒険者たちもそれぞれ意見を交わす。
これが王宮ギルドなら事を荒立てないよう『見ざる聞かざる言わざる』になる人が多いだろうけど、一般国民が集まる王都では制度に対して自分なりの意見を持ってる人が多いようだ。
「奴隷問題は根深い。国の議題でもよく廃止案や改正案が話し合われているが、獣人の中にも奴隷制度が無くなったら困るという者も少なくないから難しい。だからせめて拐われる獣人の数が減るよう苦肉の策で獣人登録制度が出来たんだ」
「そうだったのか」
平和な世界に居た俺の考えはまだまだ浅はか。
今ハロルドに聞くまでは獣人の中にも奴隷制度を受け入れてる人が居るなんて知らなかったし、国でも様々な対策を考えていることなど考えもしなかった。
ドニが言うように重要なのは人の考えを改めること。
獣人を見下す人たちに考えを改めて貰うこと。
本当に無くさないといけないものは制度ではなく、獣人を見下すその気持ち。
「今回の本大会はエドやベルにも重要な大会になるな。異世界から来た救世主で英雄のパーティメンバーに選ばれた獣人。上手く行けば獣人の立場を見直す人が一気に増える」
「もちろんそれも考えてる。ドニやロイズにとっても王都ギルドの冒険者の実力を知らしめるいい機会になるだろ?そのために俺の仰々しい肩書きが役に立つなら上手く利用してくれ」
肩書きなんてただの飾り。
でも、その飾りに弱い人が多いのも事実。
どうせなら上手く活用して欲しい。
「よし。それぞれが目的のために戦って勝とう」
「「ああ」」
ドニとロイズと握手を交わすと歓声があがる。
王都ギルドの冒険者たちにとっても二人の活躍は新たな希望になるだろう。
この世界では身分の違いが生活に大きな差を生む。
いつかこの国を出て行く俺が遺せるものは、出会った人たちが少しでも生きやすくなる環境。
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