ジルヴォンニード

ククナククリ

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第一譚:はじまりは時の線路

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    たいてい危険が及ぶばかりで損な役回りでしかない密偵任務が三日と続いてよく穏便に事の運んだものだと、アルス自身も内心驚いていた。
 それもそのはずアルスの階級は中尉と、将校クラスの使い走りでしかない。そんな彼が今回のユトレヒト偵察の下知を賜ったのには、理不尽としか形容できない理由があった。
 不幸事で軍を去った上司と不正事で軍を追われた部下の肩代わりとして、今までは参謀本部が受け持つはずであった仕事が、すべて支部の一つであって特段変わった位置づけをされていない普遍的部隊に過ぎない彼の支局へと一気になだれ込んできたのである。
 特に彼の所属していた部隊――カールスルーエ支局にカタギの人間はお世辞にもおらず、裏社会からのし上がってきた前科者の吹き溜まりであったため、その信用の程はお察しの通りだった。
 故に掴まされた、軍の狗という配役。むろん便利屋扱いをこの世で最も嫌う本人が認めるはずもない。
 この鬱屈とした状況を一刻も早く打開するため、アルスは自ら憎まれ役を買って出た。長年と不祥事の絶えない軍部である。時には活動そのものを凍結される事も数知らず、無聊をかこつ日々ともいい加減おさらばしたかったのだ。
 加えて、行き場を失くした自分へ道を与えてくれた街に報いるためならば、たとえ外道に成り下がろうとも構わないという、彼には断固とした一心があった。
 ……イリヤと出会う、少し前までの話であるが。
「鎌の代わりなんていくらでもある。だがアンタは自動拳銃ナシであっても十分さ」
 不慣れな者には両手で扱う事すら困難を極めるであろう拳銃を、しかも片手一対で繰る二挺拳銃は反動の大きさと装填の手間を鑑みれば酔狂かつ無茶苦茶な荒業にすぎないが、この男に限って言えば話は別だ。
「アンタとの遊戯は、左手だけでカタをつける」
 アルスとオランダ軍の伏兵らによる、矮小な規模ながらも熾烈な激戦――イリヤはこの時、直面する。彼らの戦いと、その意義に。
「そういえば知っていたかぁい? 先とまた先の爆撃テロぉ。あれは俺様の手先の仕業だぁってことをよぉ」
「知らない筈がないよ。アンタらの事は全部ウチで調査済みさ、何もかも。部下にやらせてばっかで、自分自身は何も把握してないんだろ?」
 続けざまに吹き上げる礫の風を避けながら彼は口角を上げ、その端正な表情を不敵に歪ませた。腰元で、二挺の得物をお手玉のように遊ばせながら。
「それに先ほどからこの子を付け狙ってたってコトも、すでに」
 召喚された術式はまるでこの碧落の頂のように碧く、目映い光を迸らせていた。白昼にもかかわらず、その様子はまるで降り注ぐ流星にも似ている。
 光が不意に当たっても、その箇所が火傷することも溶けることもなく、光だけが仄かな温かみを残したまま雪のように消えていく。召喚士の冷えた声音とはうって変わって。
「酷い言いザマさなぁ。ま、俺様も他人サマのこたぁ言えねえがァ~」
男も男で泥酔したような蕩けた眼差しを向け、にやついた笑みを飛ばす。
「この“依り代”があるからにはなァ~~~ビャアアアアアアアアハッハッハ!!」
「……依り代?」
 依り代――それは、心に深い闇を持つ者だけが所持をするとされる、キーマンの神器。
「世の中にはありとあらゆる超常現象をいとも簡単に操れる人が、少なけれど存在する。その人たちがそういった現象を起こす際の動力源となる、あのアサルトライフルみたいな供物などを指すんだ」
 肩を強張らせるイリヤに、アルスは短く注解する。
 術式を張り巡らしながら答える彼の横顔は深甚たる表情を孕んでいた。その意味するところを何となく察したイリヤは手元に転がる鈴を握りしめ、これ以上の穿鑿は避けようと小さく頷いた。
「おしゃべりは終わりだこったなァ~~~」
 間の伸びた口調からは想定できない速さで男は依り代のEA-llを構え、二人に威嚇の射撃を浴びせた。発振されたバレルから術式が展開され、そこから穿たれる弾丸は魔力を帯びて、自我をもったように二人を追尾し始める。
 アルスはそれを難なく潜り抜けるが、イリヤは慌てふためき、へどもどしながら、フィニッシュといわんばかりに勢いよく吹き上げる水柱の間に紛れ込んでどうにか追撃をしのいだ。肩が触れそうな水面下の距離だったが、鈴も腕輪もどうにか無事だった。
「びゃはっはははっははははははははははあははッ!!」
「……ッ!?」
 その轟音もさることながら、周囲の煉瓦や建物に穿たれた弾痕がEA-llの威力を知らしめており、水柱に隠れるように尻もちをついたイリヤは無意識のうちに唾を飲む。
 蹄を立ててEA-llが啼く都度に、年期がかった煉瓦の敷地が震撼する。あれだけ壮大なブツを繰り出されては、近隣の住民も堪ったものではなかろう。
「アンタみたいに甘い汁吸ってそうな無法者が一丁前に依り代なんてね。どう考えても誰かから貸し与えられた一品としか思えないよ」
「うぉっとおおおお? バレちまったからにはァ、しょうがねぇなァ~~~っ??」
 駿馬の如く嘶き、不躾な侵入者を蹴散らさんと疾駆する散弾の豪雨がアルスのもとへ一直線に降りしきる。
 無論これしきの銃撃で尻に帆をかけるような彼でなく、涼しい顔で銃弾をかわしつつ自身の拳銃を交互に可動していき、その恰幅の良い体を身軽に躍らせる。
 そうとうな場数を踏んできたのだろう。あれだけ剛強な肉体を俊敏に動かすとなればすさまじき運動量が必要になるが、彼は息ひとつ上げず、疲れをものともしない。
「開帳――Proper Hilfe, Bestatigung」
 より高く跳躍して、ドライゼを握る手に力を込める。その時ふと、アルスの左目が禍々しく耀いたような気がした。
「あいつの目、なんて書いてやがんだ……?」
 昏く澄んだ殺意を迸らせる左目の虹彩と瞳孔には、まるで機械のように数値と文字が一気に流れていた。その目がドライゼの影で隠れたかと思うと、銃口から翡翠色を帯びた術式が発され、徐々に広がっていく布陣から、のべつ幕なしに星々が落とされた。
「Sieben Sterne,Sperrfeuer――背天の者に、七星の慈悲は非ず」
 無作為に乱射しているようでいてアルスの挙措に一切の無駄がなく、照準に捕捉された者は皆、慈悲無き回転式拳銃と自動拳銃の餌食となっていった。
 肉片を散らせ、臓腑をばら撒いて……彼の戦い方はイリヤの想像以上に狂暴で、野蛮だ。水飛沫に血潮が混ざり、煉瓦が何によって湿り気を帯びていくのも分からない。
 銃把を握る彼の手に張られた術式にも、返り血が滴っていた。いずれ術式が解ければ粒子と化すのにも関わらず、彼の狂猛な光を帯びた双眸と歪んだ口元が、半透明な装甲のよりリアルで冷たい質感を醸し出していた。
「しぶとい坊っちゃんだぁ~はっはッは! EA-ll! おらに見せてみろぉ、千年懸けて研ぎ澄ました鋭爪の底力ってやつをヨォ!!」
 それに対抗した男はバズーカよろしく巨大な図体のEA-llを真下に叩きつけ、馬の遠吠えに等しき銃声を悠久の大地に轟かせた。彼の周囲の煉瓦は粉々に粉砕され、朱色の粉末が舞いに舞う。それだけで広場は散々なのに、この男は自重を知らなかった。
「ゴオオオオオォォォォ――」
 天地を揺るがす、益羅男の雄叫び――そのような謳い文句、今の時代となっては荒唐無稽と呆れられるか、嘲られるかのどちらかだろう。いったい何度、世界を滅ぼせば気が済むのかと。
 しかし男の咆哮、そのけたたましさは明らかにこちらの常識とは規格外の次元にあった。それまで快晴であった蒼穹が灰塵の形相を顕し、重々しい混沌の強雨を喚び起こしたのだ。
 ただの偶然にしてはあまりに咆哮のタイミングと一致し過ぎている。否、むしろアルスとしても偶然であってほしかった。天候を思いのままに変化させるという概念はもはやヒトとしての可能性を完全否定し、神の領域にまで到達しているではないか。
「お前の銃、大丈夫か?」
 気遣わしげにイリヤから声をかけられ、大丈夫だと頷いた。おおかたの実包には防水加工が施されているのが常だが、ここまでの大湿気ともなれば数分たりとも持つまい。
 射水機のハンデも相まって、少なくとも3分あたりが関の山か。それまでにあの駄馬を仕留めることができれば良いのだが。
 ウォーターコールが止むまでに要する時間はあと12分。これでは割に合わない。
 噴水の上に飛び上がって跳躍を繰り返すことでEA-llの鉤爪から間一髪のところで直撃を逃れ、男が装填に入るのを見計らい、アルスは鎖で繋がれたレーンの上を飛び跳ねながら体勢を立て直した。
 左手の回転式拳銃の装弾数は最大で6発まで。幾ら数々の激戦を潜り抜けてきた歴将のガンスリンガーといえど、弾数に乏しい回転式拳銃で男のアサルトライフルに拮抗するのはとてもではないが難攻不落に近しい。
 高速装填の利く自動拳銃ならまだしも――しかし、機巧があまりに緻密で複雑なため、より慎重な扱いが問われる。特に当時の九ミリ経口は一歩扱いを過れば即座に暴発する、限りなく危うげな機構であった。
「全く、天候を変えるなんて冗談じゃないね。――死神を前にして、あまり意味は為さないシロモンだけど」
 不敵な憫笑はどうやら彼のステータスらしい。アルスは空薬莢を棄て、照準の先にあるアルカイックスマイルを見届けて乾いた笑いを零す。
 ガチリ、と乾いた音を立てて彼は銃を回した。
「オレも本気、出しちまおうか」
 言うが早く、アルスは愛銃が収まったままの両掌を交差させて、漆黒の妖気をその身に纏わせる。半透明な光を放っていた装甲が黒さをみせ、先ほども目にした碧い光が詠唱文の帯を糸のように紡ぎ、まるで鎧のように彼の周囲を纏った。
 網羅される術式装甲。重ね着するように搭載された刻文のループ。
 まるで近未来のような外装をもちながらも、木鉄の銃と垣間見え隠れする鋼鉄の拘束具が、退廃と興隆の対比を司る死神の滑稽な均衡をもたらしていた。
「イリヤ、キミはちょっと離れてて。下手にオレの『瘴気』へ近寄れば、マトモな精神じゃいられなくなる」
 その瘴気に足を踏み入れた者は、理性を奪われて怪物に成り果てると云う。
 黒い粒子が徐々に碧へと色を変えていき温かな光へと変化していくにもかかわらず、不気味な様相がかえって増したのは、彼の双眸と口元が限りない愉悦に歪んでいたからだろう。
「――我が導くは屍山血河の極まりに有り。其の魂を肉片ごと嘆きの地に還さん」
 冷然と告げて瞼を閉ざすアルスの様相はまさしく、儀式を奉ろうとする魔術師のそれだ。
 彼の纏う瘴気は、術者の能力を最大限に飛躍させる代わり、立ち入った者を“身体の養分を枯渇させ、干からびるまで”発狂させてしまう。
「術式装填。――Anfangen」
 発案者がヒトでない異形の者だけに、如何なる殺戮兵器よりも質の悪い魔法だ。中世ヨーロッパにおける、神秘の概念――しかし豊富な類の兵器が開発された今となっては、衰退の一途をたどる過去の文明に過ぎない。
 現在のところ邪道とされる魔法を実戦で取り入れる積極性も随分と珍奇なものだが、イリヤはそれを見事な手前とみてとった。
 そう、この時点で気付くべきだったのだ。瘴気を放出してテリトリーを網羅させた以上、彼の勝利は必然なのだと。
「汝に謳うは忠誠の証、其に紡ぐは終世の祝詞、我の繋ぐは七連の数珠――術式展開、七星連打!」
 彼の足下を、地中から七つの柱が突き上げる。飛び散る煉瓦の粉はまるで血飛沫にも似ていた。武骨な柱が光を見せたかと思うと、氷柱から滴る水のように先端から碧の粒子が一斉に漏れだした。
 季節外れの蛍のような、そんな幻想的な芸当を見せながらそこに何ひとつ美しさも秀麗さも感じないのは、まさにその蛍たちが火玉となって男を襲い始めたからだ。
「全機散開――Rund um das Ziel」
 かの縄張りに侵入すれば発狂すると前述したものの、術者と同じ、狂暴な魔力を得るのとほぼ同義である。
 しかしアルスの場合、拳銃で撃ち合う遠距離戦を前提としているため、相手の接近を許すことなく且つ魔神のごときパワーをもってして標的を確実に仕留める事が可能だ。
 正確で秀逸な魔法を繰る、死神を名乗る軍人――新たな魔導の可能性を、イリヤは再認する。形式は違えど、イリヤの故郷にも古により伝来する魔導を為して得られる奇跡があった。
 ……今では、遠い昔の話であるが。
「こりゃあ、おったまげたぁな! 小っさな兵士からこーんなおっかないオーラが満ち溢れてらぁ~おらも負ける訳にはぁ、いかねぇさ~ッ!!」
 竜騎士の権威をほしいままに蹂躙するサムは高らかに嘯いた。混沌の蒼穹にEAーllの火玉を打ち上げる弾が青の軌道を描き、谺した。
「吠えろ、ドラグゥゥゥゥゥン!!」
 突如の豪雷に顔を上げるや、アルスとイリヤは天空が裂ける刹那を目の当たりにする。大袈裟ではなく、確かに暗黒の空洞が真円を描いて二人の真上に顔を覗かせていた。
「ビィィアアアァァァァっはっはーッ!! どうだぁい! あまりに強大過ぎて怖じ気ついたかぁい!?」
 術式は斯くもこんな醜鼻たる禍根を生み出せるのか。これは探求心に溢れた魔導を闊歩する者による、創造の結果なのか。それとも研究途上の頓挫による悪夢なのか。ともあれ、相手が三流の成り上がりでない術式の使い手であることは否めない。
 しかしアルスは飄々とした態度を崩さず、むしろその横顔は混迷の戦況を愉しんでいるのかさえ思えた。
「んを? 余裕綽々だねぇ~坊っちゃんよぉ~」
「借り物にしてはあまりに手の込んだ芸当だ。おそらくエイド辺りにでも貸し与えられたシロモンなんだろ?」
「んおおおっ? 随分と察しの良い坊ちゃんじゃねぇかよおおお~~~っ?」
 これぁ、ますます面白くなってきたもんだいい~~~! 男の戯れ言を無視しながら、ドライゼの展開をさらに拡張させていく。
「瘴気を纏ったオレの一撃は重いよ。――左弾、解放!」
 リボルバーを覆っていた呪符の偽装甲が剥がれ落ち、木鉄の銃の銘柄が剥き出しになる。
 ――Schmer platzen.イリヤの目視ではそう綴られていた。
「溶蝕律令、ありとあらゆる天則を熔かせ!」
 我の意が儘に――ドライゼの撃鉄を起こしたまま自身の周囲に追加の魔方陣を張り巡らし、先述に付随する真言を復唱した。
 ひとつひとつの術式の中軸に弾丸を撃ち込むことで、初めて銃弾に魔力の適用措置が搭載され、アルスの魔法としての機能が確立する。
「瓦解、崩壊、灰塵、簒奪、隔絶、消失、轟沈、墜落――失楽の果てに朽ちろ!」
 墜ちて、堕ちて、遥かなる高みから落ちて。
 ドライゼの引き金を絞り、順を追って呪歌を紡ぐ。二発目以降の銃弾では魔法としての追加効果は解消されてしまう。発泡のたびにリロードを繰り返す手間は掛かるが、魔力解放の恩恵を得たドライゼは高速装填が利き、より効率的な早撃ちが可能となる。
 よって一瞬の隙も許すことなく碧眼の死神は、煉瓦の大広場を火の海に変える演舞に踊り狂うことが出来るのだ。
「毀し抉りて潰せ挽き裂け! 相対者に慟哭の呪詛を刻め――裂破溶融!」
 果たして〆の一撃は何処へ向けられたものか――飛び出さんばかりに見開かれた男の眼球を見れば、一目瞭然だった。
「な――なんだぁありゃあッ!? あいつ正気の沙汰かよぉおお!?」
 何とアルスのパラメラム弾は、虚空の洞穴に穿たれていたのだ。さすがにこればかりは男でなくとも想定の埒外にあった。
「Ich bin leer Bote.Solange ich am Leben bin, werden Sie nicht gespeichert werden……」
「手馴れてる……悪天候に、向かい風のハンデも効いたもんじゃない」
 この日、少年は世の理が崩れ去る刹那をはたと見届けることになる。
 あれはまさしく“本物”であると。鉄筋積めの高台から、誰何問わず驚嘆の声を上げた。
 自分が立ち会ってよい場面でないと知りながらも、イリヤはこれから起こりうる騒乱の到来を予期せずにはいられなかった。


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