8 / 19
第1話 ホストクラブ
第1話 ホストクラブ
しおりを挟む
【事件ファイル】
被害者/ 麻田 玲子
死因/農薬系の毒物による中毒死
備考/
他に外傷はなく、席を立ったことも無い。
運ばれた料理や飲み物の中に、毒が入っていた可能性があるとのこと。
「僕達は玲子さんが注文した品をそれぞれ平等に食べてました。でも、僕達はこうしてピンピンしてますよ。」
ライトが顎に手をやりながらそう言うと、玲子のヘルプに入っていたホスト達も頷いた。
「それは、麻田が注文したもの以外は口にしてねぇ…ということか?」
ライトの言葉に、確認するように笠村が聞き返すと、ライトは静かに頷いた。
「失礼ですが、玲子さんが注文した物を教えてくださいませんか?」
稲垣の言葉にライトは伝票を見て確認しながら答えた。
「えーと。まず、ペルフェクションですね。あとは………柿の種。カクテルを2杯。……あとは、フルーツの盛合せ。チョコソース付きです。」
ライトがそこまで言うと、ハッと思い出したかのように、内田が間に入った。
「ライトさん!チョコソースは玲子さんしか付けていません!もしかしたら、チョコに!?」
そう言った途端、その場にいる誰もが、料理を運んだ藍里と、チョコレートソースを慌てて持ってきた内勤を凝視した。
「まっ!待ってください!そんなこと言ったら、チョコを持ってきて指摘してくれたのはタツルさんですよ!?どちらかと言うと、タツルさんの方が怪しいんじゃないんですか?」
「…僕は、チョコを用意しただけなのに……。」
「どうだかなぁ?お前、日頃からやたらライトさん見てたじゃねぇか。No.1に嫉妬して、玲子さんやったんじゃねぇの?」
自信なさげにそう言ったタツルに、内田が睨みながら吐き捨てると、ライトがすかさず間に入った。
「よせ。RYU。もし仮にそうだとして、森野さんは?森野さんもチョコを口にしているぞ?」
その言葉に『ハッ!』と誰もが気がついた。
ライトの言う通り、藍里も確かにあの時チョコを口にしている。だが、実際特に体調に問題はない。
「じゃあ、チョコは違うのか……。」
内田が問題を外した子供のように肩を落とす。
「一応、調べてみよう。その、チョコが入ってたという器は………。」
稲垣が床をキョロキョロと見渡すと、テーブルの下にコロンと…器に朱色の花が底に描かれた物を見つける。周りには残されたチョコレート。
「ん。これだ。」
稲垣がそれを鑑識に回すと、藍里の方をむく。
「彼女が運んだというフルーツの盛合せ。恐らくそこにもないでしょうな。彼女が仮にフルーツに毒を盛ったとしても、玲子さんがどのフルーツを食べるのか分からないだろうし、抑君たちも口にしている。可能性は低いね。」
稲垣はそういうと、背筋を伸ばして、全員に向かって
「皆様。お手数ですが、少し事情聴取を行ないます。すぐに済みますので、少しだけ、我々にお時間を下さい。」
と、答えた。
その様子を、麻田玲奈が興味無さそうな顔をしていたのを、藍里は見逃さなかった………。
被害者/ 麻田 玲子
死因/農薬系の毒物による中毒死
備考/
他に外傷はなく、席を立ったことも無い。
運ばれた料理や飲み物の中に、毒が入っていた可能性があるとのこと。
「僕達は玲子さんが注文した品をそれぞれ平等に食べてました。でも、僕達はこうしてピンピンしてますよ。」
ライトが顎に手をやりながらそう言うと、玲子のヘルプに入っていたホスト達も頷いた。
「それは、麻田が注文したもの以外は口にしてねぇ…ということか?」
ライトの言葉に、確認するように笠村が聞き返すと、ライトは静かに頷いた。
「失礼ですが、玲子さんが注文した物を教えてくださいませんか?」
稲垣の言葉にライトは伝票を見て確認しながら答えた。
「えーと。まず、ペルフェクションですね。あとは………柿の種。カクテルを2杯。……あとは、フルーツの盛合せ。チョコソース付きです。」
ライトがそこまで言うと、ハッと思い出したかのように、内田が間に入った。
「ライトさん!チョコソースは玲子さんしか付けていません!もしかしたら、チョコに!?」
そう言った途端、その場にいる誰もが、料理を運んだ藍里と、チョコレートソースを慌てて持ってきた内勤を凝視した。
「まっ!待ってください!そんなこと言ったら、チョコを持ってきて指摘してくれたのはタツルさんですよ!?どちらかと言うと、タツルさんの方が怪しいんじゃないんですか?」
「…僕は、チョコを用意しただけなのに……。」
「どうだかなぁ?お前、日頃からやたらライトさん見てたじゃねぇか。No.1に嫉妬して、玲子さんやったんじゃねぇの?」
自信なさげにそう言ったタツルに、内田が睨みながら吐き捨てると、ライトがすかさず間に入った。
「よせ。RYU。もし仮にそうだとして、森野さんは?森野さんもチョコを口にしているぞ?」
その言葉に『ハッ!』と誰もが気がついた。
ライトの言う通り、藍里も確かにあの時チョコを口にしている。だが、実際特に体調に問題はない。
「じゃあ、チョコは違うのか……。」
内田が問題を外した子供のように肩を落とす。
「一応、調べてみよう。その、チョコが入ってたという器は………。」
稲垣が床をキョロキョロと見渡すと、テーブルの下にコロンと…器に朱色の花が底に描かれた物を見つける。周りには残されたチョコレート。
「ん。これだ。」
稲垣がそれを鑑識に回すと、藍里の方をむく。
「彼女が運んだというフルーツの盛合せ。恐らくそこにもないでしょうな。彼女が仮にフルーツに毒を盛ったとしても、玲子さんがどのフルーツを食べるのか分からないだろうし、抑君たちも口にしている。可能性は低いね。」
稲垣はそういうと、背筋を伸ばして、全員に向かって
「皆様。お手数ですが、少し事情聴取を行ないます。すぐに済みますので、少しだけ、我々にお時間を下さい。」
と、答えた。
その様子を、麻田玲奈が興味無さそうな顔をしていたのを、藍里は見逃さなかった………。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる