上 下
52 / 54
第六章「転生者とは」

あなたは強くない

しおりを挟む
「そう余裕があるのも今だけだよ。」
その男は鋭い刃をアルカに向けて向け、走り出す。
「バランスがなってないわね。」
その刃を見きったアルカはその隙を見て斬り掛かる
「君の行動は全てお見通しさ!」
わざと隙を作ったのかと言わんばかりにその攻撃に反撃を食らわせる。
「セイバー。」
「な!?」
その瞬間にその空間の時間がとても遅くなる。
素早く動くことができるのはアルカのみだった。
「動け!お前ら!」
そう言うと周りにいた集団のメンバーは一気に襲いかかるも、ある一定の範囲に入ることがあれば彼らの感知時間もとても遅くなり、まるでスローで動いているよう。頭の回転は本来の速さで動いている。つまり、セイバーは胴体的な速さだけを何百分の一にしている。
「まずはこっちからね。」
「な!?!?」
大勢の中の全員が次々と斬られていく。
しかもこの技は喋ることに関しては普通に喋ることができる。
「お前らはいつもそうだ!私たちはただ平和に過ごしたかっただけなのに!なのに!」











数年前。ある事件が起きた。
ある村のほとんどが死亡してしまう事件。
その犯人は地球から転生されたチート能力を持つ人間だった。
既にその人物は魔王軍幹部により始末されているが、その中の生き残った少年たちがそれ以降地球からの転生者と確定した人間を無条件で始末し続けている。
彼らの組織は故に拡大していき、全滅をも目論んだ。しかしある人物達によってその計画は大きく絶望の道へと進んだ。
ケイナ。シド。サカイ。この3名を始末する計画に行動した人物全員が死亡。
更に、オハラレイトという人物がこの頃暴れていると知らせを聞いていた。
そこで彼のパーティの中ではランクの低い転生者。アルカと接触した。



「お前ら転生者は私たちの世界を壊す!神の気まぐれで私たちの生活がどれだけ不安定になったか!いいか!お前らのような奴を我々は許さない。」
「だからといって全員を狙うのはちょっと無能すぎない?あなたの考えを否定しない。けど、私はそれを肯定もしない。レイトは魔王軍幹部と戦い続けている。ケイナやシドもそうよ。」
「うるさい!アウトロ!!」
そう唱えると指を手をピストルの形にし、アルカに向け撃つ。しかしセイバーの効果を逃れることは出来なかった。
「あなたはもっとやるべきことがあった。」
そう男に囁くと、アルカは一瞬で相手の胴体を斬り裂いた。
「はは。君の技も性格悪いね。やっぱり転生者は嫌いだ。」
そう男は言葉を残すと、ズルズルズルズルと音を出しながら倒れた。
「これはレイトに言わないとね。」
アルカは少し強くなった風に歯向かいながらそう呟いた。
しおりを挟む

処理中です...