どうせパッとしないなら異世界転生なんて必要ない!

桜田紅葉

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第五章「上の上」

失ったもの

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「あなた。絶対に殺す!」
「お前にも人情があったとは驚きだ。なぁ?」
そうレイトは横に話しかけた。
「全くだ。」
そう言いながらフレアナの真横に飛んできたのはガルドだった。
ガルドは小さい魔力弾をフレアなの真横で生成し、そのままフレアナに向けて放った。
それはフレアナの寸前で空気を感じ爆発した。
「ガルドォォォォォォ!!!」
今のフレアナはラルを失った悲しみと怒りに満ちていた。
ガルドに攻撃を仕掛けたフレアナの間にアルカが入り込む。
「なによこの女!」
一旦フレアナに弾かれたものの、アルカの奇襲もあり、かなりの隙ができていた。
しかしその隙をすぐさまフレアナは埋めてくる。
するとフレアナは全体を爆発させた。
「くそっ!」
全員がまだその部屋の中にいる状態で、ガルドのみが、フレアナと対峙している状態であった。
フレアナはラルを抱き寄せ。ラルを一旦ベッドに寝かせてから戻る。
「ガルド。お前がやってることは立派な悪事よ。」
「なんだいきなり?」
「あなたは何もわかってない。私たちの苦しみを。私たちの悲しみを。」
「自分が親父にいいようにされてるからそう思うだけさ。村人や冒険者殺して何言ってる。」
「あなたには分からない。私は私の正義を貫くのよ。せっかくこの城も作ったのに。もう終わりね。」
城の破片がポロポロと崩れるが音でわかるくらいその城は崩れ始めていた。
「あなたはここでら終わるのよ。さっき逃げた奴らも後で私が始末するわ。」
フレアナは未だに怒りに満ちている。
「逆に聞く。何故そこまでそいつに執着した?今まで他のやつを駒同然と使ってたじゃないか。」
「私はこの子に救われた。この子は私の全てだった。まだまだこの子に教えたいことが沢山あった。なのに。なのに、、、、、、、、なのに、!!!!!お前らのせいだ!!!!!!」
ゴゴゴと再び城が地震を起こし始めた。
「次に会うのはいつかしらね。」
フレアナはその身を潜めようとしていた。しかしそれを感じていた全員が再び戻ってきた。しかしその城はもう爆発寸前だった。
「これで終わりよ。」
「逃げろ!!!!」
ガルドが叫んだ瞬間、その城周辺は炎と爆発に包まれた。
ギリギリのところで逃げ、その場にいたのはシド、ガルド、ケイナ、フレデリカだけだった。
「2人は?」
ガルドが聞く。
「分からない。」
ケイナは深刻そうな顔で言う。
一方そのレイトとアルカ達は。



「おい。生きてるか?」
レイトはアルカにそう聞く。
「えぇ。」
アルカはレイトに返事をする。
「でもやべぇよ。俺さ、結構やばいかも。」
「え?」
レイトの両足は膝から喪失していた。
「でもあれさ、俺のだよな?」
そうレイトが見つめる先には、たしかにレイトの両足が転がっていた。
「早く、ガルドを!」
アルカはガルドを呼ぼうとしたが。
「無理だよ。お前も足の感覚ないだろ。」
アルカの両足は損失はしてないものの。まともに機能するものではなかった。
「俺らはここでゲームオーバーだよ。ちょっと余裕こきすぎたな。」
そうレイトは周りが炎に囲まれた城の残骸の中で言った。
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