どうせパッとしないなら異世界転生なんて必要ない！

第四章「消えていく戦友たち」

全滅

「ガルドさん。僕は何も変われなかった。」
バルはガルドにしがみつき、泣きじゃくりながらガルドにらそう訴えかけた。
「バル。お前ランクは何になったんだ？」
「A-です。他のメンバーはS。3人いました。」
「そうか。それでこれか。」
「僕が全然回復を供給出来てなかったんです。回復量よりも消費量の方が圧倒的に多くて。」
「まぁそうだな。俺でも多分変わらないさ。」
バルはレイトを見て問いかけた。
「あれ？そちらは？あ、ガルドさんのメンバーですか。」
ガルドは返す。
「あぁ。そっちがアルカ、フレデリカ、でリーダーのレイトだ。」
「レイト？もしかして、オハラレイトのことですか？」
「久々にフルネームで言われた気がする。」
「あんまがそう登録したからでしょ？」
アルカがレイトにツッコミを入れる。
「まぁそうだけどな。最初アルカに言った時の反応はまさに初めて聞いた言語です。みたいな反応で戸惑ったな。」
「私はまだあっちの記憶がないのよ。」
アルカはそう誤魔化すと、バルが再び喋り出す。
「噂になってましたよ。Bランクながらもアルバトロス、ゲインレと対等に戦ったとか。」
「いやいや、アルバトロスは結構ガルドがワンパンしちゃったし、ゲインレも少し攻撃に参加しただけで、最終的にまともに戦って倒したのはケイナだから。」
「ケイナ？あの最高ランクを手にしたケイナですか。」
レイトは改まって話を進めた。
「あの、それでなんですけど、バルさんとガルドさんはどんなご関係で？いやでも、まずクエストを終わらせましょうか。」
「早くしなさいよ。フレデリカが今にも吐きそうなくらい気分が悪くなってるわ。」
淡々と会話をしているが、彼らがいるところは多くの亡骸が転がっているような場所である。
そしてクエストを終わらせ、報告をした。
「、、、以上のパーティメンバーは全滅。こっちのパーティメンバーも全滅。こちらのパーティメンバーはバル1名のみ生存していまし。他は、、、、」
そして全ての報告を終えると、レイトは少ししんみりした顔をしていた。
するとガルドがやってきた。
「言っただろ？俺は勧めないって。」
「分かってるよ。でも現実を見ないといけない。俺たちはまだスタート地点にも立ててないのかもな。ガルドは別か。」
「そんなことなさ。俺もレイト達と同じだ。いつも最強ぶってるけど、実を言うとそんな大して変わりなんてないさ。まだまだこれからだ。」
「そうか。」
2人は会話を終えると、フレデリカ、アルカ、バルが座っている席へと戻った。
「で、2人はどんなご関係で？」
バルは早々と話し出した。
「僕にとってガルドさんは師匠です。回復魔法の全てを教えてもらいました。少し前のパーティで同じだった時、僕とガルドさんは出会いました。」





時は戻り、ガルドがレイトのパーティに加入する前の話になる。