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第三章「転生者」

ライトニングオピニオン

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「ライトニングオピニオン!」
そう言うとケイナの全体を光が覆い始めた。そうするとケイナの剣は神々しく光始め、ケイナ全体が光に覆われていた。
「ところであなた。自分の体もメモリーゲートで変形できるの?」
ケイナは軽い口調でゲインレに問いかけた。
「グルルル。」
ゲインレはアルバトロスの姿のため、応答はしなかった。
「さっきまであんなに達者に喋ってたのに、酷い格好になって喋れなくなるなんて、なんか醜いわね。」
そう呟きながら片方の剣を魔力で一旦消すと、もう一本の剣を生成し、構えた。
「来なさいよ。」
さっきまでは見せなかった余裕の表情を見せたケイナ。そうするとゲインレは本来のアルバトロスより遥かに早い速度でケイナに襲いかかる。
「なんだあれ。」
レイトはその光景を見つめることしかできなかった。それはフレデリカ。アルカも同じだった。
唯一他の行動をしていたのがガルドだった。アルカの腕の回復、レイトの魔力回復に覆われていた。
するとレイトの言葉にガルドは声をかけた。
「まぁ仕方ないさ。ゲインレの推奨ランクはSだ。まだ俺らには早かったのかもな。」
パーティ最高ランクのガルドでさえ推奨ランクよりも低い状態であったため、ゲインレに及ばないことは薄々感じていた。
「遅いわね。」
ケイナはそう呟くと、光の速さでゲインレを一刀両断にした。
と思えばゲインレはアルバトロスの姿を取り戻し、再びケイナに襲いかかる。
それも軽々かわすと、ケイナはゲインレの体の中心を刺した。それを刺したまま横へ斬り掛かる。
「ガガガガ!!」
ゲインレはそう叫ぶと、黒い煙を吹き出し始める。その煙はケイナの前では無効だったが、レイト達からすれば黒く覆われた先を見ることはできなかった。
「よく言うよ。面白い。」
ゲインレは最初の姿に戻りそう言った。
「お前をゲートの中に入れたら俺は最強になれる。」
そういいながらゲインレは黒い刀をメモリーゲートから生成するとケイナに再び襲いかかる。
「何度やっても結果は同じよ。」
ケイナはそう言いながらゆっくり歩くと剣を一振軽くした。
するとゲインレの胴体がざっくりと切れていた。
「は?」
ゲインレはそう一言残すと、目の前には自分の下半身があることに驚きを見せていた。
ドサッと倒れたが、すぐに再生を試みるものの、負傷部分の再生が出来ず、出血は止まらない。
「再生できない!?おい!!ぁぁぁぁぁぁあああがぁかあ。」
「愚か者。」
ケイナのライトニングオピニオンは魔族魔法特有の再生を無効化することが出来る。アルバトロスの時にはなぜ再生したかと言うと、ライトニングオピニオンは相当な魔力を使用するため、わざと一撃で仕留めれる機会を伺っていたようだ。
「レイト。頭はあなたにあげるわ。」
ケイナはライトニングオピニオンから戻ると、ゲインレには見向きをもせず。オーバーキルのようなトドメをレイトに任せた。
「惨めなもんだな。」
バン!と音が鳴り青い弾丸が貫通しきった頃にはゲインレの息は既に絶えていた。
「ばいばい、2人とも。」
ケイナはナホとカズヤが最期を迎えたであろう場所にそう別れを告げた。
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