どうせパッとしないなら異世界転生なんて必要ない！

第三章「転生者」

順番

「順番？」
レイトとアルカはケイナに向かってそう聞いた。するとケイナは不思議そうに答えた。
「あれ？これみんな聞いてると思ってたんだけどな。」
レイトが聞く。
「あの。もしかしてケイナさんを転生させた人ってどんな感じの人だったんですか？」
「え？あぁ。うぅん。金髪のサラサラヘアーの女の人？」
「え？」
アルカが言う。
「私は髭が長い長老みたいな人でしたよ。」
「俺は適当そうなやつだった。」
「みんな違うの？」
ケイナは少し驚いた表情でそう一人つぶやいた。
「なんか能力って貰ったんですか？」
レイトはケイナに恐る恐る聞いた。
「え？あぁ。なんかよく分からないの貰ったわね。なんかもう忘れちゃったわ。」
「ケイナさんがここの世界に来たのっていつなんですか？」
「え？もう4年くらい前になるのかしら。」
「えぇ。」
「転生される寸前ってなんか覚えてます？」
「うーん。バスに乗ってた。かな？」
「バス？」
「もしかして。」
「同じ。」
レイト。アルカ。ケイナが地球という名のこの世を去った原因が同じだったことが発覚した瞬間であった。
レイト達が異世界に転生される理由となった交通事故。それはバスに乗っている中での事故であった。
202×年。バスとトラックが衝突する大規模事故が発生。この事故でトラックとバスの運転者以外のバス乗客員8名の全員の死亡が確認された。
つまり、アルカ、レイト、ケイナの他にもあと5人存在するということだ。
「あれ？でもこの話ってここじゃぁ。」
レイトはほかの2人、フレデリカとガルドの前でしていい話なのか危惧して聞くと、ケイナはすぐに言う。
「別にいいんじゃない？それが知られて何か起こるわけじゃないんだし。」
「そうか。」
ガルドが言う。
「なんか色々と一気に知ってこっちも困惑だよ。」
「転生なんてほんとにあるのね。」
ケイナが言う。
「でも、あまりんなことばっかりを広めてはいけない気がするわ。この話はここだけの話ね。」
「わかったわ。」
「あぁ。」
ガルドとフレデリカはそう答えた。









5人がギルドへ戻ると、依頼者のギルドの偉そうな人が5人の元へと駆けつけた。
「ありがとうございます。これで魔王軍壊滅の一歩前進ですね。」
「そ、そうですね。」
レイトは戸惑いながらもそう反応した。
5人はギルドの広場に戻ると、ケイナに色々質問をしていた。
「なんでケイナさんは1人で行動してるんですか？ってかガルドとはどこで？」
「1人で行動してるのは私の個人的な勝手よ。今のところそれで困ってもないし、ガルドとは定期クエストで。なんかものすごい人がいるなって思ったわ。」
「ガルドってそんな強いのかしら。」
フレデリカはそう突っ込む。
「おいおいおい。お前よりは強いぞ。」
それはそうだろ。レイトは少し思ってしまった。
「それで、私に他に用は？」
ケイナはそう食べ物を食べながら聞くと、レイトは言う。
「他の奴らは？」
ケイナはやっぱりなという顔をして答えた。
「2人もういないわ。」
レイトは耳を疑った。