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第二章「待ち構える悲劇」

レイトの魔力

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そこにはこう書いてあった。
「緊急。ダスポの討伐もしくは戦闘不能。依頼者ギルド協会」
「遂に来ちまったか。魔王軍へ侵略ってか。」
「やつは自由な性格故に恐ろしいほどの短気だ。きっと魔王の指示を無視してこっちにやってきたんだろう。こうなるのもおかしくない。」
ガルドはレイトにそう言った。
「にしても早いわね。ギルド協会も短気なのかしら。」
アルカはそう言うと、ギルドのお姉さんが言った。
「いえ、もともとダスポに関しては我々はマークしていた存在なんです。公の場に公表されてはいませんが、隠れて数々の恐ろしい行為をしています。何度か他の方に依頼はしていたのですが、拒否されてしまいまして、レイトさんパーティへと渡ったんです。」
「まぁ、あんな衝突の仕方すればお互いの因縁はできたよな。」
レイトはそう言うと、フレデリカがレイトに向かって聞いた。
「それって私たちの単独クエストなの?それともアルバトロスの時みたいに何パーティか承諾してるの?」
レイトは答える。
「紙には何も書いてないけどな。そこはどうなんですか?」
「はい。レイトさん達の単独クエストになっております。何にせよ。誰も承諾してくれませんでしたので。」
「そういえばそうでしたね。」
「では明日お願いします。」
「わかりました。」
そしてその日の夜、レイトはパーティメンバーと話していた。
「もう少し魔力量を増やせればもっと弾丸が強くなると思うんだよね。」
「なるほど。その相談が。」
「うん。」
ガルドのは鋭い。
「まぁ、BになったとはいえまだBだ。もっと量を増やさないとただ1発だけになる。」
「完全にやりきる魔力か。」
「あぁ。」
その日ガルドはレイトにあるものを見せた。
「というかレイト。もしかしてポイントをふってないな?」
「は?ん?」
「やっぱりか。ランクがあがったりなんやかんやするとポイントが貰えるんだよ。それをふってないな。冒険者カード見せてみろ。」
「あ、あぁ。」
レイトはガルドの言われるがまま冒険者カードを出しガルドに見せた。
「あぁぁ。ランク2つ分。経験値も結構あるのに何も割り振ってないな。でも逆に言えばよくゼロ振りであそこまで成長してたな。」
「まぁ、結構な苦労したからな。」
そしてその夜はレイトの魔力やその他を割り振る会議が行われていた。


翌日。ダスポ討伐のためよ出発がまもなくというところであった。
「レイト。」
「お、エデル。」
エデルがレイトの元へとやってきた。
「気をつけろよ。」
「あぁ。」
レイト達の背中を見て、エデルは腕を組むことしか出来なかった。
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