どうせパッとしないなら異世界転生なんて必要ない！

第一章「普通すぎる転生」

ギャップヒーラー

「ランクAの人がどうしてだろう。」
レイトは何故自分のチームにランクAの優秀なヒーラーが入って来るのかがイマイチ理解していなかった。もしかして特に理由なんてないのかしれない。
ガルドという男。謎に包まれている。
「どうしたのよ。そんな不思議そうな顔して。」
フレデリカが全く自分に興味を示さなくなったレイトに不満を抱いていた。
「あぁその。この通知が来て。」
「なによ。」
レイトはフレデリカにガルドの通知を見せた。
「え？ランクA？！」
ちなみにランクはという説明は以前したが、ランクAとSになるにはある特定のクエストやポイントを集めないといけないというギルドの中では一目置かれる存在なのである。
アルカはその話を聞き、もっと自分は頑張らないとお荷物になってしまう。という危機感だけが彼女に迫っていた。


そしてギルド。
「初めまして。オハラレイトです。よろしくお願いします。」
「えぇぇと。ガルド。ヒーラーです。よろしく。」
綺麗な金髪のセンター分けに襟足が程よく伸びている青年。ガルド。本当にヒーラーなんですか？と言うくらいピリついていた。多分。外見だけ。
「あの、どうして僕たちのパーティに参加してくれたんですか？」
「うぅん。前君を見た時になんか面白そうだなと思ったから、かな？」
本当に大した理由ではなかった。
「あ、そうなんですね。じゃぁ早速登録してきます。」
「どうぞ。」
しかしそこにフレデリカが突っ込む。
「本当にそれだけ？なんか目的があって入ったんじゃないわよね？」
「おい。ちょっと。」
「いや、そんなことはないよ。ただ。」
「ただ？」
「君たち二人が入ったって聞いて、もっと面白くなるんじゃないかって思ってね。」
「えぇぇ。」
アルカとフレデリカが困惑している中、レイトはカウンターで登録している時、エデルがレイトに寄ってきた。
「おぉレイト。ついにフルパーティになったか！？どれどれ。」
「どうですか？」
「ガルド。奴には少し注意しておいた方がいいぞ。」
「そうなんですか。」
「あくまで噂なんだが、奴の撃つ特殊魔法はその場にいるメンバーの魔力を吸い取って使う技があるらしくてな、それで全員やられちまうこともあるとかないとか。」
「な、なるほど。」
ガルドを本当に信用していいのかと思っているレイトの元に、クエストが飛び込んできた。
「レイト様。あなたにクエストのご依頼です。」
「え？」
紙に渡されたクエストの内容は次の通りだった。
依頼。魔界付近出現ドラゴンの討伐。
「魔界付近？」
「こいつはまずい以来だな。」
エデルは眉間にシワを寄せた。