どうせパッとしないなら異世界転生なんて必要ない!

桜田紅葉

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第一章「普通すぎる転生」

結成

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「そんなことはしない。」
レイトは今までにない真面目な顔でアルカを見ながら言った。その一言と真面目すぎるその眼差しにアルカは胸の奥からキュンとしてしまった。
「あ、そうなの?、、ありがと。じゃ、じゃあ!」
「え?」
アルカはギルドから全力ダッシュで走り去り、それから数日間彼女に出くわすことはなかった。
それから少し経ち、一人でクエストをこなしてきたレイトはCランクに上がっていた。
「おぉレイト!Cランクに上がったじゃないか!よかったなぁ。」
ギルドで出会ったおっさんとそんな話をしながらクエストの書類を見ていると、
「久しぶりね。」
「あ。あぁ。」
最初出会った時とは違い随分自信が無くなっような感じがしていた。どこか落ち込んでいるような気がする。
「どうしたんだ?最近見なかったけど。」
「いや、その、私とパーティ組んでくれない?」
「パーティ?」
「お、レイトついにパーティ結成か?いいじゃないか!女の子からのお誘いだそ?」
「あぁ。ちょっと待っててください。」
「お、おお。」
レイトの知り合いのおっさん。エデルは少し余計な事を言ってしまったと少し反省しながら、若き日の自分を思い出していた。
「なぁアルカ。どうしたんだいきなり?」
「そのね。私ばっかり弱かったら自分自身のプライドが崩壊してしまいそうだから、私この間までランク上げとかスキル上げ頑張ったの。ほら。」
少し自信があったのか。そうそうとレイトに自分のカードを見せたアルカ。
「おう。」
アルカのランクはE。まだ駆け出しの中の駆け出し感が垢抜けないランクだったが、見た目が随分ボロボロだったところから、随分頑張ってあげたよではないかとレイトは思った。
「わかった。パーティ組もう。」
「ありがとう!」
最初出会ったクール感は少し崩れ、元気さとちょっとバカっぽい感じが出てきた。なんか人って変わるんだなとレイトは謎の関心を得ていた。
「でも、四人まで編成できるんだろ?あと二人入れることもできるぞ。」
「それなら大丈夫。」
「ん?」






「ここだ。」
「こんなところがあったのね。」
パーティ掲示板。パーティメンバーを募集する掲示板だ。よくある。
「俺はアーチャー(?)アルカは剣士だから、ヒーラーとか魔法使いが欲しいよな。」
「まぁバランスが取れてるわね。」
そう言いながら募集概要をヒーラーと魔法使い等と書いて掲示板に張り出した。
そして数日が経ち、ギルドから連絡がきた。
内容はこうだ。
「レイト様。あなたのパーティ募集に希望している冒険者様がいらっしゃいます。」
その手紙には続いてその人の情報が書いてあった。
「名前 フレデリカ。ランクD。役職魔法使い。」
「魔法使いか。」
なんだかレイトはワクワクしていた。
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