幼馴染 【R18】

思い出・続

その子と螭は何か楽しそうに話している。私は螭とその子が仲良いの知らなくて、螭のことならなんでも知ってるって思ってた。

それは自惚れだってわかった瞬間だった。
そんな自惚れていた自分が恥ずかしくて、でもその光景に目を反らせない自分もいて。

思わず全部見ていた。会話は残念ながら途切れ途切れだったけど。

「・・・好きなんだけど・・・・・・」

その言葉だけははっきり聞こえた。その子のことが好きだって気づかなかったし、螭もアピールしてるように見えなかったから。

こうやって思い出してみると私はことごとく螭のことを知らないらしい。同じクラスになったことがないからクラスでの螭はもちろん、誰が友達なのかもわからないんだから。

よくこれで螭のこと好きって言えたなって思っちゃうけど螭も私のことが好きなんだって考えると少しだけ自己嫌悪がなくなる。


そういえば螭が誰とも付き合ったことがないのは知ってる。さすがに学校の王子が付き合ったってなったらみんな騒ぐだろうから。

ていうことはさっき思い出したあの子とも付き合わなかったのかな。・・・フラれたってこと？でも、悲しんだ様子もなかった。


あぁーもう！ごちゃごちゃしてきた！もう考えるのやめようかな。さっきからフワフワしててあんまり思考がまとまらない。



そうして一度考えることをやめると私の意識はフワフワと浮上していった。