幼馴染 【R18】

お仕置き

「よかった。やっと両思いになれた。すごく嬉しい」
「私も・・・嬉しい。螭が私のこと好きなんて夢みたい」

ほんとうに夢みたい。朝は好きな人がいるって知って苦しかったのに。今はもう天国かってくらいフワフワしてテンションが高くなっているのがわかる。

「でもね、緋色。俺、怒ってるんだ。何に対してだかわかる？」
「わ、からない。私、螭のことならなんでもわかってるつもりだったけど全然違ったもの」

全くもってわかってなかった。好きな子がいるというのも言われなきゃわからなかったし、今怒ってるっていうのもわからなかった。

言われてみると、ぐらいだ。ていうかもともと螭は表情がわかりにくいんだ。わかれって言う方が難しい。

「そっか。わかんないか。じゃあ教えてあげるね。緋色が俺のこと信じてくれてないことに起こってるの」
「信じてるよ？世界で一番信じてる」
「うん、それは知ってる。違くて俺がもし緋色のことを恋愛対象として見てなくて振られたらって考えて告白して来なかったんでしょ？」

私は顔を赤くして俯いてしまう。でも、疑問に思ったことを聞くことができた。

「なんでわかったの？」
「そりゃね。ずっと緋色のこと見てたから。俺のこと好きなのか確信持てなかったから勘違いしないようにしてたけど。緋色すぐに態度に出るし、結構わかりやすいよ」
「嘘！」
「嘘じゃない。だからわかったんだ。怖がってるんだって。つまり振ったら俺が離れて行くって思ってたってことでしょ？」

確かにその通りだ。告白ならいつでもできたのにしなかったのは螭が離れて行く気がして怖かったから。
指摘されて気づくなんて私は自分の気持ちにも疎かったみたいだ。気持ちに整理がついた私はおとなしく頷く。

「でしょ？俺がそんくらいで離れるって思ったんでしょ？信じてくれてないじゃん。俺、昔約束したよね。何があっても離れないって」

・・・確かにしたけど、でも幼稚園の時だし好きな子ができたらそっち優先になるだろうし。大人になっても継続する約束なんてほとんどないから、忘れたふりをしてたんだ。

「信じてなかったわけじゃないの。螭はかっこいいから私なんかどうでもいいんだろうなって思ってたの」

「でも、違った。約束覚えててくれたし、いままで誰よりも私のそばにいてくれた。だから、これからはちゃんとなんでも言うね」




そう言ったはずなのになんで私はいま

「みずちぃ、も、やめっ！～～～！」
「またイったの？緋色、淫乱の才能あるかもね」

こうなっているんだろう。