【完結】堅物司書と溺愛魔術師様

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accomplish said Noah

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 ――こんなことってあるか!?

 遺跡調査事件からロゼッタが目を覚ましたのが一週間後。
 国に帰還してからも、ロゼッタが目を覚ますまでにリンドバーグ公爵夫人やセスと共に諸々の手配を済ませ、異例の速さで手続きを済ませた。
 だから、もう誰にも邪魔はさせないと息巻いていた。
 なのに忘れてた………その後の事後処理を。

 義父たちに門前払いにされながらも頭を下げ続け、死に物狂いで事後処理にも駆け回った。
 セスからロゼッタが無事に自宅に戻ったことを聞いてはいたが、リンドバーグ邸に忍び込んでお預けを食らってからは会えていなかった。

 なんとか目途が立ちロゼッタにも鳥を飛ばし都合を聞きアポも取れた。

 絶対今日こそは、ロゼッタとひとつになる!我ながら餓鬼かと自分にツッコミを入れつつ、足早に彼女の家に向かった。

「おかえり、疲れてるでしょ?ゆっくりしてって」とロゼッタ特製のハーブティーを淹れてくれる。

 ――”おかえり“って聞き間違いじゃないよな?あれ?俺、幻聴も聞こえ始めた?

 ソファに深く腰掛け、両手を顔に当てがいながら仰け反っていると笑い声が聞こえた。
 鈴が転がるように笑うロゼッタは、そのまま隣に座り呆けてる俺の腕を引っ張り膝枕をしてくれた。

 ――なんだこれ?ここは天国か?

 そう思っているとロゼッタと目が合う。
 彼女の瞳は今日も神秘的で、吸い込まれるように目尻に手を伸ばした。
 彼女は当たり前のように、その手に擦り寄り、優しくキスをしてくれた。

 ――あぁ我慢できるか、これ?

 じーと見つめあっていると、彼女の耳が赤いことに気づいた。
 あぁ、欲しいのは俺だけじゃないのかと思えた。
 体を起こし、そのままロゼッタを抱え上げ耳元で囁く。最終確認だ。

「もう、我慢できない。ロゼ、俺とひとつになってくれるか?」

「うん…」と顔は上げてくれないが、彼女の耳の熱さで、どんな表情をしているかはわかる。
 でも見たい。
 今、どんな瞳で見つめてくれるんだろう。
 彼女の耳を触り、頬に手を寄せ、顔を覗く。
 俺の大好きな、その瞳は少し潤んでいる。

 ――あぁ、もっと泣かせてぇな。

 最初は触れるだけのキスを、こめかみに、目に鼻に口に。
 それだけで蕩けた表情の愛しい女を今度は本能のままに貪り尽くす。

「っん…ぁ……っはぁ」

 キスの合間に聞こえる、官能的な声に、俺の雄ははち切れんばかりに早くしろと強調し先を濡らしている。
 思春期の頃のような反応の自分の体に、呆れながら奥歯を噛み締める。

「寝台に連れてくぞ」

 ロゼッタを抱き上げ寝室に向かう。
 お互い胸がくっつきあってるから鼓動が伝わる。
 俺のなのか、彼女の鼓動なのかわからない。
 わからなくても、彼女も同じ気持ちなんだと感じられただけで多幸感が迫ってくる。
 優しく寝台におろし、キスの続きをする。
 口から首へ鎖骨へ、ロゼッタの白い双丘へ口付けをする。
 もう何度も手前まで慣らしてあるから、ロゼッタのクロッチ部分は触らなくても濡れているのがわかる。

「…っ、ロゼ………すっげぇ濡れてる…」
「っぃや、変態っ!そういうのはわかっても言わないでよっ!!」

 キッと睨んでる瞳は、俺にとってはただのご褒美だと彼女はわかっていないようだ。
 自然と口角が上がる。
 彼女に触れられるのは俺だけだ。
 彼女を濡らすことができるのも俺だけだ。
 執着、独占、服従、そんな言葉が頭の中を駆け巡る。
 その言葉を表すように隅々まで愛撫し彼女の体は卑猥な音を立てながら熟れていく。
 恍惚とした表情で彼女を見下ろし、湧き上がる思いはただ愛しさだけ。

「…なぁ。ロゼ。お前にお預けされたの忘れてないよな?もう待たない、覚悟しろって言ったの覚えてる?」

 何度も肌を重ねても、顔を林檎のように赤くし初々しい愛しい女が蕩けた表情と甘い声で返事をしてくれた。
 彼女に優しくキスをし、はち切れんばかりの雄を蜜口にあてがいながら囁く。

「…痛かったら噛んでもいいから。でも、悪いなぁ…止めてやれそうにない…っ少しっ…我慢してくれ」

 亀頭を少しずつ動かしながら、奥へ奥へと腰を揺らす。

 ――あぁっ、やべぇ…もってかれそう

 最奥へと雄を誘うよう、中がうねり蜜口からは次から次へと蜜が溢れ出るのが分かる。

「…っ、ぁ!!…っん」
「っ、はぁ…大丈夫か、すまん、ロゼっ」
 
 大好きな瞳が涙を溜めながら優しく笑う。

「…ノア。私…幸せ」

 その時、理解した。
 囚われているのは自分なのだと。

 ――あぁ、もう無理だな

「ロゼ、愛してる…愛してる、心から…」

 その言葉の後は、ただ愛しい女の最奥へと己の雄を穿つ。
 部屋に響くのは言葉にできない喘ぎと、愛しい女の名前だけ。

「っはぁ、ノァ、ノアっ!!ぁっ…」
「はっ、ロゼっ!…っやっと……やっと、はっ、ロゼ」

 ロゼッタの体が震え、最高潮が近いことを告げ己の腰の揺れを加速させ導く。

「っロゼ…ロゼッタっ!っぅ、出すぞっ」
「っぁ、ノア、ノアっ…はっ、ぃくっ、っっいっ」

 全てを飲み込むように、絞りとるようにロゼッタの中が蠢き締め付ける。
 余裕がないことを隠すように意趣返しで、魔力を少し乗せた。
 ロゼッタの体が、また震え逝ったのがわかる。
 ただ自分も魔力を乗せたことで、不覚にも逝ってしまった。

 ――反則だ!っこれは、ヤバすぎる!!

 息を整えロゼッタを覗き込むと、蕩けた笑顔があった。

「最高だ、ロゼ…愛してる」
「うふふ」

 花咲き誇る、俺の愛し子。

「余裕そうだな」
「えっ!そんなわけないじゃん!!」
「…はぁ。覚悟しろよ、全然足りねぇんだ。俺が満足するまで付き合えよ」
「っえ!!っちょっノア!!私、今日が初めてっ!っあっ!」
「っうっせ。痛みもとってやるし気持ちくしてやるから、泣きやがれ」
「っはぁ、っあっ!ノァ!!」

 その日は、空が白くなるまで貪り続けた。
 この長年の拗れた思いを乗せて。
 そして、愛しい女の温もりと香りに包まれて、夢の中へ誘われた。
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