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今世 第二章 まずは何する?働こう。
違法、DQN、裏取引
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町の検問の近くまでいくと、かなりの行列が出来ていた。なにやら皆イライラしているらしい。
「なんだろ?ちょっと様子みてくる。」
アーガサがそう言うとスタコラさっさと門まで向かっていった。そして、数分が過ぎた頃、呆れ顔で戻ってきた。
「あのね~魔物親子がギャンギャン騒いでたわ。どうやら町に入れちゃダメなものを没収されて怒ってるみたい。」
「入れちゃダメなもの?」
アーガサの台詞にクリスタは首をかしげながら尋ねる。答えたのはクベルだった。
「違法植物や希少絶滅危険生物とかだな。いわゆる中毒症状のある植物や人の乱獲などで数が激減した生き物の事だ。」
クリスタはそれを聞いて少し前世を思い出した。過去に自分のせいで絶滅の危険性が出た動物もいるのではと思った。暗い顔をしていると、
「クリスタちゃん?どうしたんだい?」
「! い、いや、何でもないよ。ちょっと過去をね……。」
フロイズに肩を組まれたあげく聞かれたのでビックリした。少し冷静になり、ため息混じりに立ち上がる。
「じゃ、ちょっと退けてくる。」
と言い、他が止めるのも聞かずにクリスタは検問に向かった。
検問の辺りに着くと、つんざく叫び声が聞こえた。
「触らないでくださる!このケダモノ!」
「ちょっといいかげんにしてください。そんなに叫ばれても返すことはできません。この町に入るのなら規則は守っていただかないと。」
凄くうるさい。少し来たことを後悔したが、このまま動かないんじゃ一生町にはいれない。なので、
「ちょっと、そこの奥方。少しいいですか?」
となるべく怒らせないように声をかける。その魔物親子はこちらをみると、「なにかしら?」と聞いてきた。
「今なにが起こっているのです?奥方が怒っている理由が聞きたいのですが……。」
「このケダモノがうちのペットをひったくって返さないんですの。」
質問に一瞬で答えてきた。なるほど、動物か。そこに兵士が割り込む。
「ですから、この動物を町で連れ歩くのは禁止されています。そもそもペットにすることも」
「うちの子だけ何でそんな待遇ですの!?ふざけないでくださいまし!うちの子は馬なんかよりも清潔ですわ!」
「いえ、清潔とかの話ではなくて」
らちが明かないので再度割り込む。
「はいはい、ストップ。奥方、ボクに任せていただけませんか?」
そう言うと、魔物ママに耳打ちする。
「自分に預けていただければ町の中で再度渡すことが出来ます。その時までは引換券としてこれを。」
そう言って金の延べ棒を手渡す。奥方は了承したようで、
「わかりましたわ。なら、逃がしてきていただきますのでこの方に手渡してくださる?」
奥方がそう言うと、兵士がこちらを睨みながらケージを持ってきた。そのケージの中には、プロムナードと言う温厚な猫の魔物が入っていた。
「なんだろ?ちょっと様子みてくる。」
アーガサがそう言うとスタコラさっさと門まで向かっていった。そして、数分が過ぎた頃、呆れ顔で戻ってきた。
「あのね~魔物親子がギャンギャン騒いでたわ。どうやら町に入れちゃダメなものを没収されて怒ってるみたい。」
「入れちゃダメなもの?」
アーガサの台詞にクリスタは首をかしげながら尋ねる。答えたのはクベルだった。
「違法植物や希少絶滅危険生物とかだな。いわゆる中毒症状のある植物や人の乱獲などで数が激減した生き物の事だ。」
クリスタはそれを聞いて少し前世を思い出した。過去に自分のせいで絶滅の危険性が出た動物もいるのではと思った。暗い顔をしていると、
「クリスタちゃん?どうしたんだい?」
「! い、いや、何でもないよ。ちょっと過去をね……。」
フロイズに肩を組まれたあげく聞かれたのでビックリした。少し冷静になり、ため息混じりに立ち上がる。
「じゃ、ちょっと退けてくる。」
と言い、他が止めるのも聞かずにクリスタは検問に向かった。
検問の辺りに着くと、つんざく叫び声が聞こえた。
「触らないでくださる!このケダモノ!」
「ちょっといいかげんにしてください。そんなに叫ばれても返すことはできません。この町に入るのなら規則は守っていただかないと。」
凄くうるさい。少し来たことを後悔したが、このまま動かないんじゃ一生町にはいれない。なので、
「ちょっと、そこの奥方。少しいいですか?」
となるべく怒らせないように声をかける。その魔物親子はこちらをみると、「なにかしら?」と聞いてきた。
「今なにが起こっているのです?奥方が怒っている理由が聞きたいのですが……。」
「このケダモノがうちのペットをひったくって返さないんですの。」
質問に一瞬で答えてきた。なるほど、動物か。そこに兵士が割り込む。
「ですから、この動物を町で連れ歩くのは禁止されています。そもそもペットにすることも」
「うちの子だけ何でそんな待遇ですの!?ふざけないでくださいまし!うちの子は馬なんかよりも清潔ですわ!」
「いえ、清潔とかの話ではなくて」
らちが明かないので再度割り込む。
「はいはい、ストップ。奥方、ボクに任せていただけませんか?」
そう言うと、魔物ママに耳打ちする。
「自分に預けていただければ町の中で再度渡すことが出来ます。その時までは引換券としてこれを。」
そう言って金の延べ棒を手渡す。奥方は了承したようで、
「わかりましたわ。なら、逃がしてきていただきますのでこの方に手渡してくださる?」
奥方がそう言うと、兵士がこちらを睨みながらケージを持ってきた。そのケージの中には、プロムナードと言う温厚な猫の魔物が入っていた。
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