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チィちゃん、夢のキラキラ学園生活

ロックオン!

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「化け物…」
殿下がつぶやきます。

その言葉、私にも言ったことありますよね?!
イラっとしたので言い返そうと息を吸い込んだら

「だから、なんです?」
チィちゃんが不思議そうに殿下を見ます。

「だって、私はセンバの皆を守るんです。センバは弱いと死にます。
リオリア様は、そんな私と一緒にセンバを守って、生き残ってくれると約束してくれました。
そんなお2人を守るため、私はこれからもっと強くなります!!!」

拳を天高く突き上げるチィちゃんに思わず

「チィちゃん大好きよ!」「ハイ!」「グェ」「ああ、儚くなるんだった!!医務室へお連れします!」
ハグがちょっと強かったチィちゃん、ひょいと私をお姫様抱っこしてダッシュしちゃうの?!
待って、待って!!

「そもそも」
お兄様が話出します。
その隣に私を抱っこしたチィちゃんが立ちます。降ろして?

「うん、イチイ?ディを降ろそうか。
で、半年前、偽聖玉の剣から魔物が溢れだした時、制圧したのがイチイとシラヌイ様「え?シラヌイ様?!」
はい?そうです。シラヌイ様も殲滅に加わりましたよね?
皆様、もうお忘れになったかもしれませんが、2人とも勇者の再来です。
センバは人が良いからあまり怒りませんが。
そんなセンバの逆鱗は〝唯一〞と呼ばれる存在です。
センバの唯一に手を出したら、文字通り、滅びますよ?」
笑ってない目でにっこり笑って、お兄様は聖女サマを見つめます。

って、聖女サマ、赤くなるんかい!!

笑ってない目に気づかないの?!気づかないのね…
お兄様が気づいて真顔になりましたわ。

「ですので、私達はセンバに引っ込んでよろしくやるので、どうぞおかまいなく」
そう言って去ろうとしたら

「お待ちくださいませ!」
この状態で声掛けって、聖女サマ、鋼のメンタルですわね!!

「シラヌイ様とは!あの冒険者シラヌイ様ですか?!」

「「「は???」」」
お兄様とチィちゃんと3人で小首をかしげてしまいましたわ。

「シラヌイについては私からご説明申しあげますわ。
どうぞセンバの皆様は歓談室へ」
フーティ様が聖女サマを引き取ってくださいましたわ!

「ありがとうございます。じゃあ、ディ、イチイ、行こうか。「「ハイ!!」」
ああ、そうだ。

皆様、お騒がせして申し訳ない!!

お詫びに、去年もやった食堂無料開放を、今回はセンバが行おう!!

今回は大盤振る舞いだ!!

明日から3日間、センバが食堂の料金を持とうじゃないか!!」

「「「うおおおぉおぉぉぉ!!!!」」」
「いいぞセンバ!!」「カッコいいぞ!」「わかってるねぇ!!」「デザート制覇だ!!」

お兄様が紳士の礼を、私とチィちゃんが半歩後ろでカーテシーを披露して食堂を去ります。

「ああ、ハジカミがいない。ディ、イチイ、食堂の管理者に挨拶に行こうか」
「ショロスは歓談室にいますものね、そうですね、先に食堂のおば様達にご挨拶いたしましょう。
あの気配を隠すのが上手なお掃除の方、勧誘できないですかね?」
「聞いてみるか」

そうして食堂の肝っ玉母さんとまた交友を深め、あのお掃除の方を紹介してもらう約束も取り付けたらお昼休み終わってしまいましたわ。

シュロス、放置でしたわ。



そして、放課後。

馬車乗場に行くと、部外者が入って良いラインギリギリでライ様が待っててくださっています。
「リオリア!お帰り!!」
私を抱きしめようとする手をお兄様が叩きます。

「なにをさりげなくしようとしてるんですか!エスコートまで、です!!」
「…承知」
ライ様がしょぼんとしてますが、はい、エスコートしてくださいませ?
私が手を出すと蕩ける笑顔でエスコートしてくださいます。

「シラヌイ様!!!!」

いきなり名前を叫ばれて、私達が一斉に振り向くと、聖女サマが走って来ます。

淑女どこ行った?!!

「キャァ!」

ここでも転ぶの?!と思った瞬間、馬車のそばに居ましたわ。

おや?

聖女サマは5メートル先で転んで手を伸ばしています。

そして私は温かいものに包まれてますが、あら、ライ様にお姫様抱っこされて
「大丈夫か?何もされてないな?」
顔が近いですわ!顔が!!

ピュン!!ゴン!!

ライ様の顔がいきなりのけぞりました。

お兄様!!ピンポイントでライ様のおでこにウィンド・ショット当てるって、どんだけの技術力ですの?!!
ライ様、むち打ちになりません?!
と思ったら、チィちゃんはお兄様をお姫様抱っこして、私達の隣に飛んで、文字通り飛んで着地、私達そのまま抱っこで馬車に詰め込まれて出発しましたわ?!

聖女サマ、転んだまま、ぽかーんと見てますわ。
あ、殿下とヨーク様が来て聖女サマを起こしてる。

え?聖女サマ、2人を振り切ってここに来たの?
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