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センバでほのぼの?サバイバル

女帝!?のはずが…

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「とりあえず、今日はゆっくり休んで?明日、やってもらいたい事があるのよ」
主様の言葉にお兄様が

「あの!主様!!荷物はサポートに任せっきりにしていたので、寝袋とかなくて、一晩野晒しで寝たら、ディが風邪をひいてしまう…」
「それを言ったらお兄様もですわ!!」
それを皮切りにライ様も
「あー、食事も昼の残りのパンが少々のみで、ここで火をおこしても鍋も調味料も無い…鳥の丸焼き?ナイフは1本あるな?」

「あーー!この領域で血を流さないで!
そうね、ひ弱な人の子らは食事も寒さ避けも必要なのよね!
仕方がない、呼んだのは私だし?どうせ明日には入ってもらうし?付いてきて!
夜はパンと果物!明日の朝も果物を提供するわ。

あら?女帝の貴女も協力してくれてたの!
ここまで一緒に来てくれたお礼よ、残念ながら貴女はここまで」
そう言って、フランソワ(仮)に果物を手渡す主様。

聞き捨てならない言葉が聞こえましたわ!!

「クマさんは女帝ですの?!なら名前はフランソワではなく、エカテリーナですわぁ!!」
「え、却下!!ってか、エカテリーナってなに?」
「女帝ですわ!!」
「うん、まぁフランソワよりは女帝っぽい名前けど、あのクマに似合わんよ?」
「ええ?マーちゃんがいいです」
お兄様と私の会話にチィちゃんが混ざってきた所で

「貴方達、女帝と契約しようとしてるの?」
「「「契約って、なに???」」」
主様の言葉に、お兄様、私、チィちゃんが反応すると、主様はパッカーンとお口を開けて

「貴方達、契約も知らずに名付けしてたの…?」

いやだから、契約ってナニ?


「魔獣や、まぁ、その馬?ああ、失礼、スレイプニルね?ええ?足が6本なのに?まぁいいわ。
それに名前をつけてそれを相手が受け入れたら契約、繋がりが生まれるわ。
まぁ、名前を受け入れる時点で貴方達に好意を持ってるからね、助けあえるし、気持ちも理解出来るようになる。
人間を認識出来るようになるし、認識した人間を襲わなくもなるわね。

スレイプニルなんて力関係を無意識下で理解したから主従関係?え?下僕になってる?うん、この子の事は考えないわ。まぁ、そんな感じだし。

守護動物の子達はちょっと特別ね、イツキの再来専用だから。名前を受け入れたから、呼べばどこでも来てくれるでしょう?
普通の魔獣は呼んでも魔の森の中まで来ないわ、無理よ」

途中から首が斜めになってきていたチィちゃん。

「ええーっと、つまり、名前をつけると、その子とお友達になれるって事ですね!!」

「…うん、さすがセンバ、素直でよろしい」
チィちゃんの言葉に主様は頭ナデナデです。

主様、私もチィちゃんと同じ認識ですが?

「うん、なんか、リアにもそこはかと無く感じる残念臭。可愛いな」
そう言って私の頭もナデナデします。

「もし、そのクマが名前を受け入れてくれたら契約となり、一緒に中に入れると?」
お兄様が主様へ尋ねます。

「さっすが、イツキの再来の唯一。普通の唯一はこうよねー。安心したわ。
あの子の気持ち次第ね!」
主様はニコニコと私とチィちゃんの頭を撫で続けます。
えっと、3日お風呂入ってないです。臭くないです?
「うん、そういう所が可愛い」
お兄様、主様から私を引き剥がそうとしないの。

「えーっとクマ?名前受け入れる?」「がう!!」
お兄様の言葉にうなずくエカテリーナ(仮)

「何にしようか?」
「エカテリーナですわ!」首を横に振るエカテリーナ(仮)
「マーちゃん!!」首を横に振るエカテリーナ(仮)
「…」見つめ合うライ様とエカテリーナ(仮)

「…女帝、ですわよね?
あーー、極める道と書いて極道の妻、ゴクツマ?」
「ディ?どっから出てきたその発想?…ゴクツマって、呼びづらくねぇ?」
首を横に振るエカテリーナ改めゴクツマ(仮)

「じゃあ、ゴクツマを縮めてゴクー!!」
「却下ですわ!!」
即時否定です!チィちゃん!それはダメですわ!!

「じゃぁ?ゴ。クマじゃん?」お兄様、それもちょっと…

「ゴマ」
ライ様の言葉に反応したエカテリーナ改めゴクツマ(仮)
首を縦にブンブンうなずいてます。

「え?ゴマ??女帝がエラくちっちゃくなったな?!」
「ご、ゴマ。アーーーーッハッハッハッハ!!」
「ゴマちゃん!!可愛い!!」
驚くお兄様と、大笑いする主様。
そしてエカテリーナ改めゴクツマ(仮)から正式名ゴマの手を取り、くるくる回るチィちゃん。


女帝エカテリーナ、面影も残りませんでしたわ!!
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