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センバでほのぼの?サバイバル

魔獣から学ぶ

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そうして入ってきた魔の森。

今日は浅瀬を散策して、小型魔獣を見つけようというのが目標です。

「薬草とかも生えていますの?」

「ああ、今回はとりあえず、魔獣を目標にしてたから、薬草はまだ調べてない。
自生はどのくらいしてるの?どうなんだろう?
次の長期休暇、夏にシュロスが来て畑を作るって言ってたな。試験が終わったら、一緒に帰ってこようか」

「薬草に関しては、薬師に任せっきりです。薬師の護衛なら一緒に行きますが、どうも細かい事が苦手で」

「っぽいね」

「センバにとっても薬は大事なんで、薬師と医者は尊敬されてるっす。
なんで、シュロスは期待の星っす。
エミリオ様、良い人材引き当てたっす!!」
大当たりっす、さすがっす!!とワサビが褒めるのをお兄様は

「最初に見つけたのがセリだからなぁ、セリのお手柄かな。センバの引きの強さを垣間見た感じ?」

そう言われたセリは真っ赤になって「恐縮です」の一言で終わり。

そんなことを言ってたら、サンショウが立ち止まり
「この辺りまでがだいたい浅瀬と言われてる場所です。
こっから奥は木の種類が変わってきますので、覚えておいてください。
木の種類が変わってきたら奥に迷い込んだと思って、
その木を背に真っ直ぐ引き返して下さい」

「おおお、目安があるって言うのは安心するね!
ディ!木の種類、絶対覚えてね!!」

「が、頑張りますわ。と、特徴とか具体的に教えてくださいまし」
木って、どれも同じに見えるんですけど!!

「ああ、葉の形がわかりやすいですかね。
掌みたいな形をした葉をつける木が多いのが浅瀬です。
これらは樹液をめちゃめちゃ取って煮詰めればシロップになります」
あ、メイプルシロップ。サトウカエデですのね。

「浅瀬は中層で弾かれた弱いヤツ、小魔獣なんかが生息してます。

中層は木の実が成る木が多く、広いです。ですので、ココからが魔獣が出やすくなり、
肉祭りの時の肉は、こっから狩ってます。

その先は果実の成る木が多いので、夏になるとニワトコ様が部隊を組んでセイラー様のために果実狩りに行きます。
まぁ、軍の中にも、この果実を持ってプロポーズすると成功するというジンクスがあり、若いヤツが率先して行きたがります。

そして、もっと先、最奥に到達すると、魔獣暴走スタンピードが起きると言われています。
最奥はどのような場所か、すいません、存じ上げません」

サンショウの、詳しい説明を聞いていたら、ドッドッドッドッと音がしました。

そっちを向いていたら、

ド、ド、ド、ドゴーーン!!

「どぅえぃ?!」「ヒッ!!」

とんでもない大きさの牙を持った猪が吹っ飛んできて、私達を飛び越え、ドゥオーーン!!と地面に叩きつけられ、そのままピクピクしています。

「ああ、縄張り争いに負けた猪の魔獣ですね。巣立って、安易に親の縄張りをとろうとして負けたんじゃないですかね?
このままここに放置して肉食魔獣が来ても厄介です。
持ち帰り、私達で美味しく頂きましょう」

そう言ったサンショウが、
素早く首を掻き切り、木の下を掘り、そこに血が落ちるように木に吊るした所まで、
呆然と見つめた私。そのまま意識を失いました。



気がついたら、知らない、あ、いえ、私のベットの中でしたわ。

「リア様!!」
…チィちゃん、相変わらず起き抜けの大声はびっくりするんですって。

「ディ、大丈夫?」
ぬぅっとお兄様の顔面が視界全部を覆います。
うん、下を向いてる顔も眼福って、どんだけ美形なんでしょう。

「えっと?どうしたんでしたっけ?なんで私は寝てるんでしたっけ?」

「うん、ディは、初めての魔獣狩りで、猪の魔獣の血抜き作業を見て気を失ったんだよね。
まぁ、心の準備も無しに、いきなりアレを見せられた女性がどうなるか、考えなかった俺らの落ち度だね。
ゴメン、ディ、怖かったよね?」

「いいえ、ああ、そうでした。まぁ、確かにびっくりしましたけど、魔獣討伐って、そうなる事をひとつも覚悟してなかった私が悪いんですわ。

ごめんなさい、お兄様、心配かけて。せっかくの初魔の森を台無しにして。

セリ達にも、迷惑かけたわよね。こんなに自分が弱いと思ってなかったの。
どうしましょう、お兄様、命を頂くって、そうよね、ああいう事なのよね?」

ぼろぼろと泣けてきてしまいました。
目の前で命が失くなるって、恐いと思いました。
「お兄様、いなくならないでくださいましね?」

お兄様がぎゅっと抱き締めてくれました。

「うん、大丈夫、ここに居るからね」
「イチイも!イチイが!お守りします!!」「ワンワン!!」

「はい、チィちゃんもロアもありがとう。ぎゅっとさせてくださいな!!」

「きゃー」「ワンワン!」
お兄様とぎゅっとしてた所に、チィちゃんとロアがダイブしてきて、「グフォ」っと声が漏れたお兄様と2人、ベットに押し倒されます。

ああ、温かい重みが心地よいです。


魔獣から命を学んだ1日でしたわ。
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