上 下
283 / 327
センバでほのぼの?サバイバル

さぁ、俺達の冒険はここからだ!

しおりを挟む
リーパーの特注鞍が出来上がりましたの。
なんか、シーソーに乗った時の掴まるバーみたいなの、着けてくれてますわ。

「ディはまだ体力ないからね、一緒に乗った人に掴まっててもいいんだけど、掴まる場所はあった方が良いだろう?安全のために」

で、誰が一緒に乗るか、で、ひと揉めし。

「ハイ!イチイが乗ります!」
「イチイは、とっさに、どっか飛び出して行きそうだから、却下」

「パパと乗ろう!!」
「領主!仕事しやがれ!!」

「では、私が」
「リーパーが、まだセリを小娘と認識してるんだよなぁ。なにかあった時、リーパーが言うこと聞かないのも困るんだよなぁ」

「消去法?!オレっすか?」
「ワサビ?うん、こういう時は、適任って言葉を使おうか」
「さすがお兄様!言葉って言い様ですのね!」

そんなわけで、ワサビと一緒に乗馬の練習をし、その間、セリがリーパーの隣をピタっとくっついて睨みながら並走し。

どんなに早く走っても着いてくるセリに『あの小娘、恐い』とリーパーが言い出し、
ワサビが「精神的に追い詰めるタイプだったんだな?」と言うのに対し
「並走って、思いっきり物理では?」というお兄様の意見に全面的に同意した後、
セリと私が一緒に乗る練習も出来るようになり。

お兄様のお馬さんはとてもお利口さんで。
というか、あまりにお利口さんすぎて、存在感がちょっと薄くなってしまってます。

「うん、リーパーに張り合わなくていいから。
というか、やめて?うちのネロを悪の道に誘い込まないで?」

ネロという名前になったご自分のお馬さん。
ちなみに、ハバネロのネロです。
お兄様が頑なに、「ああは成るな、ネロはネロのままで」と言い聞かせてお世話しています。

そんなわけで、お馬さんとの円満なコミュニケーションも取れ、ハジカミが王都に戻る前に1度様子見を、という事で、

いよいよ魔の森に入ろうか、という事になりました。

入念な準備をして(ハジカミとセリが)
森の下見とルート点検をし(サンショウが)
その日の朝にも露払いをしてくれたようで(ワサビが)

私は朝普通に起きただけで、いよいよ出発です。

布陣は馬に乗ったサンショウを先頭に
ネロに乗ったお兄様、その隣にハジカミ
リーパーに乗った私とセリ、その隣にチィちゃん
後ろにワサビとロアが徒歩で着いて来てくれてます。

これだけ守りがあれば大丈夫でしょう!

「呼べば、フーちゃんも来てくれます!!」
文字通り、飛んできてくれるものね。


ついに、念願の魔の森の入り口に来ましたわ!!!
雲ひとつない快晴の下、黒々とした魔の森が私達を出迎えてくれています。


大きく息を吸ってぇ
 

「さぁ、私達の冒険はココからですわ!!」
天高く拳を突き上げます。


先頭を行こうとしたサンショウが驚いて振り返り、

「え?ディ?どうしたの?」

「お嬢様の斜め上が始まったっす」

「やっぱり!せっかくなら冒険ってほど、奥に行きたいですよね!イチイがお供します!!」

「いや、ダメだからね?!
単独行動禁止!ディとイチイの単弐行動も禁止!!
セリ!!ロア!!2人が突っ走りそうになったら意地でも止めろ!!
最悪、セリはディを抱えて離脱、ロアはその護衛!ワサビは遊軍!ハジカミは援軍の要請!
サンショウは俺の護衛!
イチイは放置!!フーちゃんに回収させる!

いいか!!くれぐれも!くれぐれも!!今日は様子見!!

全員、返事は?!!」

「「「「「ハイ!!」」」」」


えっと、大事になりました?
言ってみたかっただけなんですの、このセリフ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる

千環
恋愛
 第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。  なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を庇おうとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。

転生したら攻略対象者の母親(王妃)でした

黒木寿々
恋愛
我儘な公爵令嬢リザベル・フォリス、7歳。弟が産まれたことで前世の記憶を思い出したけど、この世界って前世でハマっていた乙女ゲームの世界!?私の未来って物凄く性悪な王妃様じゃん! しかもゲーム本編が始まる時点ですでに亡くなってるし・・・。 ゲームの中ではことごとく酷いことをしていたみたいだけど、私はそんなことしない! 清く正しい心で、未来の息子(攻略対象者)を愛でまくるぞ!!! *R15は保険です。小説家になろう様でも掲載しています。

悪役令嬢予定でしたが、無言でいたら、ヒロインがいつの間にか居なくなっていました

toyjoy11
恋愛
題名通りの内容。 一応、TSですが、主人公は元から性的思考がありませんので、問題無いと思います。 主人公、リース・マグノイア公爵令嬢は前世から寡黙な人物だった。その為、初っぱなの王子との喧嘩イベントをスルー。たった、それだけしか彼女はしていないのだが、自他共に関連する乙女ゲームや18禁ゲームのフラグがボキボキ折れまくった話。 完結済。ハッピーエンドです。 8/2からは閑話を書けたときに追加します。 ランクインさせて頂き、本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ お読み頂き本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ 応援、アドバイス、感想、お気に入り、しおり登録等とても有り難いです。 12/9の9時の投稿で一応完結と致します。 更新、お待たせして申し訳ありません。後は、落ち着いたら投稿します。 ありがとうございました!

モブに転生したので前世の好みで選んだモブに求婚しても良いよね?

狗沙萌稚
恋愛
乙女ゲーム大好き!漫画大好き!な普通の平凡の女子大生、水野幸子はなんと大好きだった乙女ゲームの世界に転生?! 悪役令嬢だったらどうしよう〜!! ……あっ、ただのモブですか。 いや、良いんですけどね…婚約破棄とか断罪されたりとか嫌だから……。 じゃあヒロインでも悪役令嬢でもないなら 乙女ゲームのキャラとは関係無いモブ君にアタックしても良いですよね?

実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~

空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」 氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。 「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」 ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。 成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。

使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後

有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。 乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。 だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。 それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。 王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!? けれど、そこには……。 ※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

乙女ゲームの悪役令嬢は生れかわる

レラン
恋愛
 前世でプレーした。乙女ゲーム内に召喚転生させられた主人公。  すでに危機的状況の悪役令嬢に転生してしまい、ゲームに関わらないようにしていると、まさかのチート発覚!?  私は平穏な暮らしを求めただけだっだのに‥‥ふふふ‥‥‥チートがあるなら最大限活用してやる!!  そう意気込みのやりたい放題の、元悪役令嬢の日常。 ⚠︎語彙力崩壊してます⚠︎ ⚠︎誤字多発です⚠︎ ⚠︎話の内容が薄っぺらです⚠︎ ⚠︎ざまぁは、結構後になってしまいます⚠︎

敗戦して嫁ぎましたが、存在を忘れ去られてしまったので自給自足で頑張ります!

桗梛葉 (たなは)
恋愛
タイトルを変更しました。 ※※※※※※※※※※※※※ 魔族 vs 人間。 冷戦を経ながらくすぶり続けた長い戦いは、人間側の敗戦に近い状況で、ついに終止符が打たれた。 名ばかりの王族リュシェラは、和平の証として、魔王イヴァシグスに第7王妃として嫁ぐ事になる。だけど、嫁いだ夫には魔人の妻との間に、すでに皇子も皇女も何人も居るのだ。 人間のリュシェラが、ここで王妃として求められる事は何もない。和平とは名ばかりの、敗戦国の隷妃として、リュシェラはただ静かに命が潰えていくのを待つばかり……なんて、殊勝な性格でもなく、与えられた宮でのんびり自給自足の生活を楽しんでいく。 そんなリュシェラには、実は誰にも言えない秘密があった。 ※※※※※※※※※※※※※ 短編は難しいな…と痛感したので、慣れた文字数、文体で書いてみました。 お付き合い頂けたら嬉しいです!

処理中です...