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センバでほのぼの?サバイバル

訓練でも犠牲はつきもの?

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センバの1日は、朝食後はお勉強、昼食をはさんで午後は訓練をしています。

お兄様と一緒に魔の森へ行くために、魔法のコントロールを、切に、切に希望されています。
それが出来ないと周りが危なくて連れて行けない、と、お母様にぶっとい特大の釘を刺されています。

そんなわけで、今日からハジカミも加えての訓練を開始します。

お兄様的は護身術も習いたいそうですが、お母様から「センバから習ったって身に付かないわよ?」の一言で、他から先生を探して貰っているそうで、見つかるまでは魔法の訓練です。

私は相変わらず魔法を狙った方向に飛ばす訓練です。
チィちゃんがそばにいて、変な方向に行ったモノはパンチします。

お兄様はハジカミとペアを組み、セリが頭の上に出るような的を背負って逃げ回り、お兄様はその的を破壊、ハジカミは的にヒラヒラ付いている紐を取るようです。

うおりゃ!とか、ハッ!とか、ハジカミ、そっちだ!とか

めっちゃ気になるんですけどぉぉぉぉ!!!
私もそっちに混ざりたいぃぃぃ!!!

「リア様!!今日は一段と方向がめちゃめちゃですね!!イチイは楽しいです!!」
満面の笑みのチィちゃんの言葉に膝から崩れ落ちます。

「だって、だって、あっちが楽しそうなんですものぉぉぉ!!」
「「え??!!」」
私の魂の叫びにお兄様とハジカミが反応しました。

「ああ、もしかしたら、リア様は動く的の方が当たるかもしれないです!」
チィちゃん!もしや援護射撃だなんて、気のきいた事出来るようになりましたの?!

「え?イチイは、なんでそう思ったの?」
お兄様、顔に危なくてしょうがないんだけど?!って書いてありますわ!!

「ハジカミが声を出して追い詰めてるでしょう?その声の方向に魔法が飛んでいくんです。
気になった方向に飛ばせるって、もう、コントロール云々じゃなくて、才能なのでは?
もしかしたら、動かない的は、気にならないので当たらないんじゃ?」

「えええええ?!!!!」「なんっすか、ソレ!」
お兄様とハジカミが盛大に驚いてます。
ってか、私も驚きです。
チィちゃん、私も気づかなかった魔法の向かう方向に気づいてたの?!

「試しに、セリが的持ってるし、走って!さぁリア様!いっちゃって下さい!」

そう言われたセリも、まぁ1発ぐらいならかわせますね、と走りはじめます。
途中飛んだり、2回転半宙返りとか決めてるのは、さすがです。

「では、行きます!!」
セリの的にめがけてウィンド・ショット!!!

スパン!!!



……

「「えええええぇぇぇ!!!!」」
お兄様もハジカミもドン引きです。

セリも立ち止まり、自分の頭上の的を見上げています。

…1発で当ててしまいましたわ。

「ほら!!言った通りでしょう?なんなら、リーパーに的を着けて走らせてみますか?」
「ヨシ、ヤろう」
チィちゃんの提案に、お兄様即決です。
ヤる、が微妙に違う雰囲気だったのは気づかなかった事にしましょう。

リーパーが連れてこられて、普通の鞍に的が装着されます。

「さぁ、リーパー!おきなさい!!」
「ヒヒーン?!」『なんか不穏なルビ付いてなかったか?!』
チィちゃんの掛け声にリーパーが不満そうです。

「リーパー!
その的にかすりもさせずに10分逃げきったら、ディの魔力ご褒美だ!」
「ヒ!ヒーン!!!!」『よっしゃ!乗った!!!!』
お兄様の提案に飛び付くリーパー。

「うん、なんか納得したっぽいな。
ヨシ、砂時計OK!ディも準備は良い?「ハイ!」
範囲はこの訓練場内どこでも駆け回って良し!!では、開始!!!」

リーパーが勢い良く駆け出します。

センバの訓練場、広いです。東京ド○ム1個分ぐらい。

まぁ、そんな訓練場が3つ有るんですけどね。

とりあえず、目視は出来る距離ですね。

「ユーディリア、行きます!!」「え?気合い入れた?」

「ウィンド・ショット!!」


…ドゥン!!


あらやだ。
リーパーが横に吹っ飛びましたわ。
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