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センバでほのぼの?サバイバル

ちょっと待った!!

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夕方、お父様が帰ってきました。
お母様と手を繋いだアカシア君、お兄様、チィちゃん、皆でエントランスでお出迎えです。

「ただいま!!」
「「「「お帰りなさい!!」」」」「お疲れ様でした、貴方」
「地上の楽園はココにあった!!俺はこの平和のために命をかける!!!」
お父様、涙目で拳を天高く突き上げます。

「さぁ!女神と天使達よ!抱きしめさせてくれ!!」
「「遠慮します」」「久しぶりで加減が調整出来てないからダメよ」
非センバに拒否られたお父様、膝から崩れ落ちます。

「「ヨシヨシ」」「天使達よ!」
チィちゃんとアカシア君に慰められてソッコーで復活したお父様。

「父上?あせくちゃいです。母上にきらわれますよ?」
アカシア君の言葉で再び絶望に染まるお父様。
ガーーンという効果音がこれ程似合う顔を見たことがないかも?
アカシア君、上げて落とすって、なかなかの高等テクニックですわ!

「ウフフフ、では嫌われないようにシャワーしてきてから夕食にきてくださいね?」
「わかった!!」
バッと立ち上がり暴風のように去っていくお父様。
お仕事で疲れている、という事を微塵も感じさせない動きです。
「体力ばか?」「ちゃんと仕事してるの?」「森の巡回を仕事だと思ってないんじゃないですかね?」
えーっと、お母様、お兄様、ケヤキまでディスらなくても?


さぁ!いよいよお楽しみの夕食。

ええ!私、もんのすごく楽しみにしてましたの、ビーフシチュー!!

食堂に入ると、
え?上座に料理並んでますけど?
え?今日晩御飯これ、って見本?
チィちゃんが、アレ?って一瞬首をかしげました。

領主一家は、一応、貴族であるし、他の家にも招かれる事もあります。
なので、夕食はマナーの勉強も兼ねて一皿一皿料理を乗せて出してますが、
いつ何時魔獣が出るか分かりません。
優雅に一皿づつ待ってる間に警鐘がなったら食いっぱぐれます。
すると、パフォーマンスも十分に発揮出来ないんだそうで、
領主ご本人だけは、料理の皿を全部一度に出すのがセンバ流だそうです。

妻と子供の食事の時間を作れずに何が領主じゃ、
と、子供と夫人はマナー通りに食べるんだそうです。

そんなわけで、上座には大盛り料理の皿が並べられ、
私達はカラトリーだけがある席につきます。

お父様が最後に席に着くと、
「よし、今日の実りに感謝!食べよう!!」

食事が始まりました。

お父様も一応順番に一皿つづ食べていくんですね?
ペースは早いですが。
ああ、ビーフシチューのいい匂いが!!
先にビーフシチューに手を付けようとしたお父様、ん?と首をひねり、ツンツンついたり、混ぜたりし始めます。

そうしてるうちに私達の所にも待望のビーフシチューが来ました。

手を付けようとした瞬間

〝ピコン!食べるな危険!!〞「ちょっと待った!!」
師匠の警戒音とチィちゃんの叫び声が同時に起きました。

ビクゥってなっちゃったじゃないですの!え?師匠、私の楽しみ奪うんですの?

〝ピコン!食べたら時間差で強烈な麻痺に襲われますが?〞

は?!!なんで?!!

〝ピコン!目的は犯人に聞くしかないかと?〞

確かに、そりゃそうですわね。って、え?犯人誰ですの?

〝ピコン!魔力の残滓を元に、使用人全部並べてそこに犯人が居れば、なんとか?〞

「これ、食べちゃダメです!!」
チィちゃんが、立ち上がって叫びます。

「イチイ?どうしたの?」お母様が尋ねますが
「うん、これ、食わない方がいい気がする」お父様もチィちゃんを援護します。

「あら、センバ2人が言うなら止めましょう。ケヤキ、料理長を呼んでくれる?」
お母様がテキパキと指示を出します。

「ディ?ビーフシチュー凝視して、どうしたの?」

「お兄様、師匠が時間差で強烈な麻痺毒が入ってるから、食べちゃダメって。
た、た、楽しみにしてたのにぃ」
あ、泣けてくる。

「ほほぅ?ディの楽しみを奪ったヤツは許せないなぁ?
犯人は誰だって?わかるって?」

「魔力の残滓があるから、使用人全部並べて貰えばわかるかも、だって」

「母上!!料理長だけじゃなく、今、城にいる人間全員集められますか!!
センバ直系が食うな、って言ってるんです。毒でも入ってるんじゃないですかね?
イチイが指差した人間が犯人じゃないですか?」

「あら、じゃぁ、広間に全員集めて貰いましょう。
アナタ、イチイも、シチュー以外に怪しい食べ物はない?」
チィちゃんもお父様の席に行って、それ以外の料理を確認します。

「ないな」「大丈夫だと思います!」
「じゃ、集まるまでに、それ以外は食べてしまいましょう」



毒が入ってる食べ物が隣に有るのに、それ以外は食べられる胆力、スゴいんですけど?!
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