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センバでほのぼの?サバイバル
熱烈歓迎の仕方がヤヴァイ
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それから3日、やっと辿り着いた辺境の地。
「ここが私の故郷、センバの領地です!!」
そう言ってチィちゃんが両手を広げて、ニッコニコで紹介してくれたセンバの領地。
田園風景が広がり、その右側の奥に長い石壁があり、そのまた奥に、その城壁より高い木々が、黒々と繁った森が見て取れます。
「あれが、魔の森?」「ハイ!」
お兄様が聞くと、チィちゃんが元気よく答えます。
すると夫人が
「あの防壁は、先祖代々守ってきた魔の森の防衛ラインね。
壁の向こう側に草原が広がってて、その奥に森があるわ。
疲れが取れたら、行ってみましょうね。
で、センバの城までは、もちょっとあるから、馬車に…」
説明の途中で、防壁を睨み付けます。
ん?
土煙が見えてきました?
すると、ドドドドドと音が聞こえ始め、その土煙が迫って来てるんじゃありませんの?
お兄様が、私を抱きしめ、チィちゃんがその前に両手を広げて立ち塞がってくれてますが、
夫人は、額に手を当て天を仰いで「待て、の出来ない駄犬…」と、つぶやいています。
ドドドドと音も大きくなり、土煙もだいぶ迫って来た所で
そして、大きく息を吸って
「ストーーーーーップ!!!」
夫人が叫ぶと、ズザザザザザーーーッと何か大きな物を引きずる音がして、土煙が一際大きくなりました。
「ウィンド」
お兄様が魔法を使って、土煙を晴らしてくれると、
そこには、
顔に血が付いたニッコニコの辺境伯様が、右手に大きな牛?牛で良いのよね?の首根っこを引っ付かんで
「お帰り!俺の女神と天使!!
よく来た!!俺の新しい子供達!!!
ウマイ肉狩ってきたぞ!!今日は牛肉祭りだ!!!」
といって、両手を広げて私達に迫って来ようとします。
…牛の首持ったまま。
「アナタ!!牛と一緒に抱きしめないで!!
顔と腕の返り血ぃい!!!
また殴って倒したわね?!血抜きは?!
お肉がマズくなる前に!さっさとお城に持って帰って料理人に渡して来て!!!
家に帰って綺麗にしてから歓迎してちょうだい!!
ハウス!!!」
「ハイ!!」
夫人に忠実な辺境伯様。
牛の胴体を両手で抱え、身体を捻って、深ぁく、しゃがんだと思ったら
「とぅ!!」
牛を放り投げ、自分も走りだします。
「「え?????」」
お兄様と一緒に抱き合いながら、目が点です。
「ごめんなさいね、びっくりしたでしょう?
アレ、多分、ココまでは引きずって来たんだと思うのよ。
でもね、それだとお肉が痛むでしょう?砂利なんかも食い込むし。
牛が大きいから2人で運ぶとか、考えないのよ。人を待ってられないのね。
だから、放り投げて、自分でキャッチして、また放り投げて、地面につけないように、
尚且つ、自分の腕力で肉を潰してダメにしないような制御の練習もかねてるの。
センバ以外の人間を抱きしめるなら、制御は必要でしょう?
それこそ人殺しになっちゃうもの。
まぁ、でも、牛の方が人間より丈夫そうだけど、訓練しないよりマシでしょう?
リオ君達、あの人に抱きしめられて、痛かったら、容赦なく魔法で攻撃しなさいね?
痛い、なんて口で言っても、手で叩いても、〝可愛いな!〞ってしか思わないのよ!!
何度失神したことか!!!
ちょっとでも痛かったら、魔法で攻撃!
大丈夫、いくら魔法で攻撃しようが、身体だけは丈夫だから!!」
あの人の身体よりリオ君達の身体が大事!!って、握り拳で力説する夫人。
えーっと、夫人の経験に基づくご助言、痛み入ります?
「ここが私の故郷、センバの領地です!!」
そう言ってチィちゃんが両手を広げて、ニッコニコで紹介してくれたセンバの領地。
田園風景が広がり、その右側の奥に長い石壁があり、そのまた奥に、その城壁より高い木々が、黒々と繁った森が見て取れます。
「あれが、魔の森?」「ハイ!」
お兄様が聞くと、チィちゃんが元気よく答えます。
すると夫人が
「あの防壁は、先祖代々守ってきた魔の森の防衛ラインね。
壁の向こう側に草原が広がってて、その奥に森があるわ。
疲れが取れたら、行ってみましょうね。
で、センバの城までは、もちょっとあるから、馬車に…」
説明の途中で、防壁を睨み付けます。
ん?
土煙が見えてきました?
すると、ドドドドドと音が聞こえ始め、その土煙が迫って来てるんじゃありませんの?
お兄様が、私を抱きしめ、チィちゃんがその前に両手を広げて立ち塞がってくれてますが、
夫人は、額に手を当て天を仰いで「待て、の出来ない駄犬…」と、つぶやいています。
ドドドドと音も大きくなり、土煙もだいぶ迫って来た所で
そして、大きく息を吸って
「ストーーーーーップ!!!」
夫人が叫ぶと、ズザザザザザーーーッと何か大きな物を引きずる音がして、土煙が一際大きくなりました。
「ウィンド」
お兄様が魔法を使って、土煙を晴らしてくれると、
そこには、
顔に血が付いたニッコニコの辺境伯様が、右手に大きな牛?牛で良いのよね?の首根っこを引っ付かんで
「お帰り!俺の女神と天使!!
よく来た!!俺の新しい子供達!!!
ウマイ肉狩ってきたぞ!!今日は牛肉祭りだ!!!」
といって、両手を広げて私達に迫って来ようとします。
…牛の首持ったまま。
「アナタ!!牛と一緒に抱きしめないで!!
顔と腕の返り血ぃい!!!
また殴って倒したわね?!血抜きは?!
お肉がマズくなる前に!さっさとお城に持って帰って料理人に渡して来て!!!
家に帰って綺麗にしてから歓迎してちょうだい!!
ハウス!!!」
「ハイ!!」
夫人に忠実な辺境伯様。
牛の胴体を両手で抱え、身体を捻って、深ぁく、しゃがんだと思ったら
「とぅ!!」
牛を放り投げ、自分も走りだします。
「「え?????」」
お兄様と一緒に抱き合いながら、目が点です。
「ごめんなさいね、びっくりしたでしょう?
アレ、多分、ココまでは引きずって来たんだと思うのよ。
でもね、それだとお肉が痛むでしょう?砂利なんかも食い込むし。
牛が大きいから2人で運ぶとか、考えないのよ。人を待ってられないのね。
だから、放り投げて、自分でキャッチして、また放り投げて、地面につけないように、
尚且つ、自分の腕力で肉を潰してダメにしないような制御の練習もかねてるの。
センバ以外の人間を抱きしめるなら、制御は必要でしょう?
それこそ人殺しになっちゃうもの。
まぁ、でも、牛の方が人間より丈夫そうだけど、訓練しないよりマシでしょう?
リオ君達、あの人に抱きしめられて、痛かったら、容赦なく魔法で攻撃しなさいね?
痛い、なんて口で言っても、手で叩いても、〝可愛いな!〞ってしか思わないのよ!!
何度失神したことか!!!
ちょっとでも痛かったら、魔法で攻撃!
大丈夫、いくら魔法で攻撃しようが、身体だけは丈夫だから!!」
あの人の身体よりリオ君達の身体が大事!!って、握り拳で力説する夫人。
えーっと、夫人の経験に基づくご助言、痛み入ります?
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