上 下
252 / 395
センバでほのぼの?サバイバル

センバへGo! 2

しおりを挟む
「なぁ?俺は魔物の襲撃が有った所も無かった所も、きちんと年越し出来るように、
年越してからは、次の年の種付けも出来るように用意してって、王都に戻ったぞ?
そろそろ畑の準備の時期だろう?
なんで、3ヶ月程度でこうなってる?」

そうです、年明け、侯爵が亡くなったって聞かされて、いきなり後継から外されて、でも領地の事は問題なく出来るようにしてって、
後期の学園1ヶ月通って、決闘騒ぎがあって。うん。だいたい3ヶ月。

「年が明けて、半月ぐらい経った頃でしょうか、いきなり通知がきたんです。
侯爵様が亡くなったため、代替わりをする。ついては祝いの品を持ってこい、と」

「「「は???」」亡くなったのに、祝いの品?」
お兄様の疑問ももっともです。意味がわかりません。

「俺達も、は?と思いました。エミリオ様ご乱心?と思って、領主館に問合わせに行ったんです。
そしたら、全然知らない人達ばっかりで、新しい領主様はエミリオじゃない、あの無能は後継を外された、
今の侯爵様はアレクシス様だ、と。
聞いたこともない名前だったので、もしかして、侯爵様とエミリオ様が王都で事故にあって、いっぺんに全員死んじゃって、だから、聞いたこともない人が領主様になったのかと思ったんです。
だから、前の侯爵様と一緒にエミリオ様も亡くなったんですか?
って聞いたら、

〝これだから平民はバカで敵わん。と言っただろう?〞

って、言われて。
エミリオ様が無能って、俺たちの生活がやっと安定してきたのに、無能で外されたって、訳がわからなくて。

そんでも、これは決定事項で、王家の承認も得ている。さっさと上納しろって、追い出されて、
なんとか納めたら、今度は税金を上げるって言われて、無理だ、って言ったら、家捜しされて、あるじゃないか、隠してるじゃないか、って、種付けの3分の2を持ってかれました。

畑の準備をしても植える物が、ほぼないんです」

「「「はぁぁああああ??!!!」」」

「え、エミリオ様…か、帰、がえってぎてくださいぃ…」
お頭さん、泣きながら土下座し始めました。

「うおぉーーい…、どうしたらいいんだ、これは…」
お兄様、頭を抱え始めました。

「だって、貴方達の村だけじゃないのよね?きっと、全部の村よね?」
夫人が尋ねると

「なんか、役人にお金渡したらお目こぼしして貰えるって、後から聞いて。
それで助かってる村もあります」

「こんなに簡単に、絵に描いたような典型的ダメ領地に変貌するのね…」
夫人は口元をヒクヒクしながら、お兄様は額に手を当て天を仰ぎます。

「んー、ちょっと提案なんだけど、貴方達、畑と住む所、提供したら仕事してくれるかしら?」
夫人が頬に手を当て、小首をかしげながら尋ねます。

「え?は?えっと、出稼ぎ的な?」

「最初はそうなるわね。

いやねぇ、センバの民って、戦闘民族なのよ。
狩り大好き、ヒャッハーな狩猟民族なのよ!

魔獣が出た、ってなると、畑を放り出して狩りに出るのよ!その後、肉祭りなのよ?
ええ、お肉は大事よ!大事だけれども!!

お肉だけじゃ人間は生きていけないのよ!穀物も野菜も果物も必要なのよ!!

コツコツ働く農耕民族が欲しいのよ!!」
夫人、魂の叫びです。

「そんなわけで、食は保証するわ。住は、これから建てなくちゃいけないから、
家族を呼ぶ住が確保されるまで、身一つで、来れるような農耕民族は大歓迎なんだけど?」

皆でセンバへGoしちゃいます?
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた8歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。

〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?

藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。 目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。 前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。 前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない! そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが? 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる

千環
恋愛
 第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。  なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を庇おうとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました

珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。 なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?

ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」 バシッ!! わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。 目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの? 最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故? ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない…… 前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた…… 前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。 転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・

青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。 婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。 「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」 妹の言葉を肯定する家族達。 そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。 ※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。

転生したら乙ゲーのモブでした

おかる
恋愛
主人公の転生先は何の因果か前世で妹が嵌っていた乙女ゲームの世界のモブ。 登場人物たちと距離をとりつつ学園生活を送っていたけど気づけばヒロインの残念な場面を見てしまったりとなんだかんだと物語に巻き込まれてしまう。 主人公が普通の生活を取り戻すために奮闘する物語です 本作はなろう様でも公開しています

処理中です...