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これぞ悪役?シスコン無双

幕間 噂?真実?

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「なぁなぁ、聞いた?諸悪の根源エアトルの話」

「なにそれ、なにそれ?」

「エアトル、殿下の側近4人が欲しくて、殿下に決闘吹っ掛けたんだって」

「ええー?頭おかしいんじゃないの?」

「エアトルっていっつも双子でしか一緒に居ないじゃん。友達欲しかったんじゃない?」

「ガキだな?!それで決闘って、ぶっ飛んでる!そりゃ友達になんてなりたくないわな!!」

「えーー?俺が聞いた話と違うぜ?」

「お!今度はなんだ?」

「順番が逆だったぜ?
殿下がエアトルの双子を退学にするために決闘を言い渡した、って」

「は?いきなり退学?なんで?」

「エアトルの親がクズだから子もクズだ、だから出てけって」

「エアトル侯爵?確か代替わりしたんだよな?なんで親がクズなの?」

「もともと評判悪かったみたいだぜ。
そこに来て、アスビル商会の倒産が関わってるとか?」

「アスビル商会?あのドレスで有名だった?」

「そうそう、ドレスのデザイナーがエアトル双子の母親。その伝手で、資金援助してたらしいよ。
それが事故で亡くなって、カリスマデザイナー消失で商会が傾き始めた所に…

契約してた前侯爵が死んだ、代替わりした、

で、今の侯爵。

借金、踏み倒したらしいよ?」

「「「えええええーーーーーー!!!!」」」

「マジヤベー」「そりゃクズだ」「え?踏み倒せるの?」

「爵位を笠に着て?」

「え?でも親がクズだって、子供は悪くなくない?え?殿下が退学を言い渡すほど双子も嫌なヤツなの?」

「あのー、双子は良い人達です」

「え?知ってるの?」

「自分、センバ商会でバイトしてるんで」

「センバと双子、相当な結び付きらしいね!」

「あ、はい。エミリオ様はセンバ辺境伯のご長女様と、ユーディリア様はセンバ商会のご長男様と、それぞれ婚約なさっています」

「あ、そりゃもうセンバの人間だわ」

「えーー、センバと言ったら、王家も一目置く存在だよ?」

「センバは優秀な人が大好きです。能力だけじゃなくて、人柄も重視してます。
身内に囲ったら、それはもう溺愛します。
お二人も溺愛されてますが、謙虚な方ですよ?
まぁ、エミリオ様の口の悪さは、本当にお貴族様?ゴロツキじゃね?!ってほどで、逆に笑えますが」

「口の悪い謙虚って、ナニ?」「あれじゃね、ほら!」「ツンデレ?」「そうそう、それ!」

「ツンデレとも違うような…」

「なぁなぁ、センバでバイトしてるなら、今回の決闘騒ぎ、知ってるの?」

「ああ、センバの会頭が激怒してました。雄叫びが商会に響きわたりましたよ。
一瞬、この世の終わりかと思いました」

「会頭が激怒?なんで?」

「大声で話してるから、丸聞こえだったんですけどね?

双子が商会に来て、会頭と話してたら、会頭が怒り出しまして。
〝あんのクソガキャ、決闘ってまだ立場分かってねぇのか?!〞って。
叫び声がしまして。
先輩が、自分に立ち聞きしてこい、って送りだしたんですよ。「ナイス先輩!」

で、そこでしゃべってたのが、

殿下が双子に退学をかけて決闘を申込む。
それを側近が諌める。
殿下が側近に激怒。
その態度にエミリオ様がぶちギレる。
殿下が勝ったら双子は退学、双子が勝ったら側近はセンバが囲う、という条件で決闘を受けたらしいです。
って所に、別の報告が来まして」

「ほうほう、何があった?」

「アスビル商会が店を畳む、その理由が駆け込んできたんです」

「「「「は?」」」」

「なんと!」

「「「「なんと?」」」」

「現エアトル侯爵が借金を…」

「「「「借金を…?」」」」

「自分は使ってない、使ったのは前侯爵と双子だ。
金は使ったヤツが払うのが道理だ。
前侯爵は死んだんだから生きてる双子に払わせろ。アイツらを連れていって好きにしろ、それで、チャラだ。

と双子の身柄を引き渡す簡易ですが契約書を作って、エアトルのハンコを押して、アスビルの若旦那に渡して、無理やり追い出したそうです。

それで、大慌てのアスビルの若旦那がセンバ商会に駆け込んで来まして。

会頭は怒髪天です。
いやぁ、雷で髪の毛が逆立つのを始めて見ました」


「「「「…は?………はぁぁぁぁぁあああああああ?!!!!」」」」
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