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これぞ悪役?シスコン無双
こてんぱん、って
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「仮にも王族が魔物を倒すと言っているのです、万が一の安全策を講じない訳はなく、
教会から治癒師を派遣してもらっていたようで、イーリーはその場で治癒してもらいました。
なので、傷はなくなりましたが、傷つけられた、という事実は残ります。
治癒師も眉間にシワを寄せていました。
この傷に思う所はありますが、口をつぐみます、と。
なので、イーリーは無事ですが、治癒のあと体のダルさが抜けず今日は伏せっているらしいわ。
お父様にもお話はしましたの。
私はアレを聖玉の剣だとは思えません、と。
その時、もう、殿下にはついていけません、とも、お話したわ。
ギーニー、今回の事で私との婚約話が急激に進むかもしれないわ。大丈夫?」
「望むところです!!一緒にライド家の未来を考えさせてください!!」
「まぁまぁまぁ!!公開プロポーズ?ですの!!」
思わず叫んでしまいましたわ。
すると、フーティ様も、ギーニー様もお互いの顔を見合わせて、ボンっと赤くなりましたわ!
初々しいですわぁ!!
「僕達だったら、いっくらでも証人になるからね!!」
「いやぁ、めでたい!ちょっと明るい未来の話が出るのは良いね!!
泥船からは、さっさと撤退するに限ります。そう、だからヘドロから物理的に離れましょう」
ウンウンとヨーク様もお兄様もうなずいています。
「では、イーリー様もヘドロ船からの撤退を表明してるので?」
お兄様がフーティ様に確認します。
「多分?治癒のあと、同じ馬車で帰って来たけれど、イーリーは眠ってしまってお話出来なかったのよ。
魔物の傷っていうのもショックだったのかな、とも思って、そっとしておいたし、今日も伏せっているっていうから、確認は取れてないわ」
「今までいた4人が全員離れたら、殿下、どうするんだろう?」
ヨーク様に罪悪感が出てきたようです。
「それで反省してくれたら…ってしなさそうだな?
その自称聖玉の剣サマがいる限り、悪い方に進みそうだな?!
さらにめんどくさくなりそう!!」
お兄様がめっちゃイヤな顔をします。
「そう、思い出しましたわ。
殿下と2人で〝エアトルをこてんぱんにするぞ!!〞って言ってたんですわ。
「「こてんぱんって?!」」
貴方達、どこかでお会いした事、ありまして?」
「自称聖玉の剣サマと?!ナイナイナイナイ!!」
お兄様が思いっきり、首を横に振ります。
フーティ様が私の方を向き、あら?という顔をして、話を促します。
「お兄様、心当たりがナイこともないんですけど…」
「え?ディ、会った事あるの?どこで?」
「私は会った事無いですわ。お兄様が一度会ってます。
ホネん"ん"っ、魔物で全滅した村の、見つからなかたった、あの子です。名前、覚えてますか?」
「…あ"あ"あ"あ"あ"ぁ!!!アイツか?!!!
アレが自称聖玉の剣サマ?!
名前?!聞いたっけ?覚えてない」
「なんですの?!その魔物で全滅した村の生き残りって?!」
フーティ様が食いつきます。
「私が領主代理の時、領地を回ったんですよ。
その時、ちょっと遠い山の麓の村に、気になる子がいて、よそ者家族って呼ばれてて、あんまり受け入れられて無かったから、軍で働かないか、って声かけた事があったんです。
でも断られまして。
で、魔物の大量発生が起きた時、2か所で起きてて「「2か所?!」」
1か所は軍も近くで、昔からその森に魔物が湧くってわかってたんで、巡回もしてたから早めに対応出来てて、
近くの村にそこまで被害はなかったんです。
もう1ヶ所が、その家族のいた村で。
ちょっと遠かったし、森に出払ってて対応が遅くなったのもあるんですが
その村が全滅してまして、生き残りが見つからなかったんです。
付近の村に被害が及ばなかったのが不幸中の幸いでしたが。
ちょっと外れの家に両親らしき遺体はありました。
でも、そこに子供の遺体は、なかったんですよ。
魔物が湧いてる外に子供を逃がすか?とも思ったんですが、結局わかりませんでした。
村は浄化のために焼き払いました。
もしかして、焼き払われたのを見て、恨みを募らせてる?
でも、ちゃんと慰霊碑も建てたんだけどな?」
うーん、とお兄様が腕を組んで考えてますが、
最初っから敵愾心持ってたって言ってませんでした?ホネマントが。
ってか、私、気になってるのは、物語って、こんなに早く始まるんでしたっけ?
普通の村の10歳の少年が、魔物退治?
そもそも、主人公の名前、レンヤでしたっけ?
なんか、ハルとか、ヒナとか、もっと柔らかい名前だったような……
うん、思い出せないわ。
教会から治癒師を派遣してもらっていたようで、イーリーはその場で治癒してもらいました。
なので、傷はなくなりましたが、傷つけられた、という事実は残ります。
治癒師も眉間にシワを寄せていました。
この傷に思う所はありますが、口をつぐみます、と。
なので、イーリーは無事ですが、治癒のあと体のダルさが抜けず今日は伏せっているらしいわ。
お父様にもお話はしましたの。
私はアレを聖玉の剣だとは思えません、と。
その時、もう、殿下にはついていけません、とも、お話したわ。
ギーニー、今回の事で私との婚約話が急激に進むかもしれないわ。大丈夫?」
「望むところです!!一緒にライド家の未来を考えさせてください!!」
「まぁまぁまぁ!!公開プロポーズ?ですの!!」
思わず叫んでしまいましたわ。
すると、フーティ様も、ギーニー様もお互いの顔を見合わせて、ボンっと赤くなりましたわ!
初々しいですわぁ!!
「僕達だったら、いっくらでも証人になるからね!!」
「いやぁ、めでたい!ちょっと明るい未来の話が出るのは良いね!!
泥船からは、さっさと撤退するに限ります。そう、だからヘドロから物理的に離れましょう」
ウンウンとヨーク様もお兄様もうなずいています。
「では、イーリー様もヘドロ船からの撤退を表明してるので?」
お兄様がフーティ様に確認します。
「多分?治癒のあと、同じ馬車で帰って来たけれど、イーリーは眠ってしまってお話出来なかったのよ。
魔物の傷っていうのもショックだったのかな、とも思って、そっとしておいたし、今日も伏せっているっていうから、確認は取れてないわ」
「今までいた4人が全員離れたら、殿下、どうするんだろう?」
ヨーク様に罪悪感が出てきたようです。
「それで反省してくれたら…ってしなさそうだな?
その自称聖玉の剣サマがいる限り、悪い方に進みそうだな?!
さらにめんどくさくなりそう!!」
お兄様がめっちゃイヤな顔をします。
「そう、思い出しましたわ。
殿下と2人で〝エアトルをこてんぱんにするぞ!!〞って言ってたんですわ。
「「こてんぱんって?!」」
貴方達、どこかでお会いした事、ありまして?」
「自称聖玉の剣サマと?!ナイナイナイナイ!!」
お兄様が思いっきり、首を横に振ります。
フーティ様が私の方を向き、あら?という顔をして、話を促します。
「お兄様、心当たりがナイこともないんですけど…」
「え?ディ、会った事あるの?どこで?」
「私は会った事無いですわ。お兄様が一度会ってます。
ホネん"ん"っ、魔物で全滅した村の、見つからなかたった、あの子です。名前、覚えてますか?」
「…あ"あ"あ"あ"あ"ぁ!!!アイツか?!!!
アレが自称聖玉の剣サマ?!
名前?!聞いたっけ?覚えてない」
「なんですの?!その魔物で全滅した村の生き残りって?!」
フーティ様が食いつきます。
「私が領主代理の時、領地を回ったんですよ。
その時、ちょっと遠い山の麓の村に、気になる子がいて、よそ者家族って呼ばれてて、あんまり受け入れられて無かったから、軍で働かないか、って声かけた事があったんです。
でも断られまして。
で、魔物の大量発生が起きた時、2か所で起きてて「「2か所?!」」
1か所は軍も近くで、昔からその森に魔物が湧くってわかってたんで、巡回もしてたから早めに対応出来てて、
近くの村にそこまで被害はなかったんです。
もう1ヶ所が、その家族のいた村で。
ちょっと遠かったし、森に出払ってて対応が遅くなったのもあるんですが
その村が全滅してまして、生き残りが見つからなかったんです。
付近の村に被害が及ばなかったのが不幸中の幸いでしたが。
ちょっと外れの家に両親らしき遺体はありました。
でも、そこに子供の遺体は、なかったんですよ。
魔物が湧いてる外に子供を逃がすか?とも思ったんですが、結局わかりませんでした。
村は浄化のために焼き払いました。
もしかして、焼き払われたのを見て、恨みを募らせてる?
でも、ちゃんと慰霊碑も建てたんだけどな?」
うーん、とお兄様が腕を組んで考えてますが、
最初っから敵愾心持ってたって言ってませんでした?ホネマントが。
ってか、私、気になってるのは、物語って、こんなに早く始まるんでしたっけ?
普通の村の10歳の少年が、魔物退治?
そもそも、主人公の名前、レンヤでしたっけ?
なんか、ハルとか、ヒナとか、もっと柔らかい名前だったような……
うん、思い出せないわ。
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