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これぞ悪役?シスコン無双

滂沱のナターリエ

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排泄物父と面会したあと、一応、自分の部屋に戻った私達。

そう、全て売ったから、何もないのよねー、思い出したわ。

久しぶりにあったアンが涙目になりながら、客室を用意するからお兄様と一緒に客間で待ってて欲しいと懇願し
同じく客間にやって来たお兄様も、セバスが握り拳を震えさせながら来たよ、と苦笑い。

客間でセリが入れてくれたお茶をお兄様と楽しんでいたら

いきなりバーンと扉が開き

「おぢぃざば、おでぇざばぁぁぁぁ!!!!!」

涙で顔をぐちゃぐちゃにしたナターリエが飛び込んできて、私にタックルかましてきましたわ。
そのすぐ後にミツバも「遅かった…」と飛び込んできましたが、貴女、ナターリエに負けたの?

「うん、ナターリエ、落ち着いて?」
ヨシヨシと頭を撫でながらナターリエを落ち着かせます。

「おでぇざばぁぁぁぁ…」
あらあら、余計に滂沱の涙ですわ。

「あああ、今回の件では、ナターリエも被害者だよなぁ」
お兄様が、ため息つきながらナターリエに話しかけます。

「わだじ、なにがなんだかわがらなぐでぇぇぇぇ、
なんでずが、あでぇ、傲慢なナルジズドぉぉっ!
ぎっぎっぎ、ぎらいでずぅぅうわーーーーーーーーん」
傲慢なナルシストね、言い得て妙だわ。

「ナターリエは、殿下と一緒に、将来エアトル家を担っていく気はある?」
一応、本人確認は大事です。

「ぶぶぶぶぶ、ぶぢでずぅぅぅぅぅぅーーーー!!!」
無理、ってことね?ほら、鼻をかみなさい?

「ずびびびーん、お義姉さま、ごべんなじゃい、ハンカチばっちくしました。

ずび、そもそも、私に領地の仕事が出来るほど、
ひくっ、侯爵夫人?女侯爵?になるほどの気概も、頭も、気配りも
何もかも足りてましぇええええええんんんんんんぬあーーーーーんん!!!

ずびぃーーん、なのに、あのナルシスト、
〝まだ時間はあるからな、出来る〞とか〝私を支えるために頑張れ〞とか〝侯爵ならば社交も大事だ、美しくいろ〞とか

なんかすっごい、わ、わだじに負担を強いるぐぜに、

〝私が来たのだ、出迎えがないのはなぜだ?〞〝私が労ってやっているのだぞ?〞〝私の伴侶となるならそのくらい当然出来て貰わねば〞とか

オレさま何サマ王子様を地で行くし、自分は何もじないじぃぃぃぃぃ!!!

っでが、わだじ、伴侶になるのぉぉぉおおおおおーーーーんんん」

うん、ナターリエが殿下の事が大嫌いって事が、余すことなく伝わったわ。

お兄様も「うわぁ…」って、ドン引きしてるから。

「お兄様、ナターリエに殿下を引き取って貰うの、可哀想ですわねぇ?」
「こんだけ嫌ってりゃぁ、普通、気づきそうなもんだけどなぁ、
…アレは気づかないんだろうなぁ。
俺らはセンバに逃げるけど、ナターリエもついて来る?
爵位とか、領地とか、今までみたいな良い暮らしとか、無くなるよ?
ここから逃げたら、多分、君は平民になるよ?」

「元からお貴族サマは合いましぇぇん…
お義兄様達のパティシエに成りたかったんでずぅ。
お菓子作り楽しいんでずぅ。いば、ぞでも禁止ざれでるんでずぅぅぅうわーーーーん」

「「うん、ストレスマックスだな!」ですわね!」

「うわーーーーん!!!!」
私に抱きついてまた号泣しだしましたわ。

「うん、これじゃ、遅かれ早かれ、破綻するだろ。ナターリエが壊れるぞ?」
どうすっかなー?とお兄様が考えはじめます。

「とりあえず、一週間待ってて。ヒサギ様とかと相談するから」

「ばいばいハイーー!!希望のびがりがぁぁぁーー!」
ナターリエが膝をついてお兄様を拝みだしましたわ。

まぁ、気持ちはわからなくもないですわ。
こんなにもストレスフルならねぇ。
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