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学園へ

幕間 王都に残った者達

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ハジカミ視点



「おい!エミリオ!専属従者!!起きろ!!
領地に魔物が沸いた!しかも、大量だ!!!」

いきなり、そんな声と共に頭を叩かれ、思わず手が出た。

「やめろ、専属従者!」

「ハジカミ、寝ぼけるな!
ホネ!どう言うことだ?説明しろ!!」

「だから、言ったじゃないか、ボクは領内の魔物の発生が分かるって。
今じゃ、王都に居ても分かるようになったんだ、すごいだろ!」

「どこに出たのかも分かるのか?」

「もちろんだ。今回はヤバイぞ!
ボクの森近くの村と、生意気なクソガキが居た山の麓の村付近、2か所同時に大量発生だな!」

「「大量??」」
エミリオ様と私の声が重なった。

「多分、30体は出てる。領地軍は一度にどのくらい対応可能なんだ?」

「わからん。でも、10体以上一度に出たら俺に鳥を飛ばせと、イチミに伝えてある。
だから、多分、明日にでも鳥は飛んで来ると思うが…」
エミリオ様はそこで言葉を切り、考えこんでしまった。

「ハジカミ、ワサビとサンショウ、あと馬の用意を。
要請が来る前に領地へ向かう」

「待て!リア嬢と、あと、センバの幸運の坊主も連れて行った方がいい!」

「ディはダメだ!!」

「いや、連れていけ。
今回瘴気になった負の感情のきっかけは、変な噂だ」

「「は??」」

「負の感情はちょっと前から流れて来てたんだ。
エミリオが学園のためとはいえ、王都に出たことで、やっぱりエアトル家の人間は王都の方が良いんだ、
また我々は見捨てられるんだ、みたいな感情。
でも、領地は問題なかったし、洪水の工事も着手したんだろ?
だから軽い不満がありながらも、領地は考えてくれてる?程度だった。

そこに、リア嬢が第三王子殿下の婚約者になる、エミリオが側近として王都に残る、そんな噂が入ったみたいだぞ?
忠誠心が憎悪に変わったみたいで、そんな感情がやたらめったら入ってくる。

あと、なんか、あのクソガキの不満が一気に爆発した」

「なんだ、その噂?!高等学園のより酷じゃんか?!」
思わず声も出るっちゅうもんだ。

「王家の影とか入ったか?じゃなきゃ、うちの領地まで噂が届くなんてありえない。
…シィベリじゃないだろうなぁ?」
エミリオ様の影がユラっと震えた?あ、激オコ。ホネが一瞬、凶悪な顔になったわー。
やべー、オレらの不始末だわー。

「だから、リア嬢とセンバの坊主だ。
エミリオだけでなく二人とも領地のために働いてるぞ、領民は見捨てられてないぞ、噂に踊らされるな、って実際に見せてやらないとダメなレベルだ」

「ぐぬぬぬぬ、わかった。ディも連れてく。

ハジカミ、ワサビとサンショウに連絡を。サンショウに乗せられて行った方が早いよな?「ハイ、丈夫な馬を準備します」
その間に、俺は殿下に茶会への不参加を詫びる手紙と、
…イチイに俺の分まで茶会を任せた、あと必要なものを鳥で知らせるから、それを準備してから領地に助けに来てくれ、と手紙を書く。じゃなきゃ一緒に来るだろう?それは不味い。
それを託すから、明日朝一番でイチイに、殿下には学校でいいだろ、渡してくれ。

で、鳥が飛んで来たら、クズの製造元にも伝えろ。
アレがどういう対応を取るか確認、報告してくれ。

ホネ、ディの所に行って、準備して貰ってくれ。
セリはライ様に連絡を、その後、セリもディに同行。
ディには、フロスティ様に手紙を書くように言ってくれ。
よし、行動開始!!」


相変わらずの手腕に惚れ惚れする。
オレは一生エミリオ様について行きますからね!!
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