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学園へ

えんだ!縁だ!丸だ!

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辺境から連絡があり、チィちゃんは来月始めには王都に来ると、セイラー夫人も付き添いで来るので、アイシア家のイーリアン様と先に顔繋ぎする予定とのこと。
出来たらそこから、フロスティ様や、オージーヌ様とも会えたら良いね、とのこと。

そうやって、計画的にお茶会の準備してくれるのが高位貴族の親ってものだよねー、と、お兄様と一緒に遠い目をしてしまったのも、懐かしい思い出ですわ。

そして、チィちゃんが王都に到着する、と言う日、ちょうど学園が休みだったので、お兄様とライ様とセリと一緒に王都の入り口までお出迎えに行きました。

「あ、多分、あの馬車ですね」

騎乗する屈強な男達に囲まれた豪華な馬車と数台の荷馬車。

「またけっこうな量の荷物持ってきたなぁ」
なんてライ様がのんびり話していた時

ダン! えんだーーーーーーーーーーーーー!!

なんかちっこいのが飛んでくる?!

「俺、アレ、受け止めるの?!」

いやーーーーーー!!

「リオ殿が危険です!!避けて下さい!」

らーぶ ゆーーーーーーーーーーーー!!!

「ユーディリアお嬢様も!!早く!!」
と、セリにグイッっと抱き寄せられた瞬間

ドン!!グフッ!

ライ様が、チィちゃんを回転して勢いを殺しながら受け止めたのに、地面がちょっと陥没しました。

多分、スローで見たらSPと女性歌手の愛の物語、感動の再会シーンです。

いやぁ、女性を受け止めるって、こんなに迫力有るものなのね!

「なんかディが違う事考えてる気がする」
お兄様、違うくないですわ。

「天使様の声がする!!!」
ライ様の胸から、ガバッと顔を上げるチィちゃん。

「うん、イチイ、まずは、久しぶり。
でもね、飛んでくるの止めて。
ライ様だから受け止めたけど、俺なら死んでるからね?ほら」
そう言って、地面を指すお兄様。

うん、陥没してますわね。

「普通の人間には耐えられないからね?そろそろ理解して?」

「ハイ…」
ライ様に地面に下ろされ、うなだれるチィちゃん。

そこに馬車が到着しました。

ゴゴゴゴゴゴゴゴォ

そんな効果音が聞こえてきそうな冷気が馬車から漂って来ます。

「リオくん、リアちゃん。お久しぶりね」
そんな声と共に小窓が開き、セイラー夫人が顔を出します。

冷気駄々漏れです。

「イチイ、わかってるわよね?」「はははハイーー!!!」
チィちゃん直立不動です。
「乗りなさい。
リオくんたちはお屋敷で、ね、会いましょう?」

「「「「ハイ!!」」」」
全員、敬礼する勢いで返事をして、辺境伯のお屋敷集合となりました。



「夫人、まずは謝罪を。
お騒がせして、そして、到着してすぐのお疲れの所、お時間ちょうだいしてすみません」
お兄様が口火を切ります。

「ウフフフフ。相変わらず出来た子ねぇ。
イチイをお出迎えしようと思って来てくれたんでしょう?
その事自体はとっても嬉しのよ。
イチイの堪え性がないだけだもの。
疲れてるのは仕方ないし、時間もないのも事実だもの。
本題に入るわね。
第三王子殿下のお茶会の前に、
最初イーリアンと顔繋ぎして、その後、フロスティ様やオージーヌ様もここに呼んでお茶会するわ。
その時に、貴方達も一緒にいらっしゃいね。
もちろんシラヌイ、貴方もよ。
ご縁を繋いでおいて、
この4人がキチンと婚約者同士だってことを、とりあえず、女性達に理解してもらって、味方に引き込みましょうね。
王子殿下が、何か言っても、丸く納めてもらうのに、協力してもらわないと」

社交界の噂は女性から、ですものね!!
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